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228 どう書いたら良いのかよく分からないんですが・・・
クラウゼヴィッツによれば戦争とは
「当方の意志を相手に強要するための強力行為」だそうですが、
そうすると、「当方」が日米開戦に踏み切った時、アメリカに対して
強要したかった「意志」とは具体的には何だったのでしょうか?
というか、当時の日本の首脳達はアメリカから「何を」引き出せば勝ちだと
思っていたのでしょう?
また、それは物理的に(戦略・戦術上の誤りが無ければ)当時の日本の実力で
可能だったと思われますか?
ろーえん

  1. 考えれば考えるほど難しい問題ですが、
    あえて一つ挙げるなら
    「当方のやる事に干渉するな」でしょうか。
    これ、議論ボードにまわしても十分通用するほど根が深い質問ですね。
    勝井

  2. 質問文は長いんですけれど、大東亜戦争の戦争目的と勝利の可能性を聞いているのでしょう。
    そうしたら、「連合国は日本の主張するアジアにおける日本の経済ブロックを容認できない。」「戦争そのものの可能性としては見通しは薄い。」と、答えは出てしまうではありませんか。議論の余地は無し。あとは火葬戦記の世界です。
    BUN

  3. >勝井様
    そうですね。
    ただ、その辺をもう少し具体的に知りたいな〜と思っているんです。

    >BUN様
    え〜、確かにおっしゃるとおりです。
    で、何でこんな事をたずねているのかと言いますと、別に火葬戦記の話がしたい
    んではなくて、(質問の後半はそう取られても仕方が無いですが)当時の首脳達が
    「何を考えて」開戦に踏み切ったのか、が分からないんですよ。
    まさか負けるつもりで、戦争を始めたわけではないんだろうから、いやしくも戦争
    という大事業に踏み切るからには何か成算が有ったのであろうと思うわけです。
    ところが、素人の私には、それが全く想像がつかないんですよ。
    皆様、どうかひとつ、この素人に分かるように教えていただけませんでしょうか。
    ろーえん

  4. ど素人も考えてみました。
    買かぶって言えば太平洋を挟む新興国家が直面した「両雄並び立たず」の悲劇だったといえるのでは?当時の日本軍はアメリカ本土の安全保障を脅かす可能性はなかったにも拘らず、アメリカは英・仏・中・蘭の権益を守るための「助っ人」という程度をはるかに超えて全面干渉してきました。日本の軍部及び政治家は自らに都合よく限定戦争を予想していたのでしょうが、アメリカは日本を叩き潰すチャンス到来とみて、ここぞとばかり全面戦争を企てたというところではないでしょうか。結論「日本の首脳たちの見通しは甘かった」だからといって、私は当時の首脳たちを責める気にはなりませんけど・・・。
    ど素人

  5. 開戦に至るまでの日米両国を含む諸国の思惑、情勢、外交交渉(ハルノートなど)について、ジョン・トーランドのRising Sun(「大日本帝国の興亡」という題で文庫本になっている)や、政治史関係の本を色々読んでみることをお勧めします。また、「黒船の世紀」(猪瀬直樹)は戦前、日米両国で数多く出版された仮想戦記ものを通して両国の社会で互いの嫌悪意識と脅威論がどのように醸成されてきたか、それが国民をいかに戦争に煽りたてたか記しており、当時の社会意識を知る上で読んだ方がいい。
    そもそも、ロシア南下防止政策のために取られてきた日英同盟が第一次大戦以降に解消され、極東地域における日本の存在が大きくなる中で、日米間の勢力衝突は当然予想されるケースだったのです。そして、アメリカのオレンジ計画等、両国は全面衝突の場合のシミュレーションを行ってきた。そして、満州事変、日中戦争を経て両国間の不信感が増大し(先に述べた両国社会の意識も関係している)、アメリカは日本の天皇制ををナチス・ドイツと同様な政治体制とみなして、全面戦争に踏み切ったというところでしょう。日本はこうしたアメリカからの干渉、要求に対し中国大陸を含む自国のブロック経済的な勢力圏維持を図り、アメリカの戦争意図を砕くため開戦に踏み切るわけですが。
    ところで、政治も戦争も非常に多くの誤解、短慮、判断ミスが集積したものといえます。アメリカ政府は戦争末期になって、ようやく日本の天皇制はヒトラーとは違うと気づき、その存続を認めることによって、いわゆる「無条件降伏」の交渉が行われるわけで、そうでなければ本土決戦に至る可能性が大きかった。仮想戦記等に見られるような複雑怪奇な陰謀論が成功するほど、人間は利口ではないと考えているもので。
    アリエフ

  6.  久方ぶりの書き込みです。
     当時の首脳部は誰一人としてワシントンに日の丸をあげるような結末は考えていませんでした。戦略爆撃調査団が尋問した一人は短中期の勝利を獲ることによってどこかの第三国が介入して、和平を調停してくれる、と言う考えを持っていたそうです。日露戦争ケースですね。戦争の終わり方を考えていた人でもこの辺りの考えが限界ではないでしょうか。
     開戦を決めた人達の根本の考えは情報不足(大使館の怠慢による調査不足)の中で日本の国力、名誉を考えた結果ではないかと私は思っています。つまり、ハルノートを蹴れば戦争になる。受諾すれば、圧力に屈した形になり、国際社会での日本の地位は低下していく。国力も衰退していく。この様な状況打破のための一発逆転をかけた決定が戦争。座して死ぬよりは一戦交え、日本の面子を立てられるような結末を目指そう。あわよくばアジアにおける日本の覇権を認めさせようと言ったところでしょうか。なんともサムライ的ですけどね。

     ところで陰謀説ですが、真珠湾のことですか?真珠湾陰謀説はちょっと無理なように私も思いますが、開戦陰謀説は成り立つ余地はあると思います。(直接的な物的証拠は皆無ですが。)当時のアメリカはケインズ的政策の行き詰まりにより経済状況はあまり良いものではありませんでしたから、これが動機になり得ますし(内の不満を外に向ける。もしくは戦争という市場を積極的に作りだす。)、アジア艦隊への秘密指令もあります。パネー号事件をもう一度演出すればアメリカの世論はほぼ確実に対日開戦に傾きます。パネー号事件の時でさえ世論は沸騰しましたし、アメリカ首脳部もパネー号は意図的に沈められたと考えていましたしね。なにしろこの艦はスパイ活動も行っていて、日本に引き上げられると都合の悪いものを多々積んでいましたから、後ろ暗いこと限りなしです。
    tomo

