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242 また暦関係ですが、日本軍の兵器には○年式(元号?)、というのと○○式(皇紀)の二種類(もっとでしょうか?)があると思うんですがこの使い分け、または使用時期の違いはいつ頃なんでしょうか?
taka

  1. 皇紀の採用は昭和三年からです。主な理由は大正時代が余りにも早く終焉を迎えた為、元号の年式では大正、昭和の判別が混乱することが理由のようです。
    この変更の後は、従来の○○年式が○○式に呼び換えられています。三十八年式歩兵銃は三八式歩兵銃になった訳です。海軍が昭和十八年より皇紀での航空機の呼称を廃止したのもこの時、昭和三年式兵器が存在していたことによるはずです。
    これについては内令などがあるはずなのですが、調べておりません。
    BUN

  2. 便乗質問ですが、十四年式自動拳銃とか11年式軽機関銃とか、○○年式が残っているものもありますが、これは何故なのでしょう? なにか基準があったのでしょうか。それとも通称で本当は十四式とかなのでしょうか?
    AJOR

  3. (じゅうよんしき)です。戦争末期の艦艇の取扱説明書などには装備として「十四式」と「年」を省いた形で記載されています。「いちよんしき」でないのは1954年まで大日本帝国が存続する予定があった為と思われます(笑)。
    BUN

  4. >3 ご教授ありがとうございます。長年疑問だったんです。定着しちやってる感もありますが、他と統一して十四式と表記しないといけませんね。
    AJOR

  5. それでは三八式歩兵小銃は明治38年採用ということですか?
    taka

  6.  そうです。「三八式歩兵銃」は明治38年に制式となった銃です。
     その年号からくるイメージで必要以上に旧式なイメージで語られますが、各国の主要小銃はほぼこの前後に基本型が完成しています。例えば、独のKar98は1898年式小銃ということですが、誰も「独軍歩兵は前世紀の遺物を手に戦った」とは言いません。
    BUN

  7.  大正十五年二月の官房機密一四七号により以下のような取り決めができました。

              兵器名称付与標準(抄)
     一、兵器ノ名称ハ其ノ機能ヲ最簡明ニ表示スル平易ナル主語ヲ用イテ之ヲ付与スルヲ原則トシ要スレハ其ノ機構、性能、新旧又ハ型式等ヲ表示スル補助又ハ区別語句ニ依リ之ヲ捕捉スルモノトス但シ軍機及極秘兵器ニ在リテハ其ノ機構、性能又ハ容量等秘密ヲ窮知シ得ヘキ語句ハ之ヲ避クルモノトス

      補助又ハ区別語句
         式     (イ)数字ニ依リ兵器ノ完成又ハ採用年度ヲ示スニ用フ
                   (例)一五式、二〇式
               (ロ)製造所名又ハ創製者名等ノ頭字又ハ略語ニ依リ之ヲ示スニ用フ
                   (例)呉式、須式、艦本式
         号     数字ニ依リ同種兵器ノ進歩変遷ヲ示スニ用フ
                   (例)二〇式二号魚形水雷
         型     数字ニ依リ形態、用途等号ノ細別ヲ示スニ用フ
                   (例)一五式距離時計 一型
                      毘式三十六糎砲 二型
         改     数字ニ依リ同種兵器ノ改良ヲ示スニ用フ
                   (例)一五式測的盤改一

    その後、昭和三年六月に官房機密七九〇号で、以下のように改正されてます。
    「式」ノ欄用法(イ)ノ部「年度ヲ示スニ用フ」ヲ「年度ヲ示スニ用イ神武天皇即
     位紀元年数ノ十位以下ヲ以テス」ニ改ム


    源五郎

  8. おお、素晴らしい。
    自分で見つけなきゃならないかと思っていましたが、お見事。
    BUN


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