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初めまして。 質問のログを調べていたのですが、少しだけズレた質問だったので新しく質問させていただきたくて・・・。 燃料気化爆弾の事ですが、空気を攪拌して化学反応を起こして、それから爆発を生み出す、というような説明を見掛けたのですが(曖昧で申し訳ないです)、これは相当の高度から投下しなければならないのでしょうか? 使用の用途から考えても、投下するのが本来の使い方なのでしょうけど、気になってしまって・・・。 設置しておいて(この言い方は変でしょうか)爆破、という方法を取る事は出来ないのでしょうか。 長々とすみません。お答え頂けると嬉しいです。 RIET |
- すみません、少し読み残していた部分があったので。
敵の直上で使用、爆圧で押し潰す、と言う事で、やっぱり投下しての使用のみなのでしょうか・・・。
追加にもならない追加でしたが、よろしくお願いします。
RIET
- FAE/燃料気化爆弾は、文字通り燃焼材料を気化し、空気中の酸素と一定比率になったところで着火するのが原則です。
ようするに、プロパンガスのガス爆発とか、炭鉱の炭塵爆発と似た原理です。
原理的には、地上においた状態でも爆発可能ですが、普通に破裂させると燃料の半分が地面に散布されてしまい、効率が悪そうです。
ご質問にあった「高空から」の必要はなく、巡航ミサイルのような低空からでも投下できます。爆発前にはパラシュートなどで減速し、地表に対して適正な距離で発火しますので、むしろ低空からのほうが都合が良いと思われます。
性質上、液体燃焼剤をたくさん詰める必要があるので、FAEの外形はかなり大きく、それで空中投下型になっているのだと思います。
また、砲の発射に耐えるほどの外皮を持たせるのは効率が悪いなどの理由で、砲から発射するタイプは見かけません。(実用弾頭で、ありますか?)
さらに、液体を散布する必要上、ライフル型の砲から発射すると、遠心力のためきれいな形に広がらず、あまり向いていないこともあると思われます。
クリスティー
- クリスティーさん、丁寧なご回答をありがとうございました。
疑問が解けて、喉の痞えが取れました。
砲からの発射によって標的を破壊するのにはやはり向かないのですね。
実用弾頭では・・・私は見かけた事はありません。
地表との距離を判断して炸裂する、というのも今回知りました・・・どうも有り難うございます。
しかし、このサイズの物を、ライフル形の物で発射する事は可能なのでしょうか?
巡航ミサイルの「低空」なら200m位かなと思うのですけれど、例えばこれが10〜20m程度の高度であった場合、燃料の拡散範囲が狭まる、というだけの事なのでしょうか。ある程度の高度を持った場所から落下した弾頭が(航空機からでなくても)、効果を発揮する可能性とか・・・現実にはありえない状況でしょうけれど。
以前見たページ(リンク貼って良いのでしょうか)では、標的上空の10メートル程度の位置で燃料を噴出、弾頭着弾と同時に爆発を引き起こしていたように思えたのですが・・・。
例に使われていたのはCBU-73でしたが、BLU-82も同じ、という訳ではないのですね。こちらの方が粉塵爆発を利用するタイプみたいで・・・。
質問を重ねるみたいになってしまって、申し訳ありません。
RIET
- >BLU-82も同じ、という訳ではないのですね。こちらの方が粉塵爆発を利用するタイプみたいで・・・。
BLU-82は、粉塵爆発なんて利用していないです。
安価で、比較的安全なスラリー爆薬を使用する単なる超大型の爆風爆弾です。
下記のURLの説明が素敵です。
・日本語
http://www5.justnet.ne.jp/~weapon/blu82.htm
・英語
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/dumb/blu-82.htm
>また、砲の発射に耐えるほどの外皮を持たせるのは効率が悪いなどの理由で、砲から発射するタイプは見かけません。(実用弾頭で、ありますか?)