  7. >開戦を決めた人達の根本の考えは情報不足(大使館の怠慢による調査不足)・・
    逆に開戦前のアメリカが日本の軍事能力を如何に過大評価していたか、カリフォルニアに日本軍が攻めこんでくると恐れていたアメリカ国民は決して少なくありません。先にも述べたように日本の天皇制をナチスと全く同じであるかのようにみなしていたし。別に情報不足とは日本に限ったことではないですけどね。それから、ジョン・トーランドの本にハルノートに関する日米の交渉スタイルの差が相互の誤解を招いた、すなわち、アメリカは最初、強硬なものも含めて要求全てを出し交渉の過程で譲歩していくつもりでハルノートを出したのが、日本はこれを最終的なものと受け取ってしまった、アメリカが日本人の思考方式を十分理解していなかった
    のではないかという趣旨のことが書かれています。
     それから、陰謀説言うならば物証を示してください(政府文書でもいい)。アメリカが経済的状況を改善するため対日戦争を考えたというのであれば、対独戦争準備についても同様なことが言えますね。しかし、景気回復が戦争開始の最大原因だろうか?アメリカはモンロー主義を守り、ヨーロッパに派兵せず英ソに軍事援助を行い枢軸国との軍事的衝突は最小限に留める戦略を取っても、米国の軍需産業は潤いますが?
    駅缶

  8. ↑すいません、なぜかハンドルネームが文字化けしてしまいました。
    アリエフ

  9. ↑開戦前、アメリカが日本の軍事力を脅威とみなしていたのでしょうか?
    そう言う話は初めて聞きました。零戦の事に関しても過小評価してたんで
    は?と思うのですが。
    で、開戦についてですがアメリカをはじめとする大国が相手に戦争を仕掛
    けさせるということ、国外に仮想敵国を作り国内の団結を図るのは常套手
    段のように思いますが・・・。
    もし太平洋戦争がアメリカの謀略によるものなら、それに関する資料は
    残ってなくて当然と思います。発見され、公表されればアメリカの国際
    的信用は皆無になることは間違いないでしょう
    taka

  10. 最近、産経新聞で「ルーズベルト秘録」という連載企画が載ってます。
    政府文書とかでは、中国軍を装っての日本本土空爆の計画の存在とかが暴かれてます。
    謀略というところまでいくのか微妙ですが、
    当時の米政府が対日戦争を望んでいた可能性は高いと思います。

    >takaさん
    日本の軍事力は相当に評価されていたと思いますよ。
    なんだかんだいって世界第3位の海軍力ですから。
    そりゃ米国を屈服させるほどの力はないにしても、
    最悪沿岸を荒らしまわる位のことはできると思っていたのでは?
    零戦への過小評価と艦隊戦力への正当な評価は必ずしも矛盾しません。
    当時の世界にとって、日本海海戦の奇跡とそれに伴う日本艦隊の強さは伝説味すら帯びて語られていたものと思います。

    勝井

  11.  まだ考えが上手くまとまっていないのですが、以前から温めていた経済学的な考察をひとつ。(私は法学部ですが。)
     ニューディール政策は極言してしまえば、直接、間接に国民に国からの仕事をさせることです。つまり公務員化です。しかし、国の予算、仕事には限りがあり、雇用も同様です。基本的に利益のみを追うような経済活動まではしませんから。従って経済循環に対するポンプの役割にも限界があります。しかし、戦争となれば話は別です。戦場は無限の消費、雇用の市場であり、そのため、ポンプのリミッターはこの段階ではずれます。資金に関しても、軍事費という名前で堂々と、他部門を削減してでも、増額できます。戦時国債でまかなうこともできます。労働争議もありません。もちろん、正常な経済循環とは云えませんが、カンフル剤としては十分です。
     レンドリースは武器を作るだけです。金は流れますが、雇用に関してはそんなにいうほど貢献しないでしょう。もともとある生産ラインでも十分です。
     と、こんなメカニズムで経済状況の説明を考えているのですが、いかがでしょうか。
     また、開戦の意志ですが、先に挙げたアジア艦隊への指令一つをとっても十分推察できると思いますよ。
    tomo

  12. ↑ニューディール政策のくだり、それでは経済学部の人が怒りませんか(笑)?
    BUN

  13. >太平洋戦争がアメリカの謀略によるものなら、それに関する資料は残ってなくて当然
    そういう謀略を隠して太平洋戦争に勝利した国が、どうして64年のトンキン湾事件で、先に撃ってきたベトナムに対する報復だという政府の主張がでっち上げだったことがばれてしまうという大マヌケを冒すんでしょうかね?アメリカがそんなに巧妙な国ならば、太平洋戦争であれほどの犠牲を出さなくて済んだはずだが。
     ここは議論ボードではないので適当にしておきますけど、経済回復にレンドリースでは不十分で全面戦争が有効と言うのなら、日本も含め全ての国がそのように考えているでしょう。ケインズ主義のアメリカ以上に社会主義的で国家の経済介入が大きい国は、当時ナチスドイツを含めたくさんあったわけだし。
     日本を倒すためにアメリカが長期間にわたって陰謀を仕組んだと言うのであれば、その具体的プロセス、計略の内容を示して下さいよ!そして、それを立証する信頼性のある物証または証言を出してください。議論ボードでやったっていいけどね、その代わり、がんがん突っ込むけど。
    アリエフ

  14.  ナチスの経済政策ってニューディールとの共通点が非常に多いのです。それでも行き詰まらなかったのは、はい、再軍備と戦争のおかげです。雇用と消費も多く、勝ったおかげでその国の国庫ごと金が入って来るわけですから、カンフル剤打ちまくってもしばらく保ったわけです。日本などの他の国はニューディールほどの経済政策は行っていないと思うのですが?
     んで、アメさんの謀略(あくまで可能性ですが。)ですが、別に長期間に渡って立てる必要はないのです。先にも挙げたアジア艦隊への指令一本(これ、実際に出ています。)。「民間船を何隻かチャーターして武装を施し、米海軍将校を何人か乗せて、アジア艦隊の指揮の元、日本の縄張りを遊弋しろ。」こんな挑発をされれば(パネー号事件の例もあることだし)日本軍は暴走するだろう。第二のパネー号事件勃発。世論は開戦へ。これが私の考えている筋書きです。また、トンキン湾の例からこんなミスはしないはずだとお考えのようですが、どんな政府も人の集まりです。ミスは少なくなっても皆無になることはありません。
    tomo

