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初歩的な質問で申し訳ありませんが、 ナチス時代の空軍元帥はゲーリングでしたが、 陸軍や海軍の元帥は誰だったのですか? マルマイン |
一軍を統率する存在ということなら、
海軍ではレーダー提督、後にデーニッツ提督。
陸軍は集団統率で、一番上にはヒトラーが直々に立っていたというところでしょうか。
勝井
BUN
ですから「元帥」は何人もいて
ご質問の「空軍はゲーリングですが陸軍や海軍は」では返答に窮してしまいます。
ちなみにゲーリングは空軍元帥ではなくいわば“ドイツ元帥”とも言うべき
格は高いが“恥ずかしい”元帥号を授与されていました。
またナチス時代というとヒトラーが政権掌握後、初の元帥を33年だかに任命しています。
(ブロンベックだったかな?教えてください)
この時の元帥杖は帝政以来の“プロイセン蒼色”のものでナチス時代の真紅ではありませんでした。
変わったところではこんな元帥閣下もおりました。
ドイツでは古来より“元帥終身制”をとっています。
ですから帝政期の生き残りの元帥もナチス時代のドイツにはいました。
中でも長命であったプロイセン・ドイツの陸軍元帥として
“2人の皇帝と総統に仕えた元帥”と言う異名を持つマッケンゼン元帥(1849〜1945!)
が挙げられます。
まさに“活けるドイツ史”として帝政期、ワイマール期そして“第三帝国”期と
ドイツ陸軍兵士達の前に“象徴”として存在していました。
かっぱ
もっとも、ゲーリングが「帝国元帥」になったのは1940年です。ですから厳密にいえば、それまでは「空軍元帥」ゲーリングと同じランクの軍人は他にもいたが、「帝国元帥」ゲーリングとなることによって、第三帝国唯一人の最高位の軍人(某最高司令官閣下のことを除外すれば)となったわけです。
もともと、「マーシャル」自体は、ゲルマン語で馬のしもべ=馬丁という意味だそうで、その後、騎兵、騎兵隊長、あるいは厩舎長とだんだんに出世し、長官、あるいは権力執行者という意味になっていきました(たとえば、英語の「マーシャルロー」が戒厳令の意味になったり、アメリカの連邦保安官が「USマーシャル」であるように)。この「権力執行者」という概念を使うと、フェルトマーシャルは一つの戦場=野戦軍についての権力執行者、ライヒスマルシャルは第三帝国全域での権力執行者と、説明ができます。実体は必ずしもこの通りではありませんが、マルシャルという言葉のニュアンスの説明としては大体よいのではと思います。
ところで、アドミラル(提督)はどうなんでしょうね。元はアラビア語だという話を、耳に挟んだことがあるのですが(いけない、回答が質問になってしまう)。
カンタニヤック
アドミラル(提督)
アラビア語ではなんと「将軍(欧語のGeneralにあたる全能の者の意)」という意味の語で
何も“提督”に限定されて意味では使われていませんでした。
軍職的イメージは「都督」かな?
(水師提督といった場合だけが本来の提督の意でしたし)
『三国志』の世界の人物で「赤壁の戦い」を勝利に導いた周喩は呉国の将軍ですが、
『大都督(総大将)』として高名な呉の水軍を率いていたこともあり
この役職名に馴染みのない我々日本人には
「都督」というと“海(水)軍の総大将”というイメージでしょ?
これと同じ構図です。
>追加
元帥ってドイツ語ではGeneralfeldmarschall(GFM)ではないでしょうか?
FMは墺(系)語です。
ちなみに帝政期の位階(Rangsklasse)では正一位で軍務相より高位でした。
(帝国では宮中席次、第一階第五で枢密院議長より下位、貴族院議長、衆議院議長より高位でした)
↑つまりとても“偉い”ということ。
(陸海軍大将、枢密顧問官は第十でその間が遠いこと・・・)
かっぱ
それと日本では軍隊での天皇の呼称は「大元帥陛下」でしたが、ヒトラーやスターリンも軍では「大元帥」だったのですか?
ぱるぱる
かっぱ様、アドミラルの件、ありがとうございました。
それからドイツ語の野戦元帥の件、ご指摘の通りGeneralがFeldmarschalの前につきます。ありがとうございます。
はじめからFeldmarshalしか考えずに独和辞典しかチェックしなかったのがいけなかった。いやそれより、夏休み中にミリタリ本の整理をしなければ。
カンタニャック