QQCCMMVVGGTT
2158 この前、テレビ番組「たけしのこんなはずでは !!」で、日本軍の風船爆弾のうちの1弾が米軍の原爆研究所の送電線を切断したとあったのですが、これは本当でしょうか?わたしは大した効果はなかったと思っていたのですが。
スネオの逆襲

  1.  事実です。
     1945年3月10日 ワシントン州ハンフォード工場へ電力を供給している送電線を切断しています。復電及び点検作業により操業再開まで3日かかっています。
     これが「大した効果」かどうかは判断いたしかねます。


    TETSU29

  2. TETSU29様どうもありがとうございます。
    スネオの逆襲

  3. きちんとしたソースはないのですが……
    確か、一度幼稚園だか保育園に着弾して負傷者が出ていたはずです。気流の関係上、一応風船爆弾はアメリカ本土まで届くことは可能だったようで、全くの無被害というのでもなさそうです。
    それによって戦況が云々、というよりもテロやゲリラ的な混乱を狙うやり方でしょうか?
    季色

  4. ハイキングに来ていた一行だと思いました。その事件まで一般には公表せず。
    その後もマスコミが協力して広く報道することもなかったので成果なしと思った我が国は作戦を中止したと昔読みましたが資料にあたった事が有りませんので何処まで正確かはご自身でご判断をお願いします。
    (もともとは西海岸の山林火災をねらった物のようです)
    素人ですか・・・

  5. >3. >4.
    慰霊碑が建てられてるのをTVで見ました。

    風船爆弾の米本土への落下数186機。内訳は以下の通り
    ワシントン州   25機  アイダホ州     8機  モンタナ州    32機
    オレゴン州    40機  ネバダ州      6機  ワイオミング州   8機
    カリフォルニア州 40機  アリゾナ州     2機  コロラド州     3機
    ノースダコタ州   2機  サウスダコタ州   8機  ネブラスカ州    5機
    カンザス州     1機  テキサス州     3機  アイオワ州     3機

     米本土以外ではアラスカに24機、カナダに78機の他、ハワイやメキシコでも確認されてます。
     放出数は約9300機といわれていますから、到達率3%といったところでしょうか。

     アメリカのマスコミはスクープのようにすっぱ抜き、それを契機に被害報告が続出。米軍は対応に追われ、最終的には風船爆弾対策を目的とした攻撃作戦(空襲)を実施しています。

     攻撃中止の理由は以下の通り
    1)米本土の被害状況が不明(何発かは確実に到達しているのは外電でわかっていた)
    2)季節的に偏西風が微弱になってきていた。
    3)本土決戦へ総力を集中するため、人的・物的資材を引き上げる

     総生産数は約10000機で完成品が700機ぐらい残っていましたが、攻撃中止とともに焼却処分となりました。1機あたり約1万円の政策費用と設備費2億円を投じられた一大プロジェクトでした。

     こき下ろされることが多い風船爆弾ですが、被害を受けた側からすると「人的被害が少ないのが不思議なくらい」だったそうです。
    おうる

  6. >5. 誤字を訂正します。
    政策費用×
    製作費用○
    おうる

  7. 以下の出典は、『風船爆弾 ―純国産兵器「ふ号」の記録』(吉野 興一 (著)、朝日新聞社、ISBN: 4022575425、2000年)です。

    >3、>4
    「オレゴンの悲劇」とも呼ばれている出来事で、牧師の妻が日曜学校に通う5人の子供達(10歳〜15歳)を連れてピクニックに出かけ、おそらく子供の一人が爆弾に触れて爆発し6人全員が死亡(婦人は妊娠5ヶ月だったので7人死亡とも言われる)。報道管制がしかれていたので、一般市民は風船爆弾について知らされておらず、これがこの出来事の原因の一つであったとの批判が起こったそうです。

    >5
    終戦までに米軍に報告された発見数は345、戦後に発見されたものが16。
    詳細は割愛しますが、米本土が221、カナダが94、アラスカが38、メキシコ3、北太平洋上4などとなっています。
    実際の到達数は、発見数の3倍の約1000個と見積もられています。

    米側の対応は、森林火災の早期発見と延焼防止のための航空機および消火に当たる空挺隊員を含めた兵士2700名の配置。気球の早期発見と撃墜のために200基のレーダーとそれ以上の数の高射砲の配備(風船爆弾には金属部品がわずかなので、実際には効果が無かった。)。巡視船200隻を配備しての上空監視。延べ500機の迎撃機の出撃(撃墜例2件)。
    しかし、米軍が最も恐れていたのは、風船爆弾による生物兵器の使用で、それに対処するプロジェクトが極秘裏に進められていました。

    合計で9000万ドルの費用が投入されたとのことで、おそらく日本側が風船爆弾に投入した費用より2桁多いであろうとのことです。

    なお、日本側は本格的な作戦実施に先立ってラジオゾンデを放球して電波標定により航路を追跡し、米本土に到達する事を確信していました。

    また、和紙と蒟蒻糊(さらにグリセリンを浸漬)でできた球皮はゴム製の球皮よりガスの透過がかなり少なく、大きな温度変化にも耐えたそうで、米側は回収した球皮の(蒟蒻糊の)成分を(植物性の何か、ということまでは判ったが)最後まで特定できなかったそうです。

    このように、風船爆弾は、当時の日本が持っていた技術の粋を集めたものでした。
    OPD

  8.  アメリカのディスカバリー・チャネルで風船爆弾についてのドキュメンタリーをやっていました。あんな「原始的」な風船がまさか太平洋を越えて飛んでくるとは思いもよらず、当初は国内の不穏分子の仕業(日系人が疑われたそうです)ではないかと思われていたようです。不発の残骸が手に入ったことで、そこに刻まれていた漢字の刻印と、意外に高度な制御システム(水素気球は日夜の気温差によって高度が変化するが、それを高度センサーで検出しバラストを漸次落として高度を保つようになっていた)が搭載されていることが判明して日本本土からの来襲であることを確信したそうです。決め手はバラストに使われていた砂袋の砂に含まれていた微細化石が日本特産の、しかも千葉県周辺でしか発見されていない特種なものだったことで、偵察機を重点的に飛ばして発射基地(水素精製プラント)を特定、徹底的な爆撃を加えて破壊した、というくだりは 5. でおうる氏が述べている通りです。
    ささき

  9. >7.>8.
    補足ありがとうございました。
    ちなみに>5.のソースは
    光人社NF文庫 「風船爆弾 最後の決戦兵器」 鈴木俊平著
    です。
    おうる

  10. たくさんの詳しいご回答ありがとうございました。
    スネオの逆襲


Back