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戦車砲などに「排煙機(エバキュエーター)」が付いていますが、これはどのような仕組みになっているのでしょうか? 位置的に能動的な排煙機構(ファンとか)になっているとは思えないのですが… 単にスリットがあるだけでは発砲時に大変なことになりそうで? ボルジャーノン |
- 受動式排煙機構だけに関して言えば、
・構造
中央部に排煙用ポートがいくつか空いた砲身と、その排煙ポートから入ってきた装薬の燃焼ガスをある程度の圧力を保持して溜め込む蓄圧器の二つから構成されます。
・動作
弾頭発射時、排煙ポートを弾頭底部が通過した後、排煙ポートから蓄圧器に装薬の燃焼ガスが流入し、ある程度の圧力を維持するように蓄圧されます。弾頭離脱時は貯圧器内部よりも砲内圧力が下がった時点で蓄圧器から砲身内部に燃焼ガスが逆流することで、砲身内部にガス流れが生じ、結果的に砲内に溜まった装薬の燃焼ガスが排出されるという動作をします。
・その他
残留ガス排出時に丁度良いタイミングで閉鎖器を開けると、より排気効率が増すため、色々な考え方からタイミングを決定しています。
sorya
- ご回答ありがとうございました
あの膨らみ、貯圧器になっていたのですか…なるほど〜
してみると、砲身内部の圧力と貯圧器内の圧力の差が一定以上になると開く”弁”みたいなものがあるということでしょうか。
発砲時の高圧状況で「稼動する部分」がある…ということは…砲身命数が尽きる前に排煙機が先に壊れそうですね、砲の基部ほど頑丈にはできないでしょうし…
ボルジャーノン
- ないです。そんな便利な弁なんか。
蓄圧器は「ある程度の圧力を維持する」と記述しているように、ガスが流入しすぎたらさっさとガスを逃がします。これをもって、蓄圧器の耐性を高めています。
で、その漏れたガスをサーマルジャケットの中に導入することで均一加熱をさせたりなんかしちゃうわけ。
これから判るように、受動式の排煙器は火砲の機械的な効率向上には寄与しないのです。
sorya
- う、弁はありませんか。
【発砲後の推測】
発砲後、砲口からガスが抜けていくと砲身内の圧力が低下する。
ここで「蓄圧器⇒砲身内」のガス流出量より「砲身内⇒砲口⇒外」のガス流出量が多く、そのため砲身内部の圧力のほうが蓄圧器内の圧力より先に低下する。
ということでしょうか。
うーん、エバキュエーターの仕組みについてどこかに図解とかないのでしょうか…。検索しても見当たらない…。
ボルジャーノン