2029 |
12Cm高角砲で疑問が、あります。 先ず、12Cm高角砲ですが、何故これの給弾方式を、改良しなかったのか? 12.7Cmは40口径で720m、12は45で825m。 砲弾の重量23Kgに対したて20Kgと大して変わらない。 ならば、後者の方が、威力があるでしょう。 其の上、砲身は軽いようです。 本体の装填システムを改良すれば此方の方が良いと思います。 砲弾の供給からしても、備蓄がそのまま使えるほうが生産にも、経済的にも良いはずです。 必要なら12.7Cmと同じように50口径にすればよい。 アメリカの25Kgで790mに対し20Kgで920mぐらいにはなるでしょう。 また、60口径に出来れば、其の威力は、想像できます。 陸軍の12Cmを知っていれば、なおさらです。 この砲は、昭和12年位には開発はすんでいたでしょう。 なぜなのでしょうか? 12.7Cm高角砲を駆逐艦の主砲にすべきとのご意見がありましたが、 此方の方が、遥かに合理的に感じます。 勿論、後知恵なのは、認識してますが 大砲に関する合理的技術面、戦術面での理由をご存知ならば教えてください。 なぜ、12.7Cmに成るのでしょう? 青江 |
- 回答ではなく質問で申し訳ないのですが、720mとか825mといった値は何のサイズを指しているのでしょうか?
当初は危害半径かな?と思ったのですが、値が大きすぎるような気がした上、
12.7cm高角砲と12cm高角砲を比較した場合、弾頭で23kg:20kg、炸薬で1.78kg:1.70kgと、
僅かですが12.7cm高角砲が有利なので、そのような大差がつく筈が無いと判断し、考えを改めたところです。
ついでに、
砲身長が50〜60口径位の5吋級高角砲と言えば、五式とか試製一式と称される高角砲があります。
これの全備重量は連装48tと、例えば12cm高角砲の連装20tや89式12.7cm高角砲の連装29tと比較して非常に重いです。
あと48tという数字は、3年式12.7cm砲を三連装にした時の値に匹敵しているようです。
従来と同程度のサイズの駆逐艦の場合、このクラスの高角砲を用いるのは、少々辛いような気がします。
mikey
- 実はあんまり砲弾というか信管の備蓄は無かったんです。
マトモな意味での高角砲は、時計式時限信管が登場するまでお預けでした。
それまでの火薬式複動時限信管は、貯蔵中に性能が変わり、高度によってタイマーが狂ったり、高高度では失火する欠陥を持っていました。
新型の時計信管の開発と、その時計信管を最大活用する(自動調停できる)高角砲として89式12.7糎高角砲が開発されたのです。
勿論、45口径12糎高角砲に、自動信管調停装置、機力自動装填装置、高仰角対応砲架等を仕込む事は技術的には可能でしょうが性能面での利点は特に無いでしょう(少なくとも命数は40口径12.7のほうが圧倒的に良い)
また45口径12糎高角砲と、40口径12.7糎高角砲では弾薬包重量が同等であるという事にも注意して下さい。
装填櫃に人力で砲弾をおくのですから、同レベルの技術を用いた場合、両者の射撃速度は殆ど同じになります。となると1割以上弾頭が大きい12.7の方が敵に浴びせる弾量(破片量と危害容積)で有利ですので、対空威力に関しては45口径12糎高角砲は40口径12.7糎高角砲に比して不利です。
また傍証でしかありませんが、45口径12糎高角砲に続けて、50口径10糎高角砲、40口径12.7糎高角砲(88式)、40口径12.7糎高角砲(89式)65口径10糎高角砲と、実に様々な砲が開発採用されています。
海軍は高角砲の弾薬体系や、その備蓄に関してはそれほど重視していなかったのではないでしょうか。
また駆逐艦主砲に関しては、条約上限に近い大口径大威力砲を用いたいという事が先にあった事が一番の理由でしょう。主目的が水上戦闘にあった以上、50口径12.7糎砲を用いるのは自然の事で、そして対空戦闘にシフトせざるを得なくなった時に、その場で転用できそうなバランスの取れた高角砲は40口径12.7だったのではないでしょうか。
側聞するに、松型駆逐艦の備砲決定時に「45口径12糎砲では威力が足りない」との意見があったといいます。かといってこの時点で45口径12糎に40口径12.7の如き高度なシステムを付与するには全面的な改設計が必須であり、そのような時間も手間もかけられなかったと言えるでしょうね。