  15. >ナチスの経済政策が行き詰まらなかったのは再軍備と戦争のおかげ
    ナチスドイツが43年中期頃まで本格的な戦争経済に移行せず、国民の不満防止を図るため日本やソ連に比べ民生品の供給水準を高く維持し続けていたこと、知っていますか?大戦中のドイツ経済について触れた本見ればわかるんだけどな。このAns&Qで軍需相シュペーアの功績に関する質問(番号忘れた)でも出ているのだけど。
    <アメさんの謀略(あくまで可能性ですが。)
    可能性云々で具体的な立証もしないで御説を論じられるのは如何なものでしょうか?おまけに、陰謀やっているうちに些細なミスが生じたりして、敵国にばれたらこれぞとばかりにアメリカの謀略を宣伝するでしょう。陰謀計画の規模が大きいほど、相当完璧な作戦を確実に実行しなくてはならないのでは?ここは電波系、トンデモ系のサイトではないので、妄想を論じられるのであれば他の所でやってほしいのですが。
    アリエフ

  16.  その辺も考えましたよ。別に戦争経済に移る必要はないんです。戦争という消費と雇用の市場があればいいのです。
     で、何か話が変な方向に行っているのですが、根本から誤解があるようです。私は陰謀説の成り立つ余地を言っているのであって、だから傍証であり可能性なのです。具体的な内容をお望みのようでしたから自説を述べたまでです。
     さらに付け加えると、挑発云々は、実際に指令を受けたケンプ・トリー大尉の証言です。日本側の攻撃が先に始まったため意味もなく終わっていますが、結構有名な話です。全くの妄想ではありませんよ。それなりの根拠がなければこんなにしつこく書きません。
     ついでに言えば、私の述べた筋書ってそんなに長期的かつ大規模な計画ですか?この程度の計画立案は短期間で可能ですし、具体的な実行準備期間は8日間(電文は12月1日のもの。出航は8日未明。)。キーは電報一本。動かすのは船3隻(予定。実際に動いたのは1隻。)。実行に携わる人物は少数です。
    tomo

  17. あ、一つ訂正です。実行に携わる人は結構な人数ですね。ここの件は全体像を知っている人物と言うことにしてください。
     
    tomo

  18.  もう一つ。当時の文書の少なくない数が、未だに閲覧不可の状態で封印されている意味を考えてください。全ての文書が公開されている状況にならない限り、陰謀が有ったか無かったかなんて断言できないのです。この問題は刑事裁判(疑わしきは罰せず。)ではないんです。
    tomo

  19. 要するに「アメリカは経済回復のため日本との開戦を考え、戦争を勃発させるとともに当方にとって都合のよい開戦の理由付けを作るための兆発工作(陰謀)を行っていた可能性があると考えられる余地がある」と云うことでしょうか。可能性や余地の話をあまり詮索しても意味がないし、どこの国でもまだ表面化していない、文書に残っていない計略、工作プランは何かしらあると思います。敗戦国も関係者が処罰を恐れてそうした計画書を焼却しているだろうし、あるいは死人に口無しか。
    トンキン湾事件のような開戦の口実とするための偽装・兆発工作の類は、決して珍しいことじゃないですね。ドイツのポーランド侵攻時のように先に相手が撃ってきたといったり、あるいは、自由と平和を求める我が国の友好勢力が相手国によって虐待されていると言ってみたり。
    ただ、御説の経済的原因を最大の動機とするのには疑問が残りますけどね。アメリカはベトナムに本格介入して景気が向上したんだろうか?戦後、アメリカ以上に国防費率が高く準戦時経済で多くの人員、資源を国防に動員していた旧ソ連が、どうして経済困難に陥ったのだろうか、説明できます?べつに回答してもらう必要無いけどね。
    ただ、「陰謀の可能性の余地」と言いたいのだろうけど、「陰謀」というのを、相当悪逆非道でかつ規模の大きいものというイメージで受け取ってしまう場合があるから、言葉には気をつけた方がいいですね。回りくどい表現は使うべきではない。もし、アメリカでこのようなことを言って相手が早とちりでもしたら、ズドン!ですよ。
    アリエフ

  20. そうですね、表現には気をつけます。

    回答する必要ないと言われていますが、言っちゃいます。前にも述べましたが戦争はあくまでカンフル剤ですよ。打ち過ぎは経済の疲弊を招きます。また、米ソとも戦時経済の体制を完全には解かないまま突っ走ったから、経済状況が苦しくなったのです。アメリカは元々国力があったし、ソ連も外貨を(主に兵器で)積極的に稼いでいたからあそこまで保ったんです。また、ベトナムの時のアメリカの景気は調べてないんです。反省します。ただ、この頃のアメリカはドルを他国にばらまきまくってます。だから、後で困ってドル防衛策にでてるんです。
    tomo

  21. 20番を読み返してみると、えらい極論になってますね。元々がニューディールの失策を説明するためだけのものでしたから、無理が出てきました。ニューディールに関する部分は基本的に変える必要は無いと私は考えますが、政策そのものの基本的な性質、環境が変わってしまったこの部分は、もっと勉強して、他の要素を詰める必要がありそうです。
    tomo

  22. そのニューディール政策に対しての認識が無茶苦茶なのが全ての原因なんです。まずは正攻法で御研究ください。
    BUN

  23. >ど素人様
    そうですね。限定戦争になる(というか、日本は第一次大戦すら限定戦争のようにたたかっていますね)という「甘い」見通しで踏み切ってしまったわけですね。

    >アリエフ様
    とりあえず、「黒船の世紀」を今読んでいます。まだ半分くらいですが、このようにしてムードが盛り上がった結果としてあの戦争がある、と言うわけですか。
    個人的には、あんな重大な国策の決定は世論(というか世の中のムード)に引きずられる事無く、客観的にやって欲しいものだと思っていますが、そうも行かないんでしょうね。

    >勝井様
    >世界第3位の海軍力ですから。
    当時世界で真の航洋海軍を持っていたのは日米英3国だけだったという記述を見た事が有りますが、多少極端ですが、こういう事でしょうか?
    確かにワシントン・ロンドンの軍縮条約の話を読んでも、この3国以外はたいてい無視されていますね。

    >tomo様、taka様
    まことに素人そのものの意見で申し訳有りませんが、アメリカが開戦したくて何か工作をしていたとしても、実際には日本が「日本の都合で」開戦したわけですから、陰謀がどうのこうのという話は関係なさそうに思います。
    私の個人的な感想としては「エムス電報事件」だって、乗っかって開戦に踏み切ってしまったフランス側が情けないんだと思っているくらいですから。
    ろーえん

