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大変、初歩的な質問で失礼します。 有翼の戦車砲弾ですが、あれは弓矢のように回転せずに飛ぶのでしょうか、それとも翼が軽くねじれていて、砲弾に回転を与えることによりライフル弾と同じような理屈で安定をさせているのでしょうか。 gsz |
- あー。根本から間違いが。
弓矢の矢ですら回転してますけど(笑)
これから答えがわかるんじゃないかな?
sorya
- 質問者です。早速のご回答ありがとうございます。近くに弓道場があって試合や練習を長年見学していたのに、弓矢が回転しているとはちっとも気が付きませんでした。
有翼弾でも回転しているのだから、メタルジェットの効果が遠心力によって低下するのはライフル弾でも有翼弾でも同じことになると思いますが、この解釈でよろしいでしょうか。重ねての質問ですがよろしくお願いします。
gsz
- んー。そら仕方ないでしょ?有段者になるくらい投げてないとわからんと思うよ(笑)
とまぁ、与太はそれくらいにして。
ええ、当然ながら全く回転していない状態よりも貫通能力おちますよ。
ただ、ライフルみたいな高回転ではないので、大きな低下ではないけどね。
ついでに言えば、弾頭の回転方向と逆にジェットを回転させながら生成させる事によって、
回転している状態のほうが貫通能力が高い弾頭っつぅものも開発された例もあるよ。
sorya
- >1
しょーもない突っ込みですが、弓矢の矢は回転させるものとさせないもの
があります。
和弓は回転させているようですが、洋弓の場合、羽根にねじれがあるものと
ないものがあります。回転をつけると近距離での集弾性は良くなるんですが
矢速が落ちるので遠距離では不利と言われています。
使い分けは射手の好みです。
taka
- APFSDSのようなL/D比の長い砲弾は、旋動を与えると、弾頭部と
弾底部が、弾丸の中心軸(長軸)に対して、捻れるような挙動
(回転がぶれると言った方が、判り易いでしょうか?、うまい
表現が思い付きません)を示すために、飛翔安定性が著しく低下
してしまいます。
その現象を無くす方法の一つが、有翼弾[FS]であり、回転させ
ないようにするのが一般的です。
なお、弓矢の矢の場合も、極端な旋動を与えると、同様の結果が
得られます。
1>でsorya様が仰っているのは、例え、回転させないように造った
としても、寸法や取り付け誤差から、全く回転しないものは、
造れない、ということではないでしょうか。
HEATの場合は、0〜200rpmまでの旋動速度において、その侵徹能力
が50%も失われるとの資料もあり、こちらも旋動させないように
するのが一般的です。
ちなみに、61式90mm戦車砲とM318 AP-Tの組合せでは、腔綫のテン度
と初速から単純計算すると、およそ毎秒400回転=24000rpmもの速度で
旋動していることになります。
いちのへ
- ↑ちょっと訂正
>その現象を無くす方法の一つが、有翼弾[FS]であり、
と書きましたが、有翼弾は、その現象を無くす方法ではないですね(汗)。
その現象を無くす方法は、滑腔砲または、スリッピング・バンドで、
安定のために、有翼弾にしているわけです。
いちのへ
- >>taka氏
和弓の羽根は捻れて取り付けてないよ(笑)
アーチェリーのは羽根はプラ製だから回転するのは最初からある程度の角度がつい
てるんだけど、和弓の矢羽根が捻れるのは飛翔中だけざんすよ。弦を離したときは、
その加速度で羽根が畳まれ、定常状態の時は速度に応じて羽根の開き具合がかわり
ます(露出断面積制御による抗力制御)。そいでもって、その羽根が畳まれた状態と
いうのが巧い具合に矢に回転運動を起こしちゃうような畳まれ方なのよ。職人さん
が意図的にそうしてるんだけどさ。
和弓に矢に与えられた機構…プログラム化された空力重心制御及びモード振動抑制
による飛翔弾道制御は、APFSDSの遥か上行っちゃっているとワシなんか常日頃断言
して憚りません。
>>いちのへ氏
taka氏へのレスを参照のこと(笑)つまりは「意図的」に回転させてるわけです。
なんせ、高精度投射兵器だかんね(笑)
ちなみにAPFSDSで言えば、弾頭の静重心、空力重心にもよるけど、数rps〜数十rps
くらい。これは国によっても違います。当然ながらライセンス生産品であっても、
その回転数は違うのです。ま、その設計が可能であることが前提だけど。
APFSDSと言えども「速度が低下することにより、空力重心が変化」するし、細長い
弾芯を用いることにより、サボーが離脱(拘束解除)した瞬間から、「砲内で蓄えら
れた弾性(振動)エネルギーが開放される」ことで、常にAAが与えられる状態になり、
弾道精度が低下するのです。
では、その低下を防ぐためにはどうするか?簡単ですね。回転させることで誤差砲
外弾道(砲外バロッティング)をできる限り小さくするようにするのです。
これくらい説明すれば、いちのへ氏には残りの問題も全てわかるかな?
sorya
- sorya先生
APFSDSって、けっこうな回転数で回転しているんですね(驚)。
初めて知りました。そういえば回転数が書いてある資料ってみたことないです。
まさに、弓矢の矢(ほどは洗練されてないけど)と同じ、安定機構なんですね。
ご教示ありがとうございました。勉強になりました。
いちのへ
- >>いちのへ氏
回転数は…そら公開でけんでせう(笑)
回転数書いちまったら、その国の技術レベルが窺い知れちゃうわけでさ。
例1)同一砲、同一弾種で回転数が違う場合(低=>高)
1.ライセンス生産といいながら実はカスタム化した弾頭を用いている
2.無理な軽量化を行ったため砲耳の固定が巧く行かず、結果砲身が振動する
3.投射精度第1義とした仕様変更(極めて低い確率ながら存在する)
例2)同一砲、高L/D弾種の場合(低=>高)
1.弾芯のモード振動を抑えられなかった
でも、、、回転数、、、上げられるだけまだいいのよ。回転数を上げられるって事
は、弾芯材料に高靭性が付与できるだけ(捩れるからね)の技術水準があるって事と
等価な訳だし。
その辺の技術がない国だと、鉄の添加量を異常に上げた、いわば重めのタングステ
ン鉄のようなシロモノでお茶を濁したり、投射精度を最初から諦めたりとかしなけ
ればならんのです。
兵器ってぇのはその国のもつ基礎工業力の総力を結集した総合芸術なんだなぁと、
スペックを見るにつけつくづく思うものでありますよ。
sorya
- >7 sorya氏はご存じだろうことですがちょいと補足。
体の中心線にごく近い尾羽は別として、外側尾羽、及び風切羽の羽弁は羽軸を軸に非対称で、飛行時にちょうどよく変形するようになっております。目に見える変形だけでなく、微細な表面構造もたぶん寄与して。なので、真っ直ぐ取り付けても回転しちゃいます。
種類、部位ごとに異なるこの傾向の読みと、中央尾羽の場合に必要な意図的なズラシとが職人の腕ってことで。
ただ、昔の遠射用の矢には、大鳥(ワシとかコウノトリとかの総称)のを2枚、キジの風切を2枚、イタリックのfみたいに相矛盾する回転方向で取り付けたものもあり、回転を押えようとあえて小さい羽を加えたのか、取りあえず工夫してみただけなのか、よく判っておりません。前者だとしたら凄いですけど。
はたの