サーモバリック砲弾、ロシアで開発していたような記憶がありますけど・・・見つからない・・・。
いちのへ
- 自己フォローです。
>サーモバリック砲弾、ロシアで開発していたような記憶がありますけど・・・見つからない・・・。
記憶違いです。砲弾ではなく、対戦車ミサイルでした。申し訳ありません。
http://www.army-technology.com/projects/kornet/
いちのへ
- RIET様
10メートルとかそういう単位ではなくて、
詳しいデータは知りませんが、FAEの試験や、実戦映像を見ると、こんな感じです。
(1)ドラム缶のような弾体がパラシュートで降下。
(2)バッ、と小爆発し白い霧のようなものが一瞬見える。(昼間の打ち上げ花火のよう)
(3)次の瞬間、数十メートルといわず、うーーん、小学校一つ分ぐらいの巨大な火球が発生し、その周辺の物体が衝撃で粉々に吹き飛ぶ。
(4)炎がキノコ雲となって上昇し、その下も盛大に燃え上がる
・・・・といった、小さな核兵器と呼べるものです。
小型化しても価値がないというか、小型ならば通常爆薬のほうが効率が良く、FAEは広い範囲を一撃で皆殺しにするような、そういう用途に向いていると思います。
なお、先日、アフガンにおいて、洞窟内にミサイルを撃ち込んで内部でFAEを炸裂させる新兵器がでておりました。名前、何でしたっけ・・・?
クリスティー
- >いちのへさん
申し訳ありません…勉強不足ですね、わたし。
英語サイトの方は未見でしたので、参考にさせて頂きます。
ありがとうございました。
これは…対戦車ミサイルで、弾頭がサーモバリックなのですか?
>クリスティーさん
続けて詳しいご説明、ありがとうございます。
となると…やっぱり10メートルや20メートル程度の高度では、十分な攪拌はされないのでしょうね。
爆圧自体が脅威になるとの事で、その辺りの事を調べていたのですが…。
確かに、広範囲を薙ぎ払うのでなければ、通常のC4で充分なのでしょうね。キロトンで換算して、どれ位の破壊力なのかは解りませんけれど…。
アフガニスタンで使用されたのは、いちのへさんの仰られたサーモバリックでしょうか。アフガン東部にはBLU-118が投入されたらしいですけれど…。
洞窟内部でFAEと同効果の炸裂を引き起こすみたいですね。
これもある程度地面を貫徹した後に起動するみたいですけど、判断はどうしているのでしょう。弾頭自体が認識する機能を備えているのでしょうか…?
寧に教えて頂いているのに、理解力が足りなくて申し訳ない限りです…。
RIET
- >換算〜
C4でなく、TNTですね。
…比較対照、解り辛い書き方してしまって済みませんでした。
何度もご迷惑お掛けしてます…申し訳ないです。
RIET
- RIETさん>
>これは…対戦車ミサイルで、弾頭がサーモバリックなのですか?
この対戦車ミサイルは、HEAT弾頭とサーモバリック弾頭を選択できる
ようになっています。ソ連のアフガニスタン侵攻時に、対戦車ミサイル
で、洞窟を攻撃したらしいのですが、HEATだと指向性が強いため効果
が低かったようで、それを戦訓に、サーモバリック弾頭が開発された
そうです。
あと、FAEの解説をば。英語ですが。
・FAEの解説(英語)
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/dumb/fae.htm
いちのへ
- >いちのへさん
HEATとサーモバリックの選択なのですか…本来の使用用途以外の目的を付加した弾頭なのですね。
このサイズでも、サーモバリックとしては十分な効力を発揮する物なのでしょうか。密閉空間で使用されるだけに、破壊力は十二分だとは思うのですが…。
FAEの解説、加えて有難うございます。
以前リンクさせて頂こうとしたページの写真と同じ物で驚きました。
こうしてgif形式で見ると、着弾の瞬間と、周囲の明暗が一気に変わるんですね。
御解説、感謝致します。
RIET