2016 |
小銃と長銃って違うものなんですか? すいません、素人質問で……。 過去ログでちょっと触れているのがあったんですが。 某初心者 |
- ハンドガンとライフルのちがいでは?
D・D
- それだと自動小銃はハンドガンということになりますが?
素人
- いや、それはわかってるンだけど。ググってみたら、そんな感じのが出てきたから... 長銃っていうのはないのでは?
D・D
- 「小銃」はいわゆるライフル銃、または歩兵銃全般を差します。おそらく火縄銃に存在した大筒(口径約 26mm)・中筒(約 18mm)・小筒(約 13mm)のカテゴリ分けを近代銃に対して適用したのが語源ではないかと思いますが、定かではありません。
http://www.city.shinshiro.aichi.jp/sitara/hinawa.html
「長銃」という用語は一般に使われません。あえて言うなら、同口径・同弾薬を使う小銃の銃身長にバリエーションがあるとき、その長いものを差して呼ぶかも知れません。ただし普通は長いものを「小銃」、短いものを「騎兵銃」あるいは「騎銃」(英語ではカービン)と称し、通常の小銃より更に長いものが存在した場合のみ「長銃」の呼称が使われることになるでしょう。
「大銃」は「砲」を意味する古語だったようですが、少なくとも現代は「中銃」「大銃」などの言葉は使用されていません。
ささき
- 長銃を「Long Gun」の直訳と考えていいなら、長銃は(短銃と比較して)長い、ライフル銃や散弾銃などを意味することになります。
小銃をライフル銃の意味に限定すると、長銃はライフル銃(=小銃)のほかに散弾銃や火縄銃なども含まれるやや広い概念といえるでしょう。
参照
http://www.wikipedia.org/wiki/Long_gun
カンタニヤック
- 某国語辞典より、
小銃・・・「一人で携帯出来る小型の銃」。 深く考えないで、こんな程度が語源でしょう。
私見ですが、「小銃」の用語は明治17年の陸軍文書には既に登場し、明治30年代には頻繁に使用されている様です。
*自衛用武器である、「けん銃」は陸戦主兵器でない為、「小銃」に含まず。
蛇足、
幕末期、英国兵法にも詳しい一万円札の御仁 ”福○諭○翁”は、ライフル銃(RIFLE)の語源より、
長物西洋式銃の事を「雷銃・らいじゅう」と称しておりました。
軌跡の発動機?誉
- 江戸期における炮術の一流派、荻野流では、鉄炮(現在の小火器に相当するものと思います)の長さによって「短筒」、「中筒」、「長筒」という呼び方の区分があったとの事です。D・D様があげておられる「長銃=ライフル」説は、或いはこの辺りに由来するものかも知れないと思います。
興味がありますので(便乗になってしまいますが)、宜しければその説が紹介されていたサイトを教えてくださいませんか?
尚、質問と離れてしまって恐縮ですが、
奇跡の発動機?誉様の挙げておられる「雷銃」と言う呼び方に関しては、「rifle」の発音を模した、という以外にも、江戸期にパーカッション式の銃のことを指した呼び名「雷火銃」、「雷撃銃」(!)等とも関係あるような気もするのですが、どうでしょうか?
雪の進軍
- 「長銃」と「小銃」の違い、と言いますか、当初は、「小銃」というものは存在しませんでした。
つまり、「村田銃」や「38式歩兵銃」などの「銃」と呼ばれるもの(元込め式ライフル銃)が出現し、そのような長い(全長1.5m前後)ものを取り回し易くするために小型・軽量化していったものが「小銃」とよばれているわけです。
ですから、本来は「長」銃という言い方は殆どされませんが(単純に「銃」と呼ぶケースが多い)、「小」銃に対しての「長」銃という言い回しは時々出てきます。
現在では、猟師さんが使っている銃の一部に「村田銃改良型」とでもいうべき「長」銃がありますが、それも最早、極少数派でしょう。
もともと自動火器が出現する以前の呼称なので(江戸末期〜明治年間)、あまり深く考える必要は無いと思います。現在のように自動化が進んでしまうと、殆ど分類は不可能だと考えます。
元むらくも乗員
- >7.パーカッション式の銃のことを指した呼び名「雷火銃」、「雷撃銃」(!)等とも関係あるような気もするのですが、
雷管式の事を「雷火銃」、「雷撃銃」とも言うでしょうし、「管打式」とも言いますね。
とりあえず雷銃の意は、↓ここの下から4番目にも説明があります。 他人様のHPを利用してスマンです。
http://web.sfc.keio.ac.jp/~t02809rm/chousa/history021.html
詳しくは、”福○諭○翁”「雷銃操法」慶応2年(1866)頃著書の復刻版あたりをあたってみると面白いと思います。
今は小生の手元にもありませんが。
さて、本題に戻ります。
「小銃」の語源・起源ですが、安政3年(1855) の書で「小銃略図 」という題名の書物が存在するそうです。
これによれば、「ヤーゲル銃」、「カラベイン銃」、「ピストル」の用語が既に現れており、
且つ、この3種とも当時は「小銃」という用語に総括されると解釈出来そうです。ぜひ手に取って見てみたいものです。
・・・・銃砲史も奥深いです!! 参考、↓ここの38)番。
http://www.library.tohoku.ac.jp/main/exhibit/sp/2002/explanation.html
〜?誉
- なるほどー、今では用いられていないカテゴリーという訳ですか。
けど、大砲に対して歩兵の主力携行兵器としての「小銃」(ある意味ライフルを指すようになったのは偶然!?)と、旧歩兵銃の縮小型としての「小銃」と、皆さんの間では説が二つあるようですね。
昔からあんな大きい代物を「小銃」と呼ぶのはピンとこなかった……
某初心者
- 皆さんがあまりお答えになっていない長銃についてのみ、
辞書やらネットやらをちょっとチェックしてみましたが、日本国語大辞典や広辞苑には「長銃」は出ていませんでした。
しかし、そんな語は存在しないというわけでもなく、「恋の長銃」という映画が日活太秦(1931年)で作られたり、「…装備は如前共匪において最も高く昭和十年末において約一人に一挺の長銃又は拳銃、…([満洲共産匪の研究」第一輯(軍政部顧問部)」と用いられたりしています。そのほか、競技用小銃を「長銃」という言い方もあるようです(あまり一般的ではないようですが)。
今のところ分かる範囲でいえば、「長銃」はまったく使用されないわけではないが、あまり普及していない語で、その意味も短銃(拳銃)に対立する概念として用いられる場合が多いようだが、小銃やライフルとどのように使い分けられる(あるいは区別されない)のかもははっきりしない。…といった所です。
カンタニヤック