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アーマライト社のAR-18小銃は折り畳みストックの回転軸がガタガタになるというので不評でしたが、固定銃床型はあるのでしょうか。 また、この銃には他に目立った欠点などあるのでしょうか。 こおり |
- AR-18の固定ストック型はなかったように記憶してます。元々AR-18はステン・サブマシンガンのライフル版と言ってもいいくらいの安物銃(単純な旋盤とプレス機械さえあれば作れる設計)なので、折り畳み式ストックがガタついてくるからといって固定ストックを用意するほどの代物じゃないということでしょう。
AR-18の他の欠点については手元に資料がありませんが、マガジンはM16用に似ているものの互換性はありません。これが欠点と言えば欠点か? 後は銃の出来そのものが安っぽいこと?(笑)
なお、最近アーマライト社はAR-180(AR-18のセミ・オート版)をリバイバルしました。この新型は固定ストックになっています(折り畳み式ストックが規制対象になっているため)。下部レシーバーはプラスチック製で、マガジン等もM16系と互換性を持たせ、ライフリングもNATO弾規格に対応させています。
*アーマライト社HP
・http://www.armalite.com/sales/catalog/rifles/ar180/ar180.htm
余談ですが、軍用モデルでは折り畳み式ストックしか用意されていないアサルト・ライフルでも、別に固定ストック付きモデルを用意することがあるようです。例えば、ベルギーFN社のFNCは折り畳み式ストックが標準ですが、FALやCALのものに似たプラスチック製の固定ストックを備えたモデルもありました。昔モデルガン雑誌の記事で見た記憶があり、アメリカ市場での販売を考慮したものかと思われますが、記事の内容を覚えてないので詳細は不明です。
ブラック・タロン
- AR−18に限らす゛、フォールディングストック・タイプのライフルでは、そのメカ部分が、
ガタツキや、耐久性の点で弱点では有ります。
又、フォールディングストック・タイプにする事により、ストック形状や、ストック長、ストック剛性、のどこかに、
犠牲(妥協)が生じ、一般に固定ストックタイプより、命中精度は低下する物です。
1.さて、過去AR−18には、基になったAR−16(7.62 NATO弾)よりの初期試作時は別として、
(少なくとも)メーカー純正の固定ストックタイプは存在しません。
(現在は、>1.ブラック・タロンさん紹介の物が出て来ています。)
但し、固定ストックとは違う意味での、発展タイプは色々と試みられていました。
下記HPにて、下の白黒写真3枚。 銃全長を短くし易いのを利用して、前方にバーチカルグリップを取り付け、
サブマシンガン的用法も考えていたのでしょう。
http://ar18s.freeservers.com/photo.html
2.どこの国にも、正規軍用として採用してもらえなかったAR−18の欠点は、その構造・軽量化による、
剛性不足と耐久性と思われます。 御存知の様に、本体他スチール・プレス部品の多用&溶接構造、
プラスチック製ハンドガード&ストック、小部品形状の簡素化(各種ピン等の旋盤加工部品も、
極力形状簡素化を考えている)を計り、安価な銃となりましたが、銃重量も、非常に軽く出来上がりました。
1960年代出現の鉄製のまともな軍用小銃が、約3100g(弾倉無し)です。 9mmのサブマシンでさえ、
これより重い物は、多々存在します。 それ故、剛性不足と耐久性が低い物といます。
どこかの国の同様スチール・プレス構造のG3やHK33でさえ、4kg〜5kgの重量ですが、やはり剛性不足と
耐久性に問題を含んでいますね。
剛性を上げる為、スチール板を厚くすると、プレス製作技術の条件が厳しくなるので、改良されないまま
だったのではないでしょうか。 もっとも、前作M16はアルミ鍛造製で、同様3000g前後の重量ですが、
その辺の問題は聞きませんね。
3.米国での、AR−18所有者のディスカッションを見る事も、おもしろいです。
フォールディング・ストックは当然、ハンドカードの強度や、ボルトキャッチの材質を、短所に挙げています。
人それぞれ、色々な見解がある様です。
http://www.fnfal.com/falfiles/wwwboard/messages/archives/messages/37252.html
ちなみに、AR−16/AR−18のガスピストン構造は、独Gew43の物を参考としています。
(Gew43は、トカレフM1940を参考)
軌跡の発動機?誉
- ちょいと本題からズレますが・・・
>AR-18派生型:
・・・とは少し違いますが、イギリスではロイヤル・オーディナンス社かスターリング社が、ブル・パップ・ライフルの研究の一環として、AR-18をブル・パップ化した銃を試作しました。試作と言っても、正確には発砲機能のないモックアップですが。後のSA80(L85A1)の開発に繋がる研究の一つです。
>プレス加工と剛性云々:
最初プレス加工で設計したが、剛性不足等から切削加工に変更したアサルト・ライフルとして、AK47とFN CALが挙げられます。AK47の初期型はプレス加工でしたがその後切削加工に変更、CALは後継機のFNCで下部レシーバーを切削加工に変更しています。もっとも、AK47の後継機であるAKMは、技術や材質の改善が図られたのかプレス加工となっています。
ちなみに、Gun誌のアメリカ在住レポーターであるジャック氏は、AR-18について「兵士を消耗品扱いする軍隊がこういうものを採用する」とレポの中で評しています。
AR-18が軍用としてパッとしなかったのは、銃自体の品質が軍用としては大したものではなかったことの他に、異母兄弟とも言えるAR-15(M16系)が先に登場してそれなりの成功を収めたことが大きいのでしょう(元々AR-15とAR-18は生まれた背景が少し違いますが)。
ブラック・タロン
- 本題から外れますが、89式はAR-18が基礎になっているようなことを聞いたのですが、皆様のおっしゃられている欠点は改良されてるのでしょうか?
ぱお
- 折り畳みストックの破損問題はあるみたいですが、本体の強度については問題ないみたいですね。徹底的に改良しただけはあります。
居眠り将軍
- 「日本で造られたAR18が、流れ流れてIRAの手に渡った」というのを、昔何かで
読んだような気がするのですが、本当にそんなことがあったのでしょうか。
ただのネタ?
strafe
- >6
AR-18は1960年代に豊和工業でライセンス生産されていました。主にアメリカ市場向けにセミ・オート版(AR-180)を輸出していましたが、その一部が在米シンパを通じて英IRAに渡ったそうです。この事件と、海外警察へのAR-18の輸出が武器輸出三原則に抵触するかどうかが国会で問題となり、豊和工業でのAR-18の製造は中止されました。
なお、その後AR-18の製造権は英スターリング社に移されて製造が続けられましたが、結局正規軍用として大量採用されることはなく終わっています。ちなみに、スターリング社はAR-18をベースにSAR80というライフルを開発し、これをシンガポールのCIS社がライセンス生産&独自改良してSR88に発展させています。
ブラック・タロン
- あと、IRAにわたったAR−18の一部は改造されてフルオート発射も可能なようになされていたそうです。
あと、彼らは好んでAR−18を使用していたらしいですね。
居眠り将軍