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ここでは二度めの質問になると思います ブローニングハイパワーについてなんですが…… この銃は、かのジョン・M・ブローニングが最後に設計・開発に携わったものだと聞いております。「遺作」などと書かれている場合もあります。 で、初のダブルカアラムマガジンを採用した銃であり、その話を聞いたときには「おお、さすがは天才ブローニング!」などと思ったのですが その後いろいろと調べてみますと、銃の完成自体はブローニング氏の死後であるということ。FN社が彼の死後、開発を引き継いだという形になるのでしょうが そこで質問なのですが…… ブローニング氏は、いったいどこまで設計・開発に携わっていたのでしょうか? いったいどこまでが彼の手によるものなのでしょうか? 私としては少なくともダブルカアラムという仕組を考えついたのは彼だと思いたいのですが どなたか知っておられる方、よろしくお願いいたします カモン |
- >ブローニングはFN HPの開発にどこまで携わったのか
とりあえずブローニング・ハイパワー(FN HP)誕生の経緯をおさらいすれば答が出ます。
開発のきっかけは、20世紀初頭にフランス軍が従来のリボルバーに替えてセミ・オートマチック・ピストルを次期制式拳銃とするためのトライアルを開始したことに遡ります。フランス語圏に属し関係の深いベルギーのFN社にも参加のチャンスが与えられ、FN社はジョン・M・ブローニングに新拳銃の設計を依頼します。
1921年、ブローニングはブローバック式の試作拳銃を完成させましたが、ブローバック式は強力な軍用拳銃弾には向かないことから、第2次試作品として1922年にM1922試作ピストルを完成させます。M1922は先にコルト社のM1911系(コルト・ガバメント)で完成されていた銃身下降式ショート・リコイルを備え、撃発機構はストライカー式となっていました。
その後、M1922は撃発機構を露出ハンマー式に改めた改良型M1923へと発展します。M1923試作ピストルは、フレーム後端の上下スライド式手動セフティや16発装弾のダブル・カラム・マガジン、折り畳み式金属ストック装備等の差異はあるものの、後のFN HPの直接の原型となったモデルです。この改良設計を担当したのはFN社の小火器試作開発部長兼デザイナーであるデュードネ・D・ザイーブでした。1925年以降、この試作モデルはブローニング/ザイーブと呼ばれていたそうです。
M1923の関連パテントは1927年に承認されましたが、残念ながらその前年1926年にジョン・M・ブローニングはFN社内で他界し、以降の新拳銃開発はザイーブらFN社設計陣に引き継がれることになりました。そして、M1928、M1929、M1933の各試作を経て、1934年に量産モデルが完成、翌1935年にベルギー軍向けに1,000挺が納入されて量産が開始されました。これがFN GP M1935(GPはフランス語のGrande Puissanceの略)と呼ばれる第1号モデルで、民間向けにはFN HP(GPを英訳してHigh Power)ミリタリー・モデルの名称で販売されました(後にキャプテン・モデルと改称)。
FN HPミリタリー・モデル(キャプテン)は、現行モデルとほぼ同じ外観ですが、リア・サイトは50〜1,000m調節のタンジェント型で、グリップ後部に木製ショルダー・ストック(ホルスター兼用型も有)を取り付けられるようになっていました。
ちなみに、ブローニングと共に開発に携わったデュードネ・D・ザイーブは、後にSA FN(FN49)自動小銃やFALアサルト・ライフル等の設計を手掛けています。
>ダブル・カラム・マガジンを最初に思い付いたのは誰か
大正9(1920)年に南部麒次郎が試作した南部式自動拳銃改良型は装弾数13発だったと伝えられており、もしこれがダブル・カラム・マガジンならブローニングのM1923試作ピストルより3年早いことになるのですが、真偽のほどは不明です。
一応銃砲史上では、軍用自動拳銃として最初に多装弾マガジンを採用したのはFN HPということになっています(はずです)。
ブラック・タロン
- カモンさんは、ブローニングM1935(コマーシャル名 HP)より、ダブルカアラム・マガジンに、
興味を持たれている様ですね。
ブローニング設計の銃でしたら、すでに”M1918 BAR”が、ダブルカアラム・マガジンでした。
そして、ピストルにこだわらなければ、ダブルカアラム着脱マガジンの歴史=連発小銃の歴史として、かなり古く
さかのぼれます。
例えば、1880年代開発・制式の英国”リー・メトフォード小銃”が、8連発ダブルカアラム・着脱マガジンとして、
登場して来ます。 決して、ブローニングの発明では、有りません。
無煙火薬発明という銃砲にとっての大革命前後より、連発銃の開発実用化を競っていた欧米の天才・凡才ガンスミスの、
色々な知恵や発明で、各種箱型弾倉のアイディアが出て来ています。
ちなみに、英国では戦前まで、上記歴史の経緯より、連発小銃の事を
”MagazineRirle ”とも言っていました。(今は死語)
*サブマシンガンにおいては、ダブルカアラム・ダブルフィードマガジンは、いくらでも存在しますが、
ピストルになると、ダブルカアラム・シングルフィードマガジ形態のみしか一般に存在しない現実が有ります。
この理由は、又の機会と致します。
軌跡の発動機?誉
- >2.”MagazineRirle ” ドヒャ、基礎用語を間違えてしまった。
” 〜Rifle ” が正しいです。 「マガジンライフル」です。
それと、ブローニング・ハイパワーの偉大さは、13発大容量マガジンの採用より、
「弾薬に9mmParaを採用した事」と、ショートリコイル・メカに、「リンクを辞め、ラグ噛み合い(下降)方式にした事」です。
〜?誉