1624 |
西部劇に出てくるようなレバーアクション(と、いうのでしょうか?)ライフルの中には拳銃弾を使う物が多いようですが、これはなぜでしょう? 颶風 |
- 西部劇に登場するレバーアクション・ライフルはウィンチェスター M66(1866)及びその改良型 M73(1873)でしょう。拳銃弾を利用するのは、ボルトのロッキング機構が比較的強度の弱いトグルアクション(ルガー P-08 でお馴染みの尺取虫)で強装弾に耐えられなかった為です。ただ、怪我の巧妙でコルト 45 SAA と弾薬が共通化でき、弾薬入手に難のある開拓地での使用に便利な利点はありました。のちにジョン・ブローニングによって開発されたウィンチェスター M94(1894)はレバーアクションを継承しながらも強靭なロッキング・ラグがボルトを上下に貫通してフレームと噛み合わさる機構を採用し、強力なウィンチェスター 30-30 弾(7.62mm NATO の2割引き程度のパワー)の使用を可能にしています。
ささき
- >1.ささき さんの解説に補足。
トグルアクション構造の為、強装弾に耐えられなかった理由に加え、その構造上、
ブリーチボルトの前後ストローク長が稼げない、つまりライフル用の長弾薬を、装填&排莢する事が不向きなメカニズム
だった理由が挙げられます。
この欠点は、後のブローニング設計によるM94の出現で、ある程度解決したのですが、
その時代(1894年)はすでに連発ライフル銃の主流はボルトアクションライフル全盛となっておりました。
ここ迄は定説として、それなりの専門書に良く書かれているお話でありますが、
別の視点:「連発銃に必須なカートリッジ式弾薬の開発経緯」も考える事が必要になります。
レバーアクションの元祖である”ヴォルカニック・ピストル”、そして”ヘンリー・ライフル”&
”ウインチェスターM66” 等の初期レバーアクション銃の使用弾薬は、
・ヴォルカニック−−”W・ハント”特許による弾丸の底部に直接、発射薬と雷汞を充填・カバーした”FreakCartridge”
・ヘンリー&M66−−−1857年S&Wの考案に始まる、リムファイヤーカートリッジの大口径発展型。
であり、強装なライフル弾薬に適するカートリッジ構造では、ありませんでした。
強装に耐える為にはケース端部が薄いリムファイヤーは不利で、雷管が中心に備わるセンターファイヤーカートリッジの
出現を待たなければなりません。(ベルダンプライマーの発明が関係)
センターファイヤーカートリッジが出現するのが1860年代後半〜70年頃で、 まず、けん銃弾で実現し、
ピースメーカーや、M73 等に採用されたわけですが、強装ライフル・センターファイヤーカートリッジの実用化は、
その直後の1973年 ”.45-70 Goverment”弾=かの有名な”米国陸軍制式 スプリングフィールドM1873 ライフル”
用弾薬から始まったと言えるでしょう。
その後1980年にかけて 続々と各種強装ライフル・センターファイヤーカートリッジが色々なメーカーより発売されました。
つまり、ウインチェスターレバーアクション銃がけん銃弾を使用するのは、その銃の発展経緯が、
ライフルカートリッジの実用化に、僅かながら先行していた結果でもあるとも言えます。
又、発売後、ピースメーカーと共用弾薬(.44-40)で人気を博した結果、基本メカニズムを改良して迄、
ライフルカートリッジ使用にする必要もなかったからだと考えます。
銃と弾の開発は、非常に密接しています。
軌跡の発動機?誉
- ↑毎度スミマセン、西暦年を間違えてしまった。 後半部。
・その直後の1973年 ”.45-70 Goverment” →1873年
・その後1980年にかけて 続々と〜 →1880年
〜?誉