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銃身を交換する機関銃はどのくらい発射して銃身を交換するのでしょうか?また、発射し続けた場合どうなるのですか? BB |
- 1.銃身を交換する機関銃はどのくらい発射して銃身を交換するのでしょうか?
各国陸軍に於ける運用方法、重機・軽機、各種機銃の個別性能にもよりますが、空冷機関銃として回答します。
大雑把に言いますと、100発/分の割合で射撃します。 その割合で、仮に連続3分間射撃し、
合計300発ぐらい射撃したところで、予備銃身に交換します。
(この連続300発ぐらいで中止するという事は、連続射撃による銃身温度上昇の累積温度が、
丁度、銃身材料(鋼材:スチール)の焼き戻し温度直前(300〜350 C゚)で、射撃を中止する。という意味を持ちます。
取り外した銃身は、元の常温に冷えたら、再使用します。
(世の中には、交換された銃身は、すぐ廃棄すると思っている人が多いです。それは間違い)
その射撃→交換→空冷→再射撃 の繰り返しで、数千発〜一万発程度の銃身寿命をも持ちます。
(銃身内にクロームメッキがされている場合は、その1.5倍程度寿命が延びます。)
参考として、現代の代表的MG 米軍・M60とM249の 発射レートを見てください。
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/m60e3.htm
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/m249.htm
M60は、100発で銃身交換とは、神経質すぎますね。現実は無視でしょう。
実用 Cyclic: 550 rounds per minute
急射 Rapid: 100 rounds per minute*
持続 Sustained: 100 rounds per minute*
(* with barrel changes at each 100 rounds)
M249は、本格的機関銃とは言えませんので(だからSAWと言う)、持続発射速度が85発/分と低めですね。
実用 Cyclic: 725 rounds per minute
持続 Sustained: 85 rounds per minute
2.発射し続けた場合どうなるのですか?
撃っている本人にも、前方に布陣する友軍にも、おっかないです。!!
本件に関係する過去ログは沢山有ると思いますので、探してみて下さい。 或いは、親切で博学な方の回答を待ちましょう。
軌跡の発動機?誉
- 誉さんが挙げられたM60のデーターは、アドレスからの伺える様にM60を2kg程軽量化したM60E3の数値の様ですね。本文にも「(M60E3の)軽量化した銃身はオーバーヘッド・ファイアーの安全性を損ない、銃身に致命的な損傷を与えることなく200発/分のラピッド・レートでの持続射撃が不可能になった」との記述があります。
みなと
- >2.マシンガンの大御所、みんと さんの登場ですね。 M60E3の数値・・・・
A.それでは、オリジナルM60の銃身交換は・・・・
http://world.guns.ru/machine/mg12-e.htm
”The barrel should be changed after 200 rounds of the rapid fire.”
こちらのHPの最後の方でも、M60E3の、NINIMIなみに下がってしまった銃身交換レートの事を
改悪扱いしていますね。
B.MG42(但しオーストリー現代タイプMG74)では・・・・独語ですが!
http://www.waffenhq.de/infanterie/mg74.html
最大発射速度 = 理論 theoretisch: 850 s/min
持続 Sustained ≒ 実用 praktisch: 250 s/min
という事であります。
追伸。
Q.発射し続けた場合どうなるのですか? に上手く答えて頂けますか。
〜?誉
- 素人ですが失礼します。
発射し続けた場合、
1)横転弾等を生じ狙いが定まらなくなるばかりでなく、ねらった所よりも手前に弾が降る。(味方が敵に接近中だと・・・)
2)陸自だか技研だかが空自のいらいで昔、M3航空機銃(.50口径)を試験で地上設置して連射し続けたところ銃身を突き破って横に弾が飛んだ例が有る。
3)ブローニング系の機関銃(.30口径か?)を連射したところ射撃を止めた後に余熱で発火、暴発(続け?)した。(薬室が解放状態でないため?)
こんな例を聞きかじっています。
素人の空耳モード
- 4に少し補足。
1は、連続射撃によって銃腔内やライフリングに不具合が発生し、その影響で弾道が安定しなくなって命中精度が著しく低下し、着弾点が下がったりキーホール(横転弾)が出たりすることです。ひどくなると上でも書かれている通り、機関銃手の前方に展開する味方の頭上に弾を降らせることになりかねません。
なお、この場合の不具合とは、銃身自体の過熱による熱膨張、ライフリングの摩耗、ファウリング(弾頭から削れた銅や鉛、発射薬の煤が銃腔内にこびり付く)、高温の発射ガスによる銃腔内のエロージョン(焼損)などです。
3はコック・オフと呼ばれる現象で、薬室に入った弾が熱で自然発火してしまうものです。薬室に弾が入った状態から撃発サイクルが始まるクローズド・ボルトの銃器に起こりやすく(ブローニング系の機関銃はクローズド・ボルト)、大抵の機関銃は対策としてオープン・ボルトを採用しています。
ブラック・タロン
- 私も4に補足。「横に弾が飛んだ」というのは「アメのようにぐにゃりと銃身が曲がって横に弾が飛ぶ」という訳ではなく、過熱によって銃身に亀裂が入り、それが広がって遂にそこを突き破って弾が飛び出したのではないかと思います。
ささき
- 理論的には、こんな感じかな?
1)銃身が鈍ら(なまくら)になって、強度が低下し、通常よりも早く
消耗したり、銃身破裂の要因となる。
2)銃身の熱膨張で、弾道の不安定になったり、銃身の消耗速度が速く、
腔圧が高くなり、銃身破裂の要因となる。
3)薬室の温度上昇で、発射薬が自動的に点火されてしまい、引き金を
引かないのに、弾が出続ける。
4)薬室の熱膨張で、装填−排出の機構が、うまく作動しなくなる。
いちのへ