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毎回質問ばかりで申し訳ございませんが、佐山二郎氏の「大砲入門」(光人社FN文庫)によると試製五式7cm半対戦車砲の放列砲車重量は13,400kgになっていますが一式機動47mm砲が800kg、試製機動57mm砲が1,540kgで、五式7cm半戦車砲は2,221kgになっています。 これらの比較からいって納得しがたいのですが、本当に試製五式7cm半対戦車砲の放列砲車重量は13,400kgもあったのでしょうか? 何方か教えて下さい。 mst |
- その本でいう「放列砲車重量」は一つのパッケージ重量だと思って結構です。
対戦車砲の場合でも、砲以外に砲架等の重量が加わった数字になっていますが、この5式7cm半の場合のパッケージにはエンジンやシャーシやら全部込み。つまり自走砲であるナト車の重量です。
ですから本当に13.5tもあるし、妥当な重量だといえるでしょう。何しろ自走砲なんですから(笑)
SUDO
- 放列砲車重量というのは戦闘準備を完了していて弾薬を装填していない状態での、その砲の重量です。
試製五式七糎半対戦車砲の本体重量は、五式七糎半戦車砲との部品共通化を前提に後座長を短くした、量産型原型となるはずの2型で2,680kgです。
この数値はナト車の「武装重量」ともいうべきもので、ナト車の「大砲」部分の重量と見てよいでしょう。
揺架と防楯を含みますが、車輪や脚といった「砲架」の重要部品を持たない状態ですので、牽引砲の放列砲車重量との単純比較はやはりできないものではありますが、一つの目安にはなるのではないでしょうか。
まなかじ
- 御両者、ご回答有難うございます。
すいません、全く勘違いしていました。13,400kgはナト車の重量だったのですね。
私は全く、速射砲としての重量だと思っていました。
ところで、一式37mm戦車砲と速射砲が228kgと335kg、一式47mm戦車砲と速射砲が410kgと800kgですが、この比率からすると五式7cm半対戦車砲というものが、できた場合の重量は5t前後だと考えれば良いのでしょうか?
mst
- 詳しい話は「大砲日本一」の大将のご出馬を仰ぎたいところではありますが…
ナト砲2型が五式七糎半戦車砲との部品共通化を図ったのは、基本的に自走対戦車砲(ナト車)搭載が前提としてあったためだと思われます。
後座長の大きい(従って反動が小さい)ナト砲1型でも本体重量1,845Kgという数値が出ており、砲架なしの状態で既にドイツのPAK40の放列砲車重量1,425kgを上回っています。
これに機動砲架を加えれば2.5トンたらずになるものと思われますが、この重量は日本軍の速射砲中隊にとってとても許容できるものとは思えません。
牽引砲として試製五式七糎半対戦車砲を応用するのは不可能ではないとしても、実用上は運用不可能といってもいいのではないでしょうか。
まなかじ