QQCCMMVVGGTT
1659  べレッタ92Fが特殊部隊に採用されなかったのは、サイレンサー装着時に
フレームが破損したからだと聞きますが本当でしょううか?パナマ侵攻のころでしったけ。だから、わざわざ、ばかでかいソーコムMK23を造ったのでしょうか?
突撃部隊

  1.  特殊部隊は何も米軍だけじゃないんですが、どこの特殊部隊でしょうか?

     「92Fと特殊部隊」とくれば・・・・・・米海軍シールズで、MP5短機関銃に使用する強装弾を使用した結果、スライドが破損する事故が続発したそうです。日本でこの話が広まったのは1988年頃だったと。

     このため、ベレッタ社では材質熱処理変更などの小改良を加えたM92FSに製造移行しました。
     が、結局シールズでは92F系列に不信を抱くようになったという事らしいですが。

    杉村徹

  2.  ベレッタのハンドガンの特徴である上面が大きく開いたスライドは、サイレンサー装着時に限らず、耐久性に問題ありという指摘は、米陸軍での制式採用時にすでにありました。普通の部隊とは違ってハンドガンの使用頻度が高い特殊部隊では、この点が(1.のようにサブマシンガンとの弾薬共用に支障が出ることを含め)大きな懸念とされたようです。
     また、特殊部隊では任務によってはハンドガンを主力装備(雑にいえば攻撃的)にする場合があるため、ノックダウン性に優れる.45ACP使用の銃が望まれたという事情もあります。
     で、SOCOM Mk.23ですが、全長こそM92Fより3cmほど長く、重量も200g以上重いのですが、決してバカでかい銃ではなく、サイレンサー取付部やフレーム先端のレーザーサイト等用マウントがあることを考えればうまくまとまっています。特にグリップ幅を39mm(M92Fは35mm)に抑えている点は特記すべきでしょう。重量面でも.45ACP7+1発のM1991と12+1発のMk.23がほとんど同じなので、むしろ「軽い」ともいえます。

     そういえば、ベレッタもM92のスライドに各種マウント用のレールをつけたり、最近のモデル(クーガー等)では排莢用の開口部を最小化したりしていますね。
    Schump

  3.  M9ピストル(ベレッタM92F)がなぜ米軍特殊部隊用として採用されなかったかについては、すでにレスが付いている通りです。
     米軍特殊部隊が新特殊ピストルの開発の必要性を認識したのは、パナマ侵攻作戦ではなくグレナダ侵攻作戦(1984年)がきっかけとされています。この作戦でサイレンサー付き拳銃やサブマシンガンが使用され効果を挙げたことから、米軍特殊部隊は新特殊ピストルの開発に着手しました。当初は1985年に制式となったM9ピストルを原型に開発する予定でしたが上記の理由により断念され、また元々.45ACPのストッピング・パワーに対する信仰が根強い米軍内の事情もあり、1990年から開始された開発計画では.45ACPを使用することが性能要求として盛り込まれました。これに基づいて生まれたのが現在のMk23 SOCOMピストルです。

     ちなみに、M9を原型とした特殊ピストルは米軍特殊部隊用としてはものになりませんでしたが、ナイツ・アーマメント社製のKACサイレンサーとスライド・ロック機構を追加したM9が米空軍の一部で採用されています。

     ついでに多少補足というか余談というか。
     過去にここでも書かれたことがありますが、本来は同じ9mmX19弾であっても、サブマシンガン用(強装薬)と拳銃用(常装薬)は分けて供給するのが理想とされているようです。ただ、予算や兵站等の都合でそれができず強装弾のみを供給している国が少なからずあるようです。上で書かれているM9のスライド破損事故も、そういう事情が要因の一つとなっているようです。
     ヨーロッパの銃器メーカーでは、サブマシンガン用強装弾を自社の拳銃で使った場合の耐久性は保証しないとする所があると聞いています。ベレッタはどうなのかわかりませんが・・・
    ブラック・タロン

  4. H&K SOCOM Mk.23 採用経緯。

    米軍特殊部隊用 新特殊ピストルの開発時の要求仕様のポイントの1つは、
    ・サイレンサーを装着する事でした。 よって、音速以上の初速を持つ”9mm Parabellum弾”を避け、
     低初速でも威力の有る”.45ACP弾”を指定していたのでは、なかったであろうか!?

    ポイントの2つ目は、
    ・カスタムチューン並の命中精度であったと思う。 その点 ”.45ACP弾”はやや不利であるが、
     リコイルリダクション・システム搭載のH&K トライアル品(Mk.23 後に民間市販USP)が 命中精度要求をクリアし、
     結果としてコルトを押し退けて採用されたと思いますが。
     Mk.23ではなく、USP .45ACPでしたが、実射結果、グルーピングは結構まとまっていましたよ。 さすがH&K。

    ポイントの3つ目は、レーザーサイトの装着機能だったかと思います。

    この銃(Mk.23&USP)、プラスチックフレーム採用で、一見 軽そうな印象ですが、
    反動を直接受ける スライド+バレル 廻りの重量は、結構な重さと思いますよ、ガバの同様部位よりは!!

    補足、
    米軍供給 ”9mmX19 Parabellum弾”(制式呼称:M882 9mm Ball NATO)は、基準初速 375M/S の強装弾です。
    決して、一般市販の 9mm Luger と同一視してはいけない弾です。

    軌跡の発動機?誉


Back