  24. >22 ニューディールはケインズ的政策を積極的に行っているものですが、開戦前は苦境にあったという評価があります。私はこの立場に立って、その原因を公共事業などをやりすぎた点に求めて考えたんです。(強引なのは認めますが……。)正攻法のアプローチではこの事に関して納得のいく説明はできなかったんで、自力で考えた結果、ああなりました。

    >23 いや、仰る通りですがね、もしも開戦工作があった場合、日本がいかに上手く交渉したとしても結果として開戦に至ってしまう、という悲しい結論が待っています。私としてはここに意味を見いだしています。(ま、現段階では仮定の話になりますけどね。)
    tomo

  25. ワタシは素人なのでよく判りませんが、戦争が景気浮揚のカンフル剤である
    ならば、我が国が日中戦争で国力を消耗させつつあった。というのはどの様
    に考えれば良いのでしょう?
    レンドリースでは駄目らしいのですが、一時大戦あるいは朝鮮戦争で儲けた
    のは我が国では無かったかと・・

    あと、開戦に至る経緯については、それが現代と密接に関係しているので当
    分の間は真相を掴むのは無理ではないでしょうか?
    ただ、米国の陰謀で開戦するというのは、その後の戦争の経緯を推測するに
    非常に興味があるところではあります。
    まぁ、米国が日本懲罰遠征艦隊を繰り出して来たところを、我が連合艦隊が
    返り討ちにして壊滅させる・・というのも見たかったナ。
    tackow

  26. >24
    >日本がいかに上手く交渉したとしても
    陰謀がなくとも
    日本が上手く交渉した場合、クーデターか暴動が発生し
    結果、
    開戦という可能性もあると思いますが・・・


  27. >25前段
     私も専門家ではないのですが、一応ご説明を。
     戦争はすぐさま景気を刺激します。公共事業と同じく国からお金が流れるからです。消費と直結しているのでと即効性も上です。(この辺がカンフル剤と一緒。)しかし、戦争は基本的にそれ以外の効果を生みませんし、大規模化、長期化、激化すると、景気を刺激した分以上に出費がかさみます。したがって、それを続けていっては国の懐の方が参ってしまいます。また、長期戦となってしまうと、それまで社会システムに組み込まれていた壮年男性も、許容範囲を超えて大勢持っていかれしまいます。ですから国力が衰退するのです。(カンフル剤打ち過ぎると効き目が無くなるのに相当。)
     一次大戦の時はちょっと状況が違います。総力戦下の長期戦によって、欧州各国は自分たちの国土が戦場になったり、自国向け以外の物を作っている余裕がなかったりで、他の国への輸出が止まりました。そうすると物(民需が主)が入ってこなくなり、代替物の自給もできない多くの国は困ってしまいます。そこに、日本のような当時二流の工業しか持たなかった国にもチャンスができます。当時の日本はちょっとした戦闘を行っただけなので、景気刺激分の方がまだ上回っていました。そこへ、この商売のチャンス。ライバルの数も少ないので、代替物の輸出で多いに儲けました。ですから、戦争が終わり、欧州から物が流れるようになると、急速に商売相手が減っていき、景気が冷え込んでしまうのです。
     朝鮮戦争の時の日本は状況が根本から違います。日本の財布で物を作ったわけではないからです。アメリカからの注文によって商売をしたわけですから、アメリカからのドルと仕事によって景気が刺激されたのです。(アメリカの防共戦略の転換も一因ですが。)雇用に関しても、軍需関係の仕事は別種の新しい仕事が創造されたのと同様ですから(当時の日本は基本的に武器作る仕事は無かった。)、レンドリースとは状況が違います。

    >26
     そうですね。まあ、そうならないような結果を引き出すのが上手い交渉の仕方、と言うことで。一度激戦を演じてしまっては世論を納得させるのには相応の見返りが必要でしょうが、開戦前の交渉ですから多少のことは抑えられると思いますし。
    tomo

  28. >そうならないような結果を引き出すのが上手い交渉の仕方、と言うことで

    個人的には、陸軍内の出世主義者どもがどう出るかが気になります。
    戦争での栄達を夢見て暴走しそうですし。

    ノモンハン前に不穏な情勢を察した各方面からの複数師団規模の増援提案を
    「関東軍に増援は無用である」
    と一言で切り捨てた関東軍参謀がいますから。




  29. はじめまして。熱い議論が交わされていますね。さっそくですが、戦争を公共投資と同じに考えるのはよろしくないかと思います。100の投入によって2割増しの120の効果が返ってくる、そしてその増えた20のさらに20%がさらに消費効果で返ってくる・・・・この乗数効果を期待して政府は公共投資をやるわけです。この効果は普通の公共投資よりも軍事にかける方が薄いのは確かですから、簡単な計算がつけば公共投資を選ぶでしょう。しかもこれは戦争による被害を度外視してです。公共投資で死人や馬鹿みたいな破壊は生まれませんが、戦争では起きますよね。波及効果が薄い上に戦争による負の部分が生まれるわけです。したがって、戦争のカンフル剤としての効果は、あるとすれば「戦争が始まるまで」であって、軍備拡張がカンフル剤に多少なるとしても戦争開始がそうなるとは思いません。朝鮮戦争はあくまで日本が第3者的にカンフル剤だったのであって、アメリカにとっては明らかにマイナスです。第一次世界大戦しかりです。

    さて、日本の日中戦争などの話が出ていましたが、これは同時代のアメリカのようにカンフル剤うんぬんの話とは違います。日本は当時(というか高度成長期以前までずっと)慢性的な輸入超過状態にありました。ここでカンフル剤など打てば、さらにこれが悪化します。第一次世界大戦がありがたかったのはそれによって輸出が増えたからであって、アメリカや現在の平成不況の言うところの「需要不足」「消費不足」によるものではありません。アメリカは当時の段階ですでにバブルなどを経験して成熟経済っぽくなっていますが、日本はまだまだ工業化を進めていくらでも投資先はあるのです。両国の環境というか、経済の発展段階が違うので同列には扱えません。「カンフル剤」などの考え方が比較的新しい、ケインズ的発想であって、それが必要となってくるのは日本では70年代以降でしょう。ドイツの場合は、再軍備(つまり戦争を始める前の段階)をテコとした生産力の回復ではないでしょうか?(さすがにその辺はあまり知りません)

