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イラク戦争のレポートによればアメリカ軍のライフルや機関銃が砂のせいで故障が続発したそうです。 味方とはぐれて敵に包囲されてしまい、戦闘中に分隊全部の火器が故障してしまい、 反撃ができなくて捕虜になったアメリカ兵がいました。 そこで疑問が出てきたのですが、イラク側のAK47は米軍のM16に比べて砂に強いのでしょうか? イラク人 |
- ここでも何度か話題になったことがありますが、AK系のウリの一つが作動の信頼性の高さです。
AK系もM16系もガス圧利用作動&ロータリー・ボルト・ロッキングを採用していますが、AK系の方がロッキング・ラグ等の構造が単純にできています。また、各部品の組み合わせもM16系辺りと比べると結構隙間(ガタというべきか)が多いようです。このため、AK系はM16系に比べると少々砂や泥を被っても確実に作動するようです。その代わり部品のガタが大きいために作動時に震動が発生しやすく、命中精度は劣るようですが・・・
ちなみにM16系は発射ガスをガス・ピストンを介さず直接ボルト・キャリアーにぶつけるリュングマン方式を採用しているため、AK系等のガス・ピストンを備えているガス圧利用式ライフルと違って発射ガスの圧力を手動で調整して作動を変化させることができません。つまり使用環境や使用弾薬が劣悪であっても銃本体のガス圧利用機構を即座に調整して作動しやすくすることが事実上できない構造になっているわけです。この辺もAK系と比較して作動信頼性が劣るとされる理由の一つと思われます。
ブラック・タロン
- もひとつ、AK はラッチひとつで機関部の上半分がスッポリ外れる構造になっており、故障発生時の緊急清掃・修理が楽な設計になっています。
M16 はピンを抜いて機関部を半開きにしてボルトアッセンブリーを引き抜く必要があり、AK にくらべ整備性は一歩劣ります。この問題はベトナムで認識され、M16A1 以降では分解せずともボルトを強制閉鎖させるフォワード・アシスト機構が追加されたので、初期型にくらべれば多少マシになっているはずですが。
なお、英軍 L85 は分解すると小さなバネやピンが紛失する恐れがあり、整備性は近代自動小銃のなかで「最悪」とまで言われています(^_^;)
ささき