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かなり前の話しですが、ラムズフェルド米国国防長官が来日したさい NECの世界最速のスーパーコンピューターに関心を寄せていたそうですが 兵器を開発するためには、従来どの程度のコンピューターが使用されるのでしょうか?そこまで速いコンピューターでどのような兵器をつくるのでしょうか。 SK |
- 素人がこういった事を言うべきじゃないので明言はしませんが
世界最速のスパコンって、たしか地球シュミレーターってやつですから
兵器の設計とかより何かの再現と考えるべきでしょうか?それとも速いにこした
ことはないって事でしょうかね。
従来、使用されるコンピューターのスペックついてはsorya様の解答待ちですね。
コジ
- 地球シミュレーターは主に地球の気象条件等を今までより小さな格子(従来は100km〜200kmを10km程度まで細かく)に分割しより精度の高い予測/シミュレーションを行なう事を目的としています、また、これは海洋科学技術センターだけではなく原研やNAL、NASDAが共同で運用するものです。
これがまたでかいモノでして、おおよそ体育館二個分に近い(60m×65m)ほどあるスペースに640台の計算機をネットワークで繋ぎ並列計算させる代物です。(手元の説明パンフより、かなり端折った説明)
かなり特化した代物ではありますが、色々な事象のシミュレーションを行なう為の計算能力は十分に備えていると見て良いのでは無いかと思われます。
どの様な兵器を作るのでしょうか、と言う話ですが、設計段階での事象の再現等その手の能力の要求される事には事欠かないのでは無いでしょうか(核兵器とかなら特に)、要は兵器を作る為の助けにするということだと考えますが。
ooi
- 先年、プレステ2が兵器開発に流用可能なので輸出規制対象品目に指定されたとかいうニュースがありましたよね。
その辺、目安になりません?
勝井
- >>勝井氏
それ、全然目安になっちゃいない(笑)
組み込み系コンピュータとR&D用のコンピュータは別のものと考えるべきだよ。
>>コジ氏
なんで指名するの?ま、いいけど(笑)
早いに越したことはないんですよ。コンピュータは。なぜかというと早いコンピュータを使えば使うほど、より細かいレベルから現象を再現できるからです。
侵徹問題で考えてみましょうか。例えで。
能力大 MD(=動分子力学)を駆使した原子レベルでの材料挙動の模擬/サンプル10億個以上、挙動解析時間単位1fs(10^-12秒)
能力中 連続体力学を用いたバルク単位での材料挙動の模擬 /サンプル1000万個以上、挙動解析時間単位100ns(10^-7秒)
能力小 モデル計算による、大まかな侵徹長の計算 /サンプルなし、挙動解析時間単位なし
これくらいの違いがありますね。実際問題。
で、現在使用しているは「能力中」と「能力大」なんですが、能力中の問題に対しては数百MFlopsもあれば事足ります。能力大に関して言えば、数TFlopsの計算能力をもつコンピュータであっても数週間の計算時間を有します。
sorya
- 別の観点から言いますと、スパコンというのは通常、粒子の動きをシミュレートする(この粒子が数億個の単位になったりする)ことを得意とします。これが何に使われるかというと、流体力学(航空力学)などで、ようは機体や軍艦(特に潜水艦)の設計に使用されるわけです。極端な話、ステルス形状を決めるのに、電子的に作成されたモデルに、やはり電子的にレーダー波をあてて、その反射をシミュレートしてみたりとかもありです(民間レベルでは、超高層ビルの周辺の空気の流れをシミュレートしたりします。それでいわゆるビル風対策を検討するわけ)。そういえば核爆発実験も、その大半はコンピュータシミュレーションですね。再開された地下核実験は、そのシミュレーションの基礎データ取りのために行われているものです。
tac
- >3
「兵器に流用可能」なわけではなく、「高度な画像処理能力や暗号装置の性能を有する」
ことから「通常兵器関連汎用品」に指定されただけです。
ちなみに産業用機器なんか軒並み「通常兵器関連汎用品」に指定されますし、
ハイエンドクラスのPCも「通常兵器関連汎用品」です。
PS2の場合、産業への転用が困難な(わざわざ使う人もいないと思うが)
民生品ということで珍しいケースだとは思いますが、
そういう前例がないわけでもないでしょう。
(ゲーム専用機としては初らしいが、PS2はゲーム専用機とは言えないと思う)
PT
- 本当に怖いのは、ハイエンドPCではなく、自動販売機に組み込まれたカード型PCという罠の上、中古の自動販売機(何故か適用除外品目)が何処に輸出されているのかを調べ始めると恐ろしくなってしまって、夜も眠れなくなる罠です。
386SXのカードPCがあればいろいろ面白いことができるね。ほんと。1機能、1カードPCにしてもいいくらい。
sorya
- sorya氏がすでに回答なさってるので蛇足とは思いますが、TRDIに
侵徹現象の数値シミュレーション技術のグラフがあります、参考までに
http://www.jda-trdi.go.jp/doukou/03a/03a-22.gif
taro
- >で、現在使用しているは「能力中」と「能力大」なんですが、能力中の問題に対しては数百MFlopsもあれば事足ります。能力大に関して言えば、数TFlopsの計算能力をもつコンピュータであっても数週間の計算時間を有します。
富士通に85.1TFLOPSのコンピューターがありますが あれでも まだ「いつまでたっても計算が終わらない」という状態になるのですね(憂鬱)
セミララ
- そらそうですよ。
1サイクルの相互作用の計算回数は1000000000!回が最低限必要とされますし、遠い相互作用と近い相互作用も計算する必要がある。
(MDとは言え基本はラグランジュの運動方程式(質点系)に縛られますんで)
そして、1サイクルのΔt(陽解法なので)は1フェムト秒程度(MDだとこんなもん)、実際の現象は1ミリ秒もあれば事足りるので、
1e-3/1e-12で1e9サイクルの計算を行う必要があります。
sorya
- 話を戻して…っと。
演算性能が高速でかつ、巨大な記憶装置をもつコンピュータがあるとどのようなことができるのか。究極的に収束してしまえばプロトタイピング、これに尽きます。
今までは要素技術の研究を経た後、実車化したものを「試作」するのですが、先に出たコンピュータを用いると、設計のレベルで色々なシステムの性能まで推測することができるし、定量的な評価が可能になります。
最近の例だと、各種構造解析プログラム用のインターフェイスを持った、機構解析プログラムを用いて、色々な地勢・地質、色々な走行状態、色々な被弾状態の装甲
車両の全体挙動(人間も含めた)まで計算できるようになってきました。
sorya