    さて、肝心の動機の方ですが、これはお互いの植民地の利権を守る、というべたな回答では問題あるでしょうか。そこに展開している資本家も守らねばならないし(マッカーサーもフィリピンに農場か何かを持っていたので作戦をフィリピンを素通りする作戦に反対したという説をきいたことが・・)植民地を守ると言うことが(特に日本の軍部などには)メンツを守ることにもなるでしょう。
    だいすけ

  30. しつこい上に細かい話になりますが、ソ連が何によって外貨を稼いでいたか、というのは武器ではなくて石油だと思います。石油ショックによって中東の石油が値上がりし、それによって石油の需要が一挙に高まり、油田を抱えるソ連が外貨を大量に獲得できたのです。でなければご指摘通りあれだけの軍備を抱えて国が持ちません。その後軍備拡張にかまけていて国内の設備などは旧式化し、石油価格が元に戻ったときには外貨獲得手段は何もなくなっていて経済状態の悪化を招いた次第です。軍事による消費効果も、技術の発展効果も、民間でやった方が100倍コントロールもきいて効果的、基本的に軍事というものは経済のどら息子のようなもので、おまけ的に役立つことはあっても基本的にどら息子で、収支計算をすれば赤字、というのが私論です。
    だいすけ

  31.  純粋に経済状況だけを見ると、朝鮮戦争他は不明ですが、一次大戦頃は日本、スペイン、アメリカの経済は好調だったはずですが?

     まずは公共投資の定義から。普通の公共投資の場合はたしかに仰るとおりです。しかし、今の日本を見ればお分かりになると思いますが、雇用のための公共投資もあり得るのです。この場合、公共投資とは国が税金を市場に投入することによって雇用を創設し、それによって経済循環を促進させる政策ということになります。こう考えると、戦争も公共事業の一つと位置づけることができます。もちろん、限定的な戦争であり、本国がほとんど被害を受けないことが絶対的な前提です。
     しかし、戦争は政治によって勃発します。経済上、好ましくない戦争もおこります。この場合、公共事業としての側面を考慮する余地はありません。つまり、国力が衰退する戦争(一部を除き、ほぼ例外無くこれです。)を行うのは政治的理由によるのです。
    tomo

  32. そうですね。いや、あまりにも「カンフル剤」など現在のしかも日本の状態を意識されすぎていたので気になっただけです。基本的にケインズ主義では役に立たないものを前提に公共事業をしろというようなことを言っていたわけではないので。「カンフル剤」という言い方自体、効かないとわかっていてやる日本の無駄な公共投資を弁護する言葉です。これはかなり特殊なケースである上、80年代以降のめっちゃ新しい生まれなので、この当時に当てはめるのは今のパラダイムで昔を無理矢理とらえているように感じ、違和感を覚えただけです。

    ただ、忘れていましたが、第一次世界大戦まではその被害を多額の賠償金として請求することが可能でした。戦争の被害を相手側に負わせることができるのだから、確かに勝った側は「戦争は儲かる」のかもしれません。つまり公共投資効果+戦争の負の効果の帳消し(賠償金)です。第一次世界大戦時のドイツにかけられた賠償金があまりにも大きかったのでハイパーインフレなどが問題になりそれ以後、賠償金をとることは国際的に余りなくなったそうですが、これを考慮すればある程度戦争を人命無視な公共投資的に見ることも可能かもです。
    だいすけ

  33. すみません。いいかげんに「しかし・・・」から読んでいて、的はずれなことを書いてしまいました。



    >純粋に経済状況だけを見ると、朝鮮戦争他は不明ですが、一次大戦頃は日本、>スペイン、アメリカの経済は好調だったはずですが?

    スペインはよう知りませんが、日本もアメリカも戦場から見てほぼ当事者ではなかったことから、「負の影響」が軽微なのは明白です。また、自国が冷戦当時のようなむちゃくちゃな軍拡をやったわけでもありません。


    > まずは公共投資の定義から。普通の公共投資の場合はたしかに仰るとおりで>す。しかし、今の日本を見ればお分かりになると思いますが、雇用のための公>共投資もあり得るのです。この場合、公共投資とは国が税金を市場に投入する>ことによって雇用を創設し、それによって経済循環を促進させる政策というこ>とになります。

    現在の日経だけ読んでいるとこういうことになりますよね。公共投資はあくまで役立つものを国が作るのが前提です。好況期はこれを民間がやってくれる。しかし不況期は生産は縮小し、人員と設備を遊ばせてしまう。だから政府がそれを使ってインフラなど役立つものを作り、遊ばせない。そして最後に波及効果で、いつか好況がやってくるだろうと。基本的に生産をして資産を増やす。これしかGDPを増やす手段はありません。無駄な公共投資を肯定する今の日本の風潮がこの上なく以上なのであって、ケインズがもとからそうだと勘違いする人が出てきてもまったくしょうがないです。


    >こう考えると、戦争も公共事業の一つと位置づけることができます。もちろ>>ん、限定的な戦争であり、本国がほとんど被害を受けないことが絶対的な前提>です。
    要は、自分の金で戦費を賄うかどうかですよね。人の金なら確かにいくらでも金受注ががあった方がいいでしょう。日本だけで見れば第一次世界大戦は儲かったでしょうが、地球全体のパフォーマンスは落ちたはずです。

    > しかし、戦争は政治によって勃発します。経済上、好ましくない戦争もおこ>ります。この場合、公共事業としての側面を考慮する余地はありません。つま>り、国力が衰退する戦争(一部を除き、ほぼ例外無くこれです。)を行うのは>政治的理由によるのです。

    そうそう。

    だいすけ

  34.  カンフル剤という考えが最近のものでも、適用可能ならば昔の事例に当てはめて支障がないと思います。カンフル剤が駄目なら循環ポンプでも可能です。

    >スペインはよう知りませんが〜
     世界史の問題「第一次大戦時、中立を保ち、経済的に潤った国は?」「スペイン。日米は参戦しているので該当せず。」もう1国あったと思うのですが、現在、海馬で迷子になってます。

    >ケインズがもとからそうだと勘違いする人が〜
     いや、別にケインズがそうだとは思っておりませんよ。この定義そのものが私の私見ですから。熱心に日経を読んでいる訳でもありませんし。日本を例に出したのが不適切でした。元々の発想は11番24番です。
     ついでに言うと、彼の言う「健全な資本主義」に関しては私も共感すること多大です。(彼が株で儲けた点には?マークが付きますが……。)

