1528 |
弾薬について教えて下さい。 大口径射撃で使うマッチ弾は、ジャケットが弾底から先端へくるように覆っています。 (だから、先端はジャケットが被さっていなかったり、小さな穴が空いています) 一方、軍用で使われている弾薬は、ジャケットが先端から弾底へ来るように覆っています。 (だから、弾底部は鉛が露出しています) そこで伺いたいのですが、 1)弾底部は、ジャケットで覆う方が精度を上げることが出来るのでしょうか? (例えば、ガス圧による弾底の変形を押さえ弾道に与える影響が少なくなるとか) 2)マッチ弾は、軍用に使えるのでしょうか? (マッチ弾の先端は、ポチッと穴が空いているからホローポイントと同じ扱いとなり使えないとか) キリン |
- >1:弾頭のジャケット
民間用の拳銃弾にも、弾底まで完全にジャケットで覆ったものが見られます(トータル・メタル・ジャケット等と呼称)。
弾底までジャケットで覆うのは、高温の発射ガスによる弾底の鉛の融解を防ぐため(鉛の融解はレッディング=銃身内部への異物付着に繋がる)と聞いた記憶がありますが、他にどんな意味があるのかは勉強不足です(;^_^A
>2:マッチ弾は軍用に使えるか?
米軍では、口径7.62mmX51の軍用狙撃銃(M40等)の弾薬として専用マッチ弾M118を使用しています。M118の詳細な性能等は資料不足ですが、弾頭重量は173グレインと手元の資料にあります。
ご想像が付くかと思いますが、狙撃銃が所定の性能を発揮するためには、弾もそれに適したものであることが理想的です。逆に言えば、一般兵用のミリタリーボール(軍用普通弾)では狙撃銃の本来の性能を発揮するには能力不足というわけです。
なお、他の軍隊で狙撃銃用にマッチ弾を使用しているかどうかは資料不足でわかりません。予算等の都合からミリタリーボールをそのまま軍用狙撃銃に使っているところも当然あるでしょう。
ブラック・タロン
- マッチ弾の先端の多くがホローポイントにしてる
のは命中精度をあげるためです。
なんでも先端を均一にとがらせるのは難しいそう
なんで、先端をすこしカットしたほうが精度が
高い弾をつくりやすいそうです。
ところがこういう弾はホローポイント同じ扱い
になって軍用として使えないわけです。
上に出てるレークプラシッド弾はちゃんとその
あたりをクリアーした軍用マッチ弾だという
ことです。
余談
銃砲店のカタログにはマッチ弾用ホローポイントは
狩猟用ではないので、獲物の体内で拡張しないこと
があると書いてあったりします。
SAW
- レークプラシット弾はM118のことです。
SAW
- なんかにM118レークプラシット弾と書いてあったような
気がしたけど種本が出てこないなー。
別の種本によるとM40A1狙撃銃の場合は、初速2550フィート
毎秒でボートテイルになってるということです。
あとM40A1のマニュアルにはM118はこの銃のためにデザイン
されたみたいなことが書いてあるらしいです。
SAW
- 1.キリン さんへ 回答。
>2.SAWさんの解説が、なかなかGOODです。
銃弾(砲弾)の形態変化は、WWI以前の蛋形弾(RoundNose)から、その後の尖鋭弾(Spire)+船尾弾底(BoatTail)
となり、命中精度と射程の向上を果たしました。
WWII後、弾道学やエアロダイナミックスの研究進歩により、尖鋭弾の先端部をわずかにフラットにする事により、
空気抵抗係数{coefficient of drag (C.D.) }が更に低下する事が解ってきました。
例、 下記HPの下の方で .308NATO弾の弾頭形状差異C.D値グラフが見れます。
−−−このHPを全て理解するには、私の様な凡才では、100年掛かりますが!!
http://www.molonlabe.net/johns/extbal.htm
・グラフ識別−抜粋。
茶色GS: For round ball ・蛋形弾。
青色GI: M80 Ball bullet (149 gr FMJ boat tail)・NATO軍用弾=尖鋭弾。
桃色G5: Moderate (low base) Boat Tails
赤色G6: flat based ”Spire Point” type bullets
水色G7: ”VLD” type Boat Tails
黒色X:210gr .308 ”VLD” type Boat Tails
このグラフより、弾速が音速(1100fps)を超えると、急にC.D.値が上がる(抵抗が増える)事がわかりますし、
G5,G6.G7.X の各種弾頭形状は、従来の蛋形弾や尖鋭弾に較べて、C.D.値が非常に低い事が解ります。
最もC.D.値が低いのは、一番下,G7≒Xの弾。 つまり 近年、米国でグルーピング新記録を出し、
精密射撃愛好家に、人気の ”Berger社 VLD(Very Low Drag)”弾です。
VLD弾頭と、それに劣らす゛の人気の”Federal HPBT Matchking”弾頭の映像。
目指すところは、flat based ”Spire Pointでしょうが、製造都合上、弾底部よりジャケット(銅被甲)を被せ、
先端で集約。 実質HPBT(フォローポイント・ボートテール)の弾になっています。
http://www.jacksonrifles.com/vldvarmints.htm
2.米軍用マッチ弾M118の解説は、この辺。
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/M118long.JPG
http://www.snipercentral.com/308.htm
M118にも、HPBTの弾種が有るんですね!!
3.>1.弾底までジャケットで覆うのは、高温の発射ガスによる弾底の鉛の融解を防ぐため〜
銃腔内に鉛が付着する事は、決して良いことではないですが、昔から、SBその他、競技用弾は、
裸のLead弾(鉛弾)が主流です。 近年、トータル・メタル・ジャケット等、鉛を露出させない弾が出て来たのは、
鉛を含んだ燃焼ガスの吸引防止(特に、室内射撃時)。人体影響を考慮する様になったから。 の理由が大です。
軌跡の発動機?誉
- >5.1 訂正。 「目指すところは、flat based ”Spire Pointでしょうが、」 の一文削除です。
”flat based ”は、平底の事でした。
レミントン社は、こういうアイディアを持っています。
http://www.remington.com/ammo/centerfire/pre_ballistic.htm
〜?誉