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1887 有名な印度のシパーヒーの乱で問題となったエンフィールド銃の紙薬莢について質問させていただきます。
1、なぜあれの弾丸には脂が塗ってあったのでしょうか。酸化物と一緒に紙に詰めているので酸化防止はありえませんし、理解できません。
2、弾丸は紙薬莢から取り出さずに包んだまま装填するそうですが、それは銃身と弾丸の密着度を高めるための措置と考えて差し支えないのでしょうか。
 
p.s 印度で使えなくなってしまったエンフィールド銃がめぐりめぐって長州軍の歩兵銃になったとは驚きでした。
紅葉饅頭

  1. 1.世界史の教科書によれば、獣脂を塗ってあったのは「銃身での摩擦を少なくするため」となっています。

    2.紙薬莢は一般にガス漏れやススの付着の問題が多かったそうなので、単に装填の迅速化のためではないかと思います。
    町田

  2. 1)推測ですが紙薬包の防水・防湿のための加工ではないでしょうか? 町田さんが書かれているように銃身との摩擦軽減の意味合いも考えられますが・・・

    2)ここでも前に書かれたことがありますが、紙薬包の包み紙には3つの役割があります。

    1/弾と発射薬の携行を容易にし、且つ手早く装填するための手段
    2/銃腔内面と弾の隙間からの発射ガス漏れの防止
    3/銃身へのファウリング(弾との摩擦による鉛・煤付着)を少しでも軽減するためのパッチ

     ちなみに、セポイの乱の原因の一つといわれる件の紙薬包の話ですが、本当に獣脂を塗っていたかどうかは定かではないと聞きます。
    ブラック・タロン

  3.  該当エンフィールド銃に関して、日本海軍の記述から一部抜粋(海軍用小銃制定関連文書より)
    (1)潤滑剤トシテ在来ノ蜜蝋ト牛脂ノ混合物ニ代フルニ蜜蝋ノミヲ採用シタコト(2)弾径を減少シタルコト之ナリ。
     之ガ改良ノ理由トシテ挙ゲラルルハ牛脂ハ高熱時ニ於テハ自然ニ溶解シテ潤滑ノ性能ヲ害シ且含有スル酸ハ弾丸ヲ浸濁スト云フニ在リタリ。
     然ルニ純粋ナル蜜蝋ヲ得ル事ハ常時ニ於テ至難ノコトトナリシガ「ウールリッチ」王立研究所ハ苦心ノ結果純化ニ成功セリ。
     弾丸ノ改良ハ初メ印度セポイ叛乱ニ於ケル鎮圧軍中ヨリ叫バレルニ至レリ。
     当初ノ弾径ハ0.568吋ニシテ間隙僅カニ0.009吋ニ過ギズ(以下SUDO略)

     つう訳で「潤滑剤」です。
    SUDO

  4. ちょっと補足。
    この当時(1850年代)、最新銃であったエンフィールド銃は、前装銃ながら、
    ライフリング銃身&確かミニエー弾採用の先進銃でした。 (口径.577 3条右回転、転度 1−78in)

    「潤滑剤」の意味は、単純に腔内前進抵抗を減らす為ではなく、>2.ブラック・タロン 3/銃身へのファウリング
    ・・・ライフリングへの鉛付着防止の為と考えられます。 現在でも一部の競技用弾丸がグリス溝付きなのと同様ですね。

    *口径.577は、>3.SUDOさん 「弾径ハ0.568吋+0.009吋」に合致しますね。
     
    軌跡の発動機?誉

  5.  それがですね。
     この銃、前装であるのですが、この間隙の無さと牛脂のせいで、装填杖を壁に押し当てて突く事で装填しなければならないほどだったそうです。
     (つまり、銃口から弾を入れて、装填杖で押し込むのですが、普通には押し込めなかったと)
     この為、弾径0.55吋(間隙0.22吋)にした上、牛脂混入を止めて、蜜蝋のみに改めたとの事です。

