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1882 日本の戦艦の主砲弾に搭載されている炸薬量がアメリカよりも少ない気がするのですが、同じ口径と口径長を持つ砲と砲身ならば(簡単に比較できませんが)炸薬を多く搭載していたほうの方が有利なのでは?それと砲弾の威力指数を見ると大和とアイオワがあまり変わりが無いのです。これは45口径と50口径の差なのでしょうか。

  1. とりあえず装甲を貫通しなければ炸薬量の多さというものは生きてきませんので
    まず重視するべきなのは貫通力です。
    貫通力が同等ならば炸薬量が多いのも有利になると思いますが、同じ大きさの弾で炸薬量を増やそうと思えば砲弾内の空洞部を大きくする必要があり、砲弾の重量が
    軽くなります。軽い弾は遠距離でエネルギーを失いやすいのであまり好ましいとは
    いえません。(想定している戦闘距離にもよりますが)
    米新型戦艦の16インチはSHSとよばれる従来の物よりも長く重い砲弾を使用して
    いるために炸薬量は日本の16インチよりも多いのです。
    また、大和とアイオワの威力の件ですが、おっしゃられている威力指数というのは
    どのような物なのでしょうか?
    単純に考えれば初速、砲弾重量ともに上の大和の主砲のほうが強力だと思いますが。
    ライフルマニア

  2. もしかしてそれってMMの作った大和18in×45口径=810、アイオワ16in×50口径=800で威力差がないという誤った数式では?
    ロックマン

  3.  米国の砲弾の炸薬量は以下のようなもの(徹甲弾)
     16インチMk8:1225kgで18.4kg、16インチMk3で957.1kgで31.6kg
     前者は1.5%、後者は3.3%
     つまり色んな砲弾があるという事です。
     ほぼサイズの同じ41糎91式徹甲弾は1020kgで14.861kg、比率的にはMK8と同じぐらいです。
     また日本の徹甲弾も世代の古いものは、MK3並の炸薬量比でした。
     炸薬量は多い方が勿論破壊効果としては有利ですが、炸薬は弾殻よりも比重がずっと軽いのです。
     これは、炸薬の多い砲弾は弾殻が薄くなることを意味します。こうなると目標の装甲に当たった瞬間に砲弾が拉げてしまうんです。場合によっては変形圧力で炸薬が自爆してしまう。
     こうした問題と装甲材質の進歩や、貫徹威力の向上の観点から、自爆し難い火薬の開発等の自爆防止処置の研究と共に、弾殻を厚く頑丈にして貫徹威力を高める方向に進んでいったのです。
     面白い事に、炸薬量が多く軟い徹甲弾は、着速が低い方が壊れないので貫徹力があったりします。中々一筋縄では行かないんですね。
     また日本軍の徹甲弾の貫徹力は米国で戦後に36糎弾でテストしており、数%ほど米国の側が有利(低い速度で貫徹する)と米国では結論しています。テストの妥当性を語る立場に無いので何とも言えませんが、そのテスト結果を用いるならば、アイオワ級の砲威力は素晴らしいものだと考えても良いと思います。これも、砲弾構造次第なのですが、斜撃に強い砲弾は、正撃では伸びない傾向があります(米国のは斜撃に弱めかもしれないスタイルといえる)
     よって、条件次第では威力は結構変わるので、そのあたりも考えてみると良いと思います。

     ちなみに、米国の炸薬は安全性(自爆性)では良好になってますが(その分自爆防止緩衝材を減らせた)炸薬の爆発威力では日本のそれよりも劣ります。
     何を炸薬に使ってるかでも意外と変わるので注意して下さい。

    SUDO

  4.  ざっと日本の主要徹甲弾の炸薬比率を計算してみたりして(笑)
     
    46糎 91式徹甲弾 完備重量1520.00kg 炸薬:91式爆薬33.850kg 比率2.23%
    41糎 91式徹甲弾 完備重量1020.00kg 炸薬:91式爆薬14.861kg 比率1.46%
    36糎 91式徹甲弾 完備重量673.50kg 炸薬:91式爆薬10.998kg 比率1.63%
    20糎 91式徹甲弾 完備重量125.85kg 炸薬:91式爆薬3.100kg 比率2.46%
    15.5糎 91式徹甲弾 完備重量55.870kg 炸薬:91式爆薬1.860kg 比率3.33%
    (46糎弾は1520kg説で計算)