    >要は、自分の金で戦費を賄うかどうか〜
     ではなく、国が疲弊する前か、自国に対する戦禍が大きくなる前に戦争そのものの片が付くことが重要なのです。もう一つ重要なのは、その国1国のみを基準に考えることです。相手国のことは考慮してはこの問題は成り立ちませんから。
    tomo


  35. ここが軍事サイトというのは重々承知しており、「はじめまして」の新参者が最近の「その他」コーナー状態をここで作り出していることを深くお詫びします。自分は場の空気がいまいち読めませんので、もし古くからの方が誰かご覧になってらっしゃって、「いい加減にしろ」と思えばその場で止めてください。

    公共投資を貯金で考えてみましょう。100の資金を投入するとすれば、100の資産が手に入り、さらに波及乗数効果20(仮に)を得ます。資産が元本、乗数効果(雇用などによる消費)は利子に例えられます。さてこれによって100が120に化けたわけですが、「無駄な公共投資」は価値のない資産を生み出し、100の投入に対する100の資産という対価はありません。ゼロです。一方乗数効果はそれに関係なく起こりますから20は返ってきます。100が20に化ける訳です。もっと言えば預けた金の元本が返ってこずに利子だけを受け取る、と。80の損失は借金という形で目に見えないだけです。「軍事費」が生産活動に寄与しないことで「無駄な公共投資」と同じと考えると、いかに公共投資効果がないかわかります。

    <<もう一つ重要なのは、その国1国のみを基準に考えることです。相手国のことは考慮してはこの問題は成り立ちませんから。>>
    戦備を自分で賄うかどうかはかなり重要です。自国が「元本」を払う必要がないからです。そういった場合元本が戻ってくるかどうかは重要ではありません。乗数効果20のみを受け取ることができます。だからこそ、冷戦時のアメリカは「自らの」軍事費の需要によって豊かになることができず、第一次大戦時の日本は「漁夫の利」を得たのです。ヨーロッパからの「需要」はいわば対価なしに得られたもので天から降ってきたものとイコールです。だから長期化による国力うんぬんと主張されていましたが、戦争の期間の長さは関係ありません。マイナス効果がでかいか小さいかだけです。上の二つの例が短期でも長期でも結果は変わらないです。

    さて、なぜ今日本で「無駄な公共投資」が行われているかというと、有用なインフラはすでに終わっており、これ以上橋や道路はつくっても価値がない、元本が戻ってこない状態ですが、他に何も思いつかず、将来のことは考えずに利子(乗数効果)目当てのみでやっている状態なのです。いずれ国債の累積がとんでもない悪影響を及ぼしますので英語のできる人はさっさと国外退避です(僕はできません)。残念ながら当時のアメリカはこういった日本の状況と同じとはいえません。インフラは完全整備にはまだほど遠く、「有用なインフラ整備」はまだまだ余地があります。どちらか選ぶ余地があるのに「軍事」をなぜ選ばなければならないか?・・・戦わなければならない理由があり、戦争が目的だからです。太平洋戦争には経済がもちろん絡んでいますが、軍事がカンフル剤うんぬんは違うと思います。結果的に多少の効果が生まれることは上で述べましたが、能動的にそれを意識してやるほどの理由なんてありません。

    疑問なのは御主張のように戦争の長期化は「カンフル剤」効果が薄まり、マイナスの可能性が高まるなら、なぜアメリカは太平洋戦争を長期化させたのでしょうか?日本が短期決戦で挑んできたが国力で勝るアメリカは長期戦に日本が耐えられないことを知っていてそれに乗らず、物量勝負・国力の差で日本を破ったとこのHPで勉強しました。景気回復・ナンとかポンプ、言葉はどうでもいいですが、それらが目的なら短期決戦が選ばれるでしょうがそうはしなかった。それが不利だったというのであれば太平洋戦争は有用な投資とはいえませんのでポンプをうんぬんする有用な手段にはなりませんし、不利ではないが確実に勝つために長期戦が選ばれたのなら、結局「日本を破ること」が目的だったのではありませんか?日本に勝つために採算を度外視するなら、もうそれは公共投資ではなく、別の目的を目指した行動と見るべきでしょう。

    だいすけ

  36. 当時のアメリカ経済が成熟経済と言ってみたり、「インフラ整備の余地がある」と言ってみたり少し混乱していますが、書くうちにまとまってきたので今日の文が一応主張ということで大目に見てください。でも当時のアメリカと日本を比較すれば相対的にアメリカの方が金融・工業化・消費のありかたなどを見てもずっと成熟していたのは確かですが・・・。
    だいすけ

  37.  無礼を承知で書きます。まずは1から全部の書き込みを読んで私の主張の内容全てをご理解ください。その上でのご質問ならよいのですが、その場その場の言葉にのみ対応しているように思われます。だいたいのことはすでに書き込んでありますから。
     また、私は数式を重視する現在の経済学主流派に疑問を持つ人ですから、その辺りもご考慮ください。

     元本の出所は、そりゃ重要ですが、もっと重要なのは金が流れることです。経済活動とはお金が回ることです。お金が物に化けるのではなく、お金は物と交換されるのです。「金は天下の回り物」と言うでしょう。だいたい、戦備を自分の国が賄わない例は在日米軍の一部予算や貸与された装備を使う国くらいです。

     太平洋戦争の長期化は軍事的な要求からです。これはご指摘の通りです。しかし、開戦後、あれほど急に米軍が大打撃を受けると誰が予想しましたか?オレンジプランが良い例です。プランの変更は当然です。なお、どのくらいの戦争にその国が耐えられるかはその国力、人口に関係します。すでに国力を消耗していた日本と傷は受けても国力はさほど消耗していないアメリカ。この状況を考えてみましょう。
    tomo



  38. <<まずは1から全部の書き込みを読んで私の主張の内容全てをご理解ください。その上でのご質問ならよいのですが、その場その場の言葉にのみ対応しているように思われます。>>

    無論読んでいます。その時その時の言葉をピックアップしていますが、tomoさんの主張はほぼ一貫しているのでどこをとっても一緒です。どこからでも取りますが、便宜上「その時その時」にはなっていますね。

    さて最初からの流れは10番でだいたいまとまるかと見えました。しかし11番で「経済学的な」開戦理由の主張がなされますよね。それが陰謀説の多少強化になってると。陰謀説うんぬんは置いといてここで僕が論点にしているのは、まさにその内容なのです。戦争の理由を経済学的側面から考えるな、と言ってるのではなくて、その内容があまりにも現代風味で実際とはかけ離れているだろうというのが指摘です。つまり公共事業のつもりで太平洋戦争をはじめることなどはナンセンスなのです。

