1742 |
はじめまして。 自分かなり素人なんですが、特殊部隊や軍などがライフルや拳銃の訓練で 使う標的はどんなものがあるのでしょうか? あと、ケースバイケースになってしまいますが、 標的との距離はどれだけ離れているのでしょうか? よろしくお願いします。 くに |
- では、僭越ながら。
今月の『GUN』の記事では、米海兵隊(?)の狙撃手が、紙に印刷された犯罪者らしき人の姿を標的にしていました。その犯罪者は、人質を盾にしていて、もちろん人質には当たらないように撃つわけです。また、意図的に印刷を不鮮明にしたり、標的を動いている状態にしたり、という工夫もされていました。
そのほか、『狙撃手』という本によると、狙撃手の訓練には、できるだけ人間に似せた標的が使われることもあるそうです。印刷されたものではなく、立体的な人間型で、頭部には刻んだキャベツとたっぷりのケチャップを詰めたものを使う、という例もあります。「どのようにして人の頭が吹っ飛ぶのかわかってもらう」ということです。物騒な話ですが、必要なことなのでしょう。
距離について、私には確かなことが言えません。
諸先輩方、間違いがありましたら突っ込みをお願いします。
きめら
- 実戦部隊の場合、当然のことながら実際の状況に近い想定で訓練するのが理想ですから、それなりにリアルな標的(1で挙げられている犯人と人質の絵や写真を入れた標的紙とか)が用いられるのが一般的な傾向のように思われます。また、プロジェクターでスクリーンに犯人の動く映像を投影してそれを射撃する訓練装置もあります。
今月のコンバット・マガジン誌では、陸上自衛隊の普通科部隊がハワイにある米軍の市街戦訓練施設を使って制圧訓練を行ったときの記事が載っていましたが、このときは人間の頭から胴体を模した樹脂製の立体型標的を使用していました。銃に取り付けたレーザーか赤外線の発信機に反応して標的が倒れる仕組みじゃなかったかと思います。また、○年前に北熊本駐屯地で陸自が市街地を想定した対テロ・コマンド作戦の訓練を公開したときは単純な布製人形を仮想敵として使っていました。
特殊なケースとして実際に人間等を仮想標的とする場合もあります。と言っても本当に人間に銃弾を撃ち込むわけではありません(笑)。例えば軍隊の演習では、各兵士の銃や戦闘車両にバトラー(模擬戦闘装置)を装着させて模擬戦闘を行ったりします。バトラーはレーザー発信機(銃や火器等に装着)とその受信機(戦闘服や車輌等に装着)で構成されており、発信機から発せられたレーザーを受信機が感知すると被弾したと判定され、ダメージのレベル(軽傷・重傷・死亡あるいは小破・中破・大破等)まで判定できます。
また、ペイントボールゲームのような要領で、攻撃側・防御側双方が専用プロテクターを身に付け、特殊なペイント弾頭を装填した拳銃やサブマシンガン等を使って実戦とほぼ同じ状況で模擬戦闘する訓練システムもあります。
標的との距離については、これは使用する銃器や任務等によって変わってくるので一概には括れません。
例えば狙撃手の場合、数十m以上の距離で行われるのが一般的だと思いますが、実際にどのくらいの距離を取るかは使用する狙撃銃の種類や想定する状況等によって異なるでしょう。一方、拳銃やサブマシンガン、アサルト・ライフル等を使ってのCQB(室内戦闘)訓練となると、これまた建物の構造や想定状況等によって違ってくるでしょうが、概ね数m以内の至近距離というのがザラでしょう。
ブラック・タロン
- 余談ですが、SASの様な特殊部隊では「テロリストが人質をとった」というシチュエーションの訓練で、キルハウス内にテロリスト役ターゲットと一緒に、教官が人質役として入る事もあったそうです。(事故で死者が出て以来中止されたとも聞きますが)
希有のSAS映画「ファイナル・オプション」では、冒頭で主人公スケルン大尉(ルイス・コリンズ)が人質役をやっていました。
・・・・・・昨夜のTV大阪の放送、よりによって「おいしいシーン」(訓練シーンの大半や、エンディングを含む政治的な暗黒面)をバッサリとカットしたおかげで、ひどい代物でしたが。
杉村徹
- 貴重な情報どうもありがとうございました。
また、いろいろと質問したいと思います。
くに