つまり、12糎砲に手間隙かけて新システム付与させるぐらいなら、抜本的な新型を開発した方が総合的に高性能な砲になるので、そうしたというだけの事でしょう。
SUDO
- 高初速になればなるほど砲弾の威力は増すのが普通ですが、
高角砲は砲弾が敵機を直撃(貫通)するのではなく、
至近で爆発させて破片で撃墜する事を狙っています。
だから威力は初速ではなく弾頭の破壊力によります。
また高初速の方が目標到達時間が短くてすみ、精度が高い筈なのですが
当時の射撃指揮装置はそのような精度が出せず、高初速の追求にも限界があります。
大地に固定する陸軍高射砲と違い、艦自身の揺れという問題もあります。
戦争末期の米軍38口径5インチ高角砲がVT信管をもって威力を発揮し、
40ミリボフォース機銃の中にはプラットホームに
スタビライザーを組み込んだ物が開発された事を考える
とわかりやすいのかもしれません。
また件の12センチ高角砲は仰角が75度までなので
急降下爆撃機に対応するには不十分という面もあります。
Kleist
- 日本軍の場合、マトモな高射装置は九一式からだったんで、極論すると10年式45口径12糎高角砲の時代は「上に撃てるだけ」の代物でしか無かったりします。
高初速の高角砲によって、射撃精度を高めて効率を高めようという発想は、その次の段階とも言えますね。
そして、その事を考えて狙った高角砲は初速1000m/sに達する65口径10糎高角砲であった訳です。
この長10糎と比較したら、45口径12糎高角砲の初速なんぞ別に如何というものでもないでしょう。
SUDO
- 有難うございました。
極論すると、対艦性能と言うか?そっちにのみに振り回されて、
総合的な開発は、されなかったと言うことのように思えました。
Flak18などドイツの対空砲の砲口初速など見ましたら、120mm砲と大差なかったんで、
命数や重量から考えると、如何してだろうと、思いましたので。
120mm45口径の砲身重量が、2tに対して127mm40口径が3.1t、同50口径が4.2tなどと言う資料を見ましたんで、
じゃあ、50口径にして使えば、対空対艦共に、生産性の良い軽い大砲になるかもと、
倍くらいに重くなっても良いなら60口径が、可能かな?と思いましたので、
お答え重ねて感謝します。
青江
- >5
いや、対艦性能なんぞ気にしてないから40口径12.7という方向に進んだのです。
実際に、主砲として水上戦闘にも用いる可能性のある艦には主として45口径12糎が(構造簡易軽量で安価であるがゆえに)主要されています。
40口径12.7を主砲として搭載した艦艇は少数派で、高角砲の対水上威力はオマケでしかなかったのです。
また日本軍の6インチ以下の艦砲は基本的に徹甲弾を用いませんので初速の大きさは射程距離の大きさでしかなく、しかも軽量砲弾を用いる45口径12糎砲の射程は15629mであり、40口径12.7は14802mと、1,000mも変わらないのです。
対空対水上共に、40口径12.7は45口径12と同等以上の性能を発揮し、命数でも優位なのですから、45口径12に拘る必要は無いのです。
また50口径12.7という砲があるのですから、より一層の高威力を考えても12.7を流用しても差し支えが無く、それこそ弾薬備蓄でも既に駆逐艦で用いてるのですから同じ事です。
ちなみに、艦政本部の資料によると。
45口径12糎高角砲の砲身重量は2,900kg
40口径12.7糎高角砲の砲身重量は2,990kg
50口径12.7糎砲の砲身重量は4,245kg
これはとう圧は、45口径12糎:29kg、40口径12.7糎:25kg、50口径12.7糎:30kgというスペック差から来る必要強度が一番影響してます(大重量砲弾を低初速で放つ砲の優位の一例ですね、これは日本海軍でも大正時代に既に理解されている特性です)
12糎砲とて長砲身高初速化したならば、12.7糎砲と同様に高とう圧とそれに耐える強度を要求され、重量の飛躍的増大と製造コストの向上、そして命数の悪化を齎すでしょう。
そこには何も不思議は無く、極簡単で単純な算数でしかないのです。
SUDO