    << また、私は数式を重視する現在の経済学主流派に疑問を持つ人ですから、その辺りもご考慮ください。>>

    現在の新古典派・金融工学などを言ってはるのですか?勿論僕もそうです。米英は現在経済界でも幅を利かせてまして、偉そうな限りです(といっても一学生ではどうにもなりませんが)。数式などと呼ばれる代物は一度も登場していません。数式を使うほど僕は理論に知識が深い訳でもないし、使ったとしてもこの場合無意味です。

    さらに数式以前の問題とも言えます。「100が120に化ける」うんぬんは、数式ではなくて現実の経済の効果を極端に簡単化したものです。これで戦争がいかに支出に見合わないかわかるのであってそのために出したもので、必要最低限の証明です。だって結局得るものは「金が回ること(=流動性)」という現象と波及効果だけ。公共投資ならそれプラス、有用なダムや道路が手に入るのに、です。おまけに大量に人命も失いません。

    << 元本の出所は、そりゃ重要ですが、もっと重要なのは金が流れることです。経済活動とはお金が回ることです。お金が物に化けるのではなく、お金は物と交換されるのです。「金は天下の回り物」と言うでしょう。>>

    何回も言いますが、それは公共投資でも簡単に手に入るのではありませんか?しかも資産が増えます。それとも当時のアメリカで公共投資で流動性が手に入らない特別な理由があったのですか?どうして純粋に景気効果をねらって行く場合に「100が120・流動性」のセットと「100が20・流動性」のセットがあって後者を選ばなければならないのかが示されていません。さらに流動性が「元本」より大事か、というのは場合によります。日本ほど金の回りが絶望的な訳でもない当時のアメリカが、元本を捨てる(ものすごいことです!)などといった自殺行為をする必要はありません。自殺行為と引き替えにでも手にしたい現在の日本においては、流動性はまさに砂漠の水ですが・・・。

    <<だいたい、戦備を自分の国が賄わない例は在日米軍の一部予算や貸与された装備を使う国くらいです。>>

    まったく稚拙な表現が誤解を生むことについては僕も反省します。しかし言葉じりをとらえて相手の言っている意味を理解しようとしないのはどちらでしょうか?波及効果が同じであるという仮定のもとで、「無駄な公共投資」と「軍事費」が同じ性質であるというのは述べました。第一次世界大戦時、イギリスは戦争のため軍需物資の生産を優先し、国内および植民地向け民需品の生産は後回しにしました。その一つの例として当時イギリスの造船が軍艦に集中し、さらに沈められることによって日本の民間船が飛ぶように売れ、船成金が大量に出ました。また実際戦争によってイギリスの生産力は落ちたでしょう。これによって日本製品が代替したわけですね。であればその仮定のもとにある限り、また「元本」の出所を議論する上では、日本はイギリスの軍需及び戦争による効果を元本イギリス肩代わりで受けたということができます。つまり日本だけで見れば極めてよい状況だと。実際はイギリスがかぶっている。赤字国債の場合は未来の自国経済が肩代わりしています。結局誰かが100につき80を負担しなければならない非効率な投資です。前に「地球全体のパフォーマンス」と言ったのはそのためです。

    ほとんど例がないとおっしゃる効果と言われますが、こうなると当時の日本・アメリカ・朝鮮戦争時の日本(あの時は武器も造ってました)なども例に挙げることができます。またそれに在日米軍の例を付け加えてもらっても一向に差し支えないかと思います(思いやり予算がなくて米軍が正規の基地レンタル料払えばアメリカの丸損)。

    << 太平洋戦争の長期化は軍事的な要求からです。これはご指摘の通りです。しかし、開戦後、あれほど急に米軍が大打撃を受けると誰が予想しましたか?>>

    (長期戦うんぬんは大筋とは関係ないのに突っ込んでしまってすみません。しかし返さしてもらうと)となるとますます戦争というものに投資をするのはリスクが高いわけで魅力がないですが。「その当時の米首脳部がばかだったんだよ!!」と言えばそれまでですが、それなら当時の段階で「波及効果」をものすごく評価した、現代から見ても最新な経済的な判断が出来る人物がリスク管理(だって公共事業は負けませんもんね)のみにおいてヘボヘボでなければならないというアンバランスな人になっちゃいますね。やっぱ無理ありません?

    <<オレンジプランが良い例です。プランの変更は当然です。なお、どのくらいの戦争にその国が耐えられるかはその国力、人口に関係します。すでに国力を消耗していた日本と傷は受けても国力はさほど消耗していないアメリカ。この状況を考えてみましょう。>>

    ここでもうすでに認めてらっしゃるじゃありませんか。戦争自体は国全体として儲からないと。戦争の為の消費のみが有用であると。となると「軍事費を使う・及び戦争を実際にする」というのは、「100が20・プラス流動性・マイナス戦争の被害」になりますね。だから疑問なんです。80の損失と戦争の消耗(人命も含む)に引き替えにどうして流動性を確保しなければならないのですか?それほど貴重ですか?

    戦争はある意味その無駄さから日本の現在の公共投資に似ています。だけど、その共通点があるからといって、「太平洋戦争は(現在の日本の)公共投資的側面をねらってやった」と指摘するのは話が逆です。当時の首脳部が好き好んでそんな無駄をやった、とするのはどうかと。経済学的アプローチなら植民地争奪戦・もしくは国際収支の問題の方がよっぽど説得力があります。もちろんどちらも数式なしです。植民地なら、そこの生産が何年もに渡って自国のGDPの足しになるんですし・・・。なんしか利子目当てで元本を捨てるなどという行動は口で言うほど正常な行動ではありませんよ。
    だいすけ

  39.  こりゃ、見解の相違としか言う他無いですね。いつまでたっても平行線でしょう。
     でも幾つか言わせていただきます。
    ・公共投資には制限がある。 
    ・一次大戦や朝鮮戦争で日本が作ったのは自国向けではなく、あくまで他国から注文された物。他国から金と仕事が流れ込んできた。(その国のみを基準に考えるといったでしょう。)
    ・太平洋戦争がきっかけで、アメリカのGNPはしばらく鰻登り。
    ・長期戦化の部分は区切らず、一纏めにして考えて欲しい。
    ・植民地=市場としては中国問題がある。
    tomo

