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質問なのですが、天文衛星や観測用衛星などを打ち上げるアストロEのような 中型ロケットを短距離弾道弾に改造し、戦術核などを搭載することは可能なので しょうか? もし、センサー部分の追加なんかの改造で済むのなら結構お手軽 だと思うのですが。 クレセント |
- アストロEって、投入に失敗した人工衛星だと記憶しているのですが、どこのロケットでしょうか?
でと、それがM−VをアストロEだと勘違いしているとしましょう。
まあ、可能だと思います、ただ、あのロケットは天空の高みを目指す為に開発されたロケットであって何らかのペイロードをどっかの気にいらない国家の地面に送りこむんなら、お手軽な改造程度じゃ済まないと思いますけど。
閑話休題:毎年ジェーン年鑑はM−VをIRBMかなんかだと分類していると言うヨタな話があります、海洋科学センターの「うらしま」も軍の開発したAUVと掲載されているのは結構有名な話だし。
ooi
- ちょこっとだけ調べてみたんですが、M-5の低軌道(150km)への投入能力は2t程
あるようです。戦術核の弾頭が1t程度なら、誘導部分も含め十分運べるお思います。
でM-5は、人工衛星を軌道に投入したり、惑星探査衛星を打ち上げたりできるんで、
投入精度はIRBMなどより上かとも思います。
そういうことから、再突入体さえ確保できるのなら意外と簡単ではないでしょうか?
ただ、IRBMとして使うには高価過ぎる気がしますが・・・。
あと付け加えるなら宇宙ロケットを開発できる能力があるなら、弾道弾の開発は
比較的簡単にできると思います。
taka
- 書いた後ふと気になったので便乗質問したいのですが、M−Vの誘導方法はどうなっていましたっけか?自律式ってんなら転用するのも何とかなると思う(とは言え大幅に手がかかるでしょうね)んですが、そうでないなら、お手軽な改造ではすまないように思うのですけど。
ooi
- アストロE 投入に使用したのが M-V 4号機ですね。で、失敗しちゃったんですよ。
#しかし M-V を中型ロケットとはいわんと思うが……固体ロケットとして世界最大級、全段固体で月まで物を運べる、ある意味化け物ですからねえ。
tac
- 短距離弾道弾の用途と言うのなら可能だけど大変だし無駄だと思います。
じっくり準備してどこかでエンジン切るか、荷物を切り離せば落とすことは落とせるでしょう。
でも年1基で発射を計画しているロケットですからね、1基づつが殆ど手作りに近い
(と言うかそれだけ慎重に手間をかけるべき)制御なんじゃないかと思いますので、
ミサイル攻撃シーケンスへの改造となると、制御系の作り直しに近いレベルのなるのではないかと思います。
あと、ミュー5型は発射重量139tの化け物ですよ?
短距離弾のスカッドやパーシングで約5t、中距離のテポドンで約30t、
現用長距離弾のピースキーパーでも約90tなんですよね。
また、少し前のミュー3型が打ち上げ重量約50tで300kgのペイロードしかないのを、
テポドンの30tで1000kgと比べて見ても、いかにシステムが違うか解ると思います。
だーくまたー
- アメリカにトーラス(Taurus)と言う小型衛星打ち上げロケットがありますが、
これの第1段がピースキーパーICBMの転用で、直径はM-5とほぼ同じ2.34mです。
でもトーラスの打ち上げ重量は約70トン、低軌道ペイロードは1300kgで、
M-5の方が能力は上なんですね。
直接の比較にはなりませんが、これを見てもいかにM-5が大きな固体ロケットかがわかります。
それでM-5の誘導、私の知る限りでは、光ファイバージャイロを使った
慣性誘導システムですね。
便利少尉
- 皆様回答ありがとうございます。
アストロEについてはM−Vの間違いでしたすみません。参考にしたHPの記述
がアストロEとなっていたので勘違いしたままでした。
M−V>軌道投入能力が2トンもあるのなら簡単に短距離弾道弾に改造できるのでは
と思っておりましたが改造にはかなり手間がかかるのですね・・・。
あと弾道弾には慣性誘導が多く使われているようにおもいますが他の誘導方式
は短距離弾道弾には用いられないのでしょうか?コストがかかりすぎますかね?
クレセント
- M−Vの改造IRBM(SLBMでもICBMでもいいけど)と言うのは、やっぱり手間がかかる(と言うかかかりすぎる)ので、現実味に欠けると考えて良いと思います、一番何とかなるかもしんないのは、打ち上げたペイロードによる部分軌道爆撃システム(FOBS, Fractional Orbit Bombardment System)かなあ、これなら衛星から爆弾落とすだけでも何とかならん(それだってものすごい難しいはずですが)事も無い訳で。
戦術弾道弾の類を作りたいなら、M−Vを開発出来る技術力を背景にして新規に作った方がよっぽど楽なんじゃないでしょうか。
でと
>あと弾道弾には慣性誘導が多く使われているようにおもいますが他の誘導方式
>は短距離弾道弾には用いられないのでしょうか?コストがかかりすぎますかね?
コストの問題では無いでしょう、慣性誘導以外にどんな誘導方式を使えるでしょうか?少なくとも弾道弾に搭載でき、出来うるなら外部からの支援も最小限に止めたいわけで、それなら(GPS誘導/天測と言う手もあるかも知れんけど)慣性誘導以外にあまり選択肢は無いのでは?
(重力ターンや、指令誘導なんかだと論外だと思うし)
ooi
- 慣性誘導はコストが掛かる方式です。
しかし弾道ミサイルの射程が短いほど、敵の近くで発射することになり、
敵からの妨害を受ける可能性が大きくなります。
事実上妨害不能の慣性誘導はその点では理想に近い誘導方式とも言えます。
便利少尉
- >軌道投入能力が2トン
逆にあの威容でたった2tしか無いと考えて欲しいですし、あの飛翔距離になるともう完全に長距離弾道弾です。
また、100t以上の大きさで弾頭2tのICBMといえば1960〜70年代の物で、現在そんな大げさな物は殆ど残ってません。
現存の物では中国のDF-5が近いでしょうか?アメリカ初のICBMアトラスも大きさが近いですね。
それに、国防も威信もかかっていないとは言え、国が年1基しか準備できないほどコストがかかるロケットです。
こんな物を基本的に数tの小型ロケットで済む短距離弾道弾と同等の目的にに改造するのは、たとえてみれば「金剛型戦艦に魚雷発射管を付けて駆逐艦の代用として改造する」みたいな物だと思います。
あと、そう言えば自衛隊はもうMLRSを持ってますね、これから発射できるATACMSが射程100km以上の立派な短距離弾道ミサイルですよ、2t弱で約500kgの弾頭を持ってます。(自衛隊はATACMS買ってませんけどね、能力はもう有るって事で)
だーくまたー