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太平洋戦争の初期、米軍航空部隊で”零戦に遭遇したら空中退避してもよい”という訓令が出されていましたが、このようなことはこれ以前もしくはこの後にもあったのでしょうか。(時代は問いません) 彦衛門 |
舞弥
主人公の基地がF6F数機の奇襲を受け、「空中退避」が発令される。
結局、時間的に間に合わないと見てか、命令が「搭乗員退避」に切り替わり、
滑走路には赤旗を持った地上要員が立つが、主人公のみ、赤旗を無視して離陸して行く。
…というようなシーンでした。確か。
映画「零戦燃ゆ」はフィクションですが、
このような光景はどの戦場でもあったと私は考えています。
どんべ
しらんぷりしようと思ってたのに。
そうです、本来「空中退避」という言葉は、飛行場への敵の空襲が予想される場合に、飛行機が地上撃破されるのを防ぐために急いで発進させ、ほとぼりが冷めるまでどっかをほっつきあるっていろ、という作戦行動を示すものです。
在地の飛行機が攻撃機や爆撃機の場合に出されるのが普通ですが、不意打ちに近い状況で迎撃準備が整っていない場合、侵入機が戦爆連合のあまりに多数で歯が立ちそうもない場合、戦力温存が重要とされている場合などには戦闘機隊に対しても出されることがあります。
ということですから、「遭遇して」空中退避になることはないわけですね。
この質問の場合は、単に「退避」または「避退」を用いるべきところです。
で、本題ですが、優勢な敵戦闘機との交戦を避ける、というのは特に問題はありません。よくあることだと思います。
ただ、この場合は単機で戦闘に入るな、格闘戦は絶対に避けよ、ということで、無条件に逃げてもいいという内容ではなかったと思います。
そんな訓令を出したら士気はがた落ちになってしまいますし、出した人の首は飛ぶでしょう(特に米海軍の場合は)
本来の意味における空中退避であれば、中国空軍が四川省に後退してからは常にそういう命令が出ていたはずです。曰く、戦闘機を伴う日本軍編隊に対しては、飛行場を引き払って空振りさせる。戦闘機を伴わなければ、迎撃する。
これの裏を掻いたのが、零戦の初戦果たる重慶上空の殲滅戦ですね。
まなかじ
彦衛門