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素人的な質問なのですが、以前、友達が旧ソ連製のAk-47は安価でタフな銃だと、聞いたのですが、安価なら中国製やコピー品なのがあるので、分かりますがタフというのはいったいどこがどの様にタフなのでしょう?整備不要、作動不良がない、と言ったところでしょうか?欧米製、自衛隊の64式、89式はタフ(耐久面)はどうなのでしょうか? 翔氏 |
- よく言われるのはベトナム戦において故障破損が続出した M-16 に対し、AK47 は悪条件下でも故障知らずだったという比較です。
M-16 は 5.56x45 小口径弾を採用、プラスチックとアルミ合金を多用し軽量化を主眼に置いた設計だったため、銃剣戦闘をすると銃身が折れたり銃肩が破損する事故が起きました。また軽量化のためガスピストンを省略し燃焼ガスが直接薬室内に吹き込むリュングマン・システムを採用したため、連射するとボルトにカーボン等が付着(戦時増産された弾薬の品質も悪かったらしい)して完全に閉鎖しきらないという作動不良が多発しました。
M-16 の装填レバーは「引く」だけの動作しか行わず、ボルト前進はバネの力だけに頼っています。不発時にレバーを引いて再装填操作を行うことは可能ですが、何度やっても閉鎖しない場合はテイクダウンピンを抜いて機関部上半分を押し上げ、ボルトを引き抜いてロッキング・ラグを清掃する必要がありました。もちろん、泥だらけのジャングル内での戦闘中に簡単に出来ることではありません。
これに対して AK47 は昔ながらの鋼鉄+木材で作られており、強力な 7.62x39 弾を採用したため M16 より頑丈に作られています(そのぶん重いですが)。また AK47 は機関部後部のラッチを押して開くだけで機関部上半分が取り外せ、作動部分が丸見えになるので手入れ/清掃が非常に容易です。ガスピストンを採用しているため薬室にガスも入り込みません。もし不完全閉鎖が起きたとしても、AK47 はボルトキャリアに直結した装填レバーが露出しているため、これを蹴るなり叩くなりして強制閉鎖することが可能です。
また AK47 はソ連というお国事情を反映して幅広い気温範囲で動作するよう考慮されており、金属部が多少の膨張/収縮を起こしても動作するよう隙間を大目に取ってあります(だから命中精度は良くない)。それゆえ多少のゴミや汚れが機関部に入っても作動不良を起こしにくい特徴があります。
現状アメリカ正規軍で使われている M16A2 はベトナムの戦訓を反映し、銃身を太くするなど各部の強度を上げ、ボルト強制前進機構(フォワード・アシスト)を付けて不発に備えています。湾岸戦争に持っていった M16A2 は3発連射機構(バースト)の不調を起こしたものの、それ以外は特に故障もなかったようです。
ささき
- とりあえずアメリカ以外の各国のアサルト・ライフルについて。
AK系も含めた各国の大多数のアサルト・ライフル(5.56mm、7.62mm)はガス・ピストンを備えたオーソドックスなガス圧作動機構を備えており、作動の信頼性はM16系のリュングマン方式よりは確実といえるでしょう。
ガス圧作動式でないライフルとしてはドイツのG3系やフランスのFA MAS等が挙げられます。この2つは反動利用式の一種であるディレード・ブローバック(撃発時にボルトが完全閉鎖されず機械的な方法でボルトの開鎖タイミングを遅らせる機構)を備えており、G3系はボルトにローラーを備えたローラー・ロッキング、FA MASはカムを利用した機構となっています。ディレード・ブローバックはガス圧作動機構と違い銃身に余計な付属物(ガス・ピストン等)を付ける必要がないので、部品点数の削減や銃身をほぼフリーフローティングに近い設計にできる等の利点(命中精度の向上に繋がる)がありますが、反面薬室内の圧力が下がりきらないうちにボルトの開鎖が始まってしまうので、中の薬莢が発射ガス圧で張り付いたまま引っ張られて千切れるトラブルを引き起こす可能性があります。その対策としてG3系やFA MASは発射ガスの一部を薬室内に導いて薬莢との隙間を作るための溝(フルート)を薬室内に施していますが、これによって薬室から機関部内に発射ガスが入り込んで汚す弊害もあります。
ディレード・ブローバックは5.56mmX45弾のような高腔圧の高速弾薬には不向きと考えられており、ドイツのH&K社がドイツ軍次期制式ライフルとして開発したG36はディレード・ブローバックをやめてオーソドックスなガス・ピストン式のガス圧作動機構を採用しています。
タフさのもう一つの要素となるレシーバーの剛性については、素材・製法がスチールやアルミ系合金材からの削り出しだったりプレス加工だったり(あるいは両者の組み合わせ)、あるいは強化センサテック材(合成樹脂)の一体成型だったりと銃によってバラバラで、それぞれに一長一短があります。ただ、削り出し加工とプレス加工を比較すると削り出し加工の方に分があるのは確かです(この辺はその国やメーカーの技術レベルにもよる)。
さて自衛隊の64式小銃と89式小銃ですが、機構面で見ると双方ともオーソドックスなガス・ピストン式のガス圧作動機構であり、違いはボルトの閉鎖機構とトリガー・メカニズムだけです。64式はFN FALのようにボルトが斜めに傾いて開鎖するティルティング・ボルト、89式はM16系に似た7本歯のマイクロ・ロッキング・ラグを備えたロータリー・ボルトとなっています。
わしはまだ両者を直接見て比較したことがないので具体的なことは書けませんが、89式小銃は64式小銃に比べると部品点数が簡素化されており、AK系には及ばないでしょうが64式よりは使えるであろうと考えられます。といっても使用弾薬がまったく異なる(7.62mm→5.56mm)&レシーバーはスチールのプレス加工なので、その分の耐久性や剛性は当然割り引いて考える必要がありますが。
何より両者は『実戦』を経験していないので、本当に設計通りの耐久性や信頼性を発揮するかどうかはわかりませんし、今後もそんな機会は訪れるべきではないと考えます。ま、演習の段階で故障が頻発するような銃が実戦で役に立つはずがないのは言わずもがなですが(笑)
ブラック・タロン
- >1 だから命中精度は良くない
たしかに命中精度は他の自動小銃に比してバラける部分があることは否めませんが必要な範囲の中に納まっていますし、M−16等で使われている.223NATO(5.56×45)は弾丸が軽量のため風でも進路がそれるという話です(これだってそんなあさっての方向に行くという意味ではないでしょうが)要するに、そんな命中率が要求されるような遠距離射撃性能に関しては両者において互角であるし、そもそも機関銃でも狙撃銃でもないアサルトライフルにたいして命中率が云々と四の五のいうのはあまり意味ないことです。 多分ささきさんはご理解なされていると思うので補足までに一言。
紅葉饅頭
- 「AKこそ最良の小銃である。」
某マリン談
この米国海兵隊員がどのような戦歴をもってるか
わかりませんし、どの部分を指して最良と言ってる
のか不明ですが、「撃たれた側」にも感銘を与える
小銃というのは間違いないようです。
旧ユーゴで雇兵をされかいいた方の本では、
潤滑油をときどき使用するだけで良いとか
言う記述があったような気がします。
記憶カキコですので興味のある方は書店で
捜してみてはいかがでしょうか。
SAW