     ちなみに、通常弾(つまり徹甲ではない弾)の炸薬比は、戦艦主砲で4〜5%。20、15.5糎で6〜7%ですが、日露戦争時からの20糎45口径砲だと(それなりに改善された第一次大戦世代の砲弾で)徹甲弾で3%、通常弾で10%ぐらい。
     日本軍は15.2以下では通常弾ばかりです以下の感じ

     軽巡主砲、戦艦副砲の場合、HEと、英国風に言うCPC相当、つまり弾底信管の被帽通常弾を用いてます。そのCPC相当で見るとこんな感じ。
    50口径15糎 四号通常弾 5.8%
    50口径14糎 被帽通常弾 5.3〜5.2%

    駆逐艦の通常弾は頭部信管のHEになります(対空用にも用いる)高角砲でも同様。
     50口径12.7糎 7.7%
     40口径12.7糎 改四で8.15%、上と同じ弾も用いています。
     45口径12糎 各種あるんだけど、まあ12.7と同様で8%前後
     65口径10糎 7.29%
     60口径8糎 6.34%
     40口径8糎 一式対潜徹甲弾 3.29%(イロモノですな)
     40口径8糎 対潜弾 12.6%
     40口径8糎 その他各種 8%前後

     ちなみに、発射時のとう圧が高いと砲弾が自壊しやすくなり、炸薬比は低めになります。
     一般的に、徹甲弾<被帽通常弾<通常弾の順に炸薬比率は大きくなります。
     日本海軍では日中戦争の為に、一部の艦艇に対地射撃用の砲弾も用意しました。砲によっては陸軍の信管を用いたものもあります。
     対地射撃の都合上、強烈な初速は要らないと弱装・減装で用いたそうですが、この対地射撃用砲弾は炸薬比が大きく、ものによっては炸薬比12.5%にも達し、陸軍の加濃砲弾並になってました(榴弾砲ではもっと多い場合もあります) 
    SUDO

  5. もしかしてそれってMMの作った大和18in×45口径=810、アイオワ16in×50口径=800で威力差がないという誤った数式では?
    ロックマンさん
    そのとおりです。あの数字誤りだったんですね。まあ冷静に考えると砲弾の重さから言ってかなり違うのですから気づくべきでした。
    ライフルマニアさん
    そうですね、ww2の艦隊決戦ではやはり砲弾は貫通しないと。砲弾の炸薬量を増やすには直径が変えられない(細くはできる)のだから長さを変えるしかないと。
    皆様ご回答ありがとうございました。特にSUDOさん、緻密なデータ。かなり参考になりました。


  6. 下のサイトに条約明け新型戦艦の主砲弾の運動エネルギー一覧が掲載されてます。
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~eeg/read/kyohou_faq.html
    これを見ると大和が飛びぬけて強力な主砲である事がよく分かります。
    ベロウ

  7. 砲弾ではないですが、ドイツの航空用機関砲30mm弾薬で
    薄鋼板プレス加工で炸薬容積が80%に達するものがありますね。
    艦艇用の高性能榴弾として限界まで炸薬量を増やすとどれくらいまで
    いくのでしょうか?
    砲弾の殻の肉厚を口径の10%とすれば、容積で50%、重量で20%あたりが限界でしょうか?
    Navy

  8. >7
     20口径20糎爆弾砲の通常弾改七は完備重量30.0kg、炸薬13.501kg、炸薬比率453.003%で、ざっと見て日本の海軍砲ではこれが最大比率だと思います。

     ほか、炸薬比が高いのはこのあたり↓
     短20糎通常弾 完備47.0kg 炸薬13.575kg、比率28.88%
     短12糎通常弾 完備13.0kg 炸薬2.522kg、比率19.4%
     12.7糎対潜弾 完備21.0kg 炸薬3.935kg 比率18.7%
     12糎対潜弾 完備16.4kg 炸薬3.771kg 比率22.99%

     という訳で、普通にやると、このあたりが限界だと思います。
     ちなみに、これらの砲弾、信管換えることで対空や対水上にも用いる事が出来るという事になっていますので、ギリギリ「普通」かも(違うだろ・・・)
    SUDO

  9.  ああ、453%ってなんだよ、45.3%です↑m(__)m
    SUDO

  10. >5 その類いの数式で評価するなら、18^3×45(但しa^bはaのb乗)、16^3×50等とすべきです。
    VV


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