  40.  すいません、謝罪の文が抜けていました。37冒頭での言葉は謝ります。すいませんでした。
    tomo

  41. そうですね。僕もちょっと書き方がやらしいですから。今度(があれば)はちゃんと当時の状況をもっと勉強して望みたいです。でもだいぶみなさんの本筋から離れてしまいましたね。陰謀説の話だったのに・・・。
    だいすけ

  42. あの、上の「そうですね」はもちろん「平行線ですね」に対してです。し、失礼のないように。にしても見事に平行線。だからこれ以上の反論は無論書かないでおきます。
    だいすけ

  43. おっと、「平行線だからもうやめよう」ということではなかったんですね。また勘違いです。は、恥ずかしい・・。

    <<公共投資には制限がある。>>
    もちろんです。政府支出対GDP比は29年で約10%。恐慌後、倍になり、戦時中は約50%です。その後20%台に戻る訳です。しかし、・・・これは大きすぎます!!M&A数を見る限り、29年恐慌時に1500件を越え、32年頃200件程度まで、つまり10〜20年の平均的な状態に戻ります。恐慌時に多くの企業が潰れて吸収合併=M&Aが多く起こりますので、これと政府支出の動きを見る限り、開戦当初は絶望的な状態とはほど遠いことがわかります。この状態で、なぜ戦争なのか、これがわからないのです。戦争のリスク・効率の悪さ・将来への漬けは今まで述べたとおり。もし急激に百歩譲って流動性を確保したいのであればさらなる公共投資で十分です。つまり桁はずれの公共投資をリスク高いのにやる必要がありません。


    <<一次大戦や朝鮮戦争で日本が作ったのは自国向けではなく、あくまで他国から注文された物。他国から金と仕事が流れ込んできた。(その国のみを基準に考えるといったでしょう。)
    >>
    ・・?意味が分かりません。その国のみを基準に考えるという意味とそうしなければならない理由も。その前に流れ込んできたらどうなんですか?あまり省略されすぎると・・・。

    <<長期戦化の部分は区切らず、一纏めにして考えて欲しい。
    >>
    <<植民地=市場としては中国問題がある。>>
    この2点についても同じです。
    だいすけ

  44.  たしかに端より過ぎでした。ご質問の点にお答えしたいと思います。
    >公共投資〜
     この点については11番、24番前段参照のこと。当時のアメリカの視点だと、国力の点から見ても、アメリカ国内が戦禍を被る可能性も少ないですし、そんなに長期戦にならなくとも片が付くと云えます。選挙、支持率のために強硬路線をするお国ですし。
    >一次大戦〜
     つまり、日本にとってはただの民間の商売に過ぎないということです。公共投資その他の意味は無いということです。
    >長期戦化の〜
     文意が誤解されているからです。アメリカにとっては、もともと、さっさと片が付いてもおかしくない状況で、また、そのつもりでした。オレンジプランがその証拠。しかし、開戦後の大打撃によってそれができなくなり、したがって、路線を変更して、長期戦の構えに入りました。しかし、もともと中国との戦争で国力を消耗し、人口もアメリカに較べ少ない日本と、そういったことのほとんど無いアメリカが、その後どれだけこの状況に耐えられるかは自明の理。遠からず日本は駄目になるだろうと当時の段階から予想が付きます。しかも、日本が駄目になってもアメリカはまだまだ余裕がある、というわけです。これなら長期戦の構えに入っても安心です。
    >植民地〜
     植民地のことにも触れられていたので、書きました。門戸開放という手段によって中国市場(満州も)をアメリカが狙っていたというのは有名な話です。
    tomo

  45. 日米貿易摩擦は戦前にも大いにあって、英米からは日本は不当なダンピングをして
    粗悪な製品を撒き散らしているなどと言いがかりをつけられ、ブロック経済の口実
    にされていました。大東亜戦争開戦の大詔にも中国問題も含めてそのことが言い尽
    くされてます。自由貿易体制が確立されさえすれば日本が経済成長しえたという
    仮説は戦後の高度経済成長が証明していると思われます。



    天佑を保有し萬世一系の皇祚を踐める大日本帝国天皇は
    昭に忠誠勇武なる汝有衆に示す

    朕茲に米国及英国に対して戦を宣す
    朕が陸海将兵は全力を奮て交戦に従事し 
    朕が百寮有司は励精職務を奉行し 
    朕が衆庶は各々其の本分を蓋し億兆一心国家の総力を挙げて
    征戦の目的を達成するに遺算なからむことを期せよ

    抑々東亜の安定を確保し以て世界の平和に寄与するは
    不顕なる皇祖考不承なる皇考の作述せる遠猷にして
    朕カ拳々措カさる所而して列国との交誼を篤くし
    萬邦共栄の楽を偕にするは之亦帝国が常に国交に要義と為す所なり
     
    今や不幸にして米英両国と釁端を開くに至る
    洵に已むを得ざるものあり 豈朕が志ならむや 
    中華民国政府曩に帝国政府の真意を解せず 
    濫に事を構えて東亜の平和を攪乱し
    遂に帝国をして干戈を執るに至らしめ茲に四年有餘を経たり 
    幸に国民政府更新するあり 
    帝国は之と善隣の誼を結び相提携するに至れるも
    重慶に残存する政権は米英の庇蔭を恃みて兄弟尚未だ牆に相鬩ぐを悛めず 
    米英両国は残存政権を支援して東亜の禍乱を助長し
    平和の美名に匿れて東洋制覇の非望を逞うせむとす

    剰へ与国を誘い帝国の周辺に於て武備を増強して我に挑戦し
    更に帝国の平和的通商に有らゆる妨害を与ヘ
    遂に経済断交を敢てし帝国の生存に重大なる脅威を加う
    朕は政府をして事態を平和の裡に回復せしめんとし隠忍久しきに弥りたるも
    彼は毫も交讓の精神なく徒に時局の解決を遷延せしめて
    此の間却て益々経済上軍事上の脅威を増大し以て我を屈従せしめんとす
    斯の如くして推移せんか東亜安定に関する帝国積年の努力は悉く水泡に帰し
    帝国の存立亦正に危殆に瀕せり事既に此に至る 
    帝国は今や自存自衛の為蹶然起って一切の障礙を破砕するの外なきなり

    皇祖皇宗の神霊上に在り朕は汝有衆の忠誠勇武に信倚し祖宗の遺業を恢弘し
    速に禍根を芟除して東亜永遠の平和を確立し以て帝国の光栄を保全せんことを期す

    aaa


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