    SUDO

  6. 切れちゃった(^^;;
     つう訳で、間隙の小ささとライフリングから来る、装填時の労力を緩和するための潤滑剤だったのです。
     勿論、発射後の便もあったとは思いますが、前装火器では砲弾でもそうなのですが、間隙を小さくすると装填の労が大きくなる事が知られていました(勿論、間隙が小さい方が精度も威力も良好です)
     エンフィールド銃では、潤滑剤として脂・蝋を用いる事で解決を図りつつも、初期には十分にそれを果たせなかったという事でしょう。

    SUDO

  7. スレッドの落下スピードがやけに速いですね、これを読んでいただけることを祈ります(汗
    エンフィールド銃はミニエー弾使用だったんでしたっけ、忘れていました。でも、ライフル銃なのに弾丸との間に紙を入れては性能を損ないそうですし、そもそも間隙が狭く装填が困難なほどではつめてる途中で紙が破れて結局意味がなくなってしまうのではないでしょうか?
    紅葉饅頭

  8. >7
    > ライフル銃なのに弾丸との間に紙を入れては性能を損ないそうですし
    ミニエー弾だからこそ、発射の瞬間だけガス漏れ止めしておけばいいんじゃないかと思いますが。
    ミニエー弾の構造と機能はご存知でしょう?

    > つめてる途中で紙が破れて
    ガス漏れ止めであり、油脂による潤滑が目的ならば、弾の周囲ぐるりにほんのちょっと紙が残っていれば良く、薬包は離れちゃっても良くはありませんか?
    どうせ装填杖で上から撞き固めちゃうんですから

    また、筒の内面ぴったりの物に紙を巻いて突き込めば、破けて切れても筒との接触面にはきれいに残ります
    塩ビ管なんかで実験してみると面白いかもしれません
    空気鉄砲から硬い弾、それもサイズの揃わない弾を撃ち出すのにいろいろ工夫したもので、濡らした紙を巻いて隙間をなくすというのは、濡らして丸めた新聞紙というポピュラーな弾丸製作法からしてわりとすぐに思いつく方法でしたね
    これが水でなく脂だというのが紙薬包なんじゃないかなと

    まなかじ

  9.  ミニエー弾の構造と機能についてはいちいち説明しませんが、この弾の登場でガス漏れ防止という紙薬包の目的の一つはある程度薄れたかと思います。が、すでに書いているように紙薬包には銃腔内&ライフリングの保護(鉛付着防止)という目的もあることをお忘れなく。
    ブラック・タロン

  10. >7.エンフィールド銃はミニエー弾使用だったんでしたっけ

    英国政府は、発明者フランス軍大尉”ミニエー”に 当時の金額で、20000£を支払って、
    自国ライフルにもミニエー弾を導入しています。と 同時に メトフォードライフリングも導入しました。

    >5.6.SUDOさん (弾丸と銃口の間隔の無さで)装填時の労力を緩和するための潤滑剤だったのです。

    その事についても同意します。 ただ私の手持ち資料では、口径(ボア径).577in、弾丸径.550inで、
    基準寸法を設定されていても、その当時の精密加工能力が追いつかず(特に銃身内径の加工精度が難、
    弾丸精度は鉛鋳造なので容易。)、それ程の解決を見ず、やはりベットリ油塗布する事を必要としたとなっております。
    その後製作された各国のミニエー弾使用銃は、初速や命中精度を犠牲にして、もっとブカブカになっているそうです。

    ミニエー弾に関しては、手持ちの資料で以下の文を見つけましたので、最後に記述します。

    The circumferential grooves ease loading,collect and remove fouling and hold grease to soften blackpowder fouling.

    〜?誉

  11. 20000£が現在のいかほどなのかいまいち分からないのですが西部劇の時代の$も結構な価値があったみたいですから、多分すごい金額なんでしょうね。

    でも、疑問が一つにつながりました、どうやら紙の影響力を大きく考えすぎていたようです、ありがとうございました。
    紅葉饅頭


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