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121  平賀譲と藤本喜久雄についてです。
 漫画「栄光なき天才たち」や、佐藤和正氏の著作では、
平賀は確固とした信念を持った天才技術者であり、
藤本は軍の言いなりに無理な設計を重ねた人物として描かれています。
 逆に遠藤昭氏の著作では、
平賀は他人のアイディアを認めないただのワンマンであり、
藤本は「平底型船型」理論を発見した優秀な技術者とされています。
(友鶴事件」については「新理論にこういう事はつきもの」と
片付けてしまっていますが…)

 ひどく矛盾している訳では無いのですが、
善玉と悪玉がひっくり返っているのがかなり気になります。
 客観的に言って、どちらが事実に近いのでしょうか?
どんべ

  1. 平賀さんが天才であったことは間違いないでしょう。
    ただ、例の「不譲」の性格ですから周囲の反感を買い易く、
    悪玉扱いは一種当然の帰結です。

    また、現場での工作の手間までは思いが至らず、
    夕張だの古鷹だのと、軒並み排水量が増えてしまったのは周知の事実です。

    しかし、他人のアイデアを認めないというのはいただけないと思ってます。
    むしろ大変な勉強家で、あらゆる資料=他人のアイデアを取り込んだ上での
    その帰結としての平賀式設計なのですから。
    技術者にワンマン的な傾向はありがちなことで、むしろ大切な資質の一つです。
    それが他人より目立ったため、「不譲」のあだ名が奉られたのでしょう。

    藤本喜久雄氏については、
    「軍の言いなり云々」は、まず軍の要求ありきというのが普通ですから
    (この点では平賀さんは明らかに「異端者」です)、
    ある意味当然のことです。
    ただ、それがちょっと行き過ぎて、破局を招いてしまった。そういうことでしょう。
    友鶴の件は後から考えれば無茶な設計だったのですから、
    確かに責められるべき点はあります。
    「つきもの」で片付けられるようなものではないでしょう。
    しかし当時は条約時代であり、個艦優秀主義が最も高まった時期でもあります。
    技術者としてはある程度までは、無茶な設計を強制された時代だったのです。
    この点ではこの時代に一線から追いやられていた平賀さんが
    単に幸運だっただけなのかもしれません。

    遠○氏は以前「世界の艦船」から追放くらって以下略な方ですから、
    その著作については、他の資料よりは疑いのフィルターを一枚多く設けておく必要はあるかとは思います。
    勝井

  2. 前から気になっていたけれど、かつての論争の当事者でもない君が、根拠も示さずに云々するべきことではないぞ。
    BUN

  3. 「かつての論争」ってのは、「友鶴事件は操艦ミスか?」って奴ですか?
    勝井さんの回答はかなり説得力がありますが。
    どんべ

  4. なんというか、質問中にあるステレオタイプの評価、というのも問題
    かと思いますが?
    tackow

  5. どんべさん、それは「世界の艦船」のある時期の内紛のことです。私はその時の両派について、どっちもどっちの争いだと思いました。
    BUN

  6. 僕は確かに当事者じゃないですが、件の論争、一応全部目を通してます。
    その結果として、当時の世界の艦船編集部の見解を支持するものです。

    ついでにいうと、あの方、秋雲が実は陽炎型であるという説が世界の艦船誌上にて以前発表されましたが、
    その後しばらくして発刊されたご自分の著書において、あたかもこれを自分の手柄であるかのごとき書き方をなさっており、
    このあたりからもあの方の説には疑いのフィルター無しに検討することができなくなっているものです。
    (無論、あの方の説を全否定するものではありません。以前はそうでしたが、ここに来てからその辺は改め、「疑いのフィルターが1枚余計に必要」というのを現在の見解としています)
    勝井

  7. 質問者です。
    勝井さんのご意見(回答と呼んではいけないなら)は、
    より高度な「参考資料」として頂いておきます。
    有難うございました。
    どんべ

  8. >6
    今更書くのもなんですが、支持するもなにも「編集部の見解」なんてあり
    ました?例の論争で・・とっても中立だったと思うんですが。
    それに、此処で論争のごく一部を抜き出して書くのは失礼です。

    ワタシも氏は好きではありませんが、理論はともかくとして、それを組み
    立てている「パーツ」は光るものが有ると思います。
    かといって、あれを読みたいとは思いませんが・・
    tackow


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