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よく警察ドラマなどでコルト LAWMANに見える拳銃が使われていますが、日本警察がLAWMANを装備していたことはあったのでしょうか。 また、このコルト LAWMANは資料によって38スペシャルだったり357マグナムだったりしますが、どちらなのでしょうか。 こおり |
- コルトローマンが日本警察で使われたことはありません。
日本の映画・テレビで刑事用によく使っていたのは、ちょうど警察が使うリボルバーのイメージに合うプロップ用として、手軽なサイズのモデルガンがMGCのローマンだったからではないでしょうか?
なお、ローマンは.357マグナム使用のリボルバーです。
ただ、他の357マグナムのリボルバー同様、実質同じ口径で、357マグナムよりケースが短い38スペシャルを使うことができます。資料の記述の混乱、混在はそのせいだと思います。
町田玲彦
- >余談1:日本警察で使われたコルトたち
ちなみに、実際に日本警察で使われた(らしい)コルト製のリボルバーとしては、コルトM1917、コルト・オフィシャル・ポリス、コルト・ポリス・ポジティブ、コルト・ディテクティブ・スペシャル、コルト・コマンドがあります。いずれもコルト・ローマンより前世代のモデルで、メカ的にもほとんど同じものだったと思います。ローマンはこれら旧世代モデルの改良型にあたる製品です。
M1917やコルト・コマンド等は戦後アメリカから日本警察に供与されたもので、コルト・オフィシャル・ポリスは旧国鉄鉄道公安官が使用していたのをJR発足後に警察が引き継いだものです。ただし、いずれも古いモデルのため、現在は使用されていないと思われます。
各モデルの超簡単な紹介は以下の通り。間違ってるところがあったらフォロー願います(笑)
*コルトM1917(.45ACP)
第2次大戦中の1917年に米軍がM1911A1ピストルの補完用として採用した大型リボルバー。口径.45ACPのコルト・ニューサービス・リボルバーを原型とし、オート用の.45ACP弾6発をハーフムーン・クリップで装填する。
*コルト・ポリス・ポジティブ(.38Sp.)
1908年に登場した中型リボルバーのベストセラーモデル。
*コルト・ディテクティブ・スペシャル(.38Sp.)
1927年に登場した、ポリス・ポジティブをベースとする小型リボルバー。
*コルト・オフィシャル・ポリス(.38Sp.)
1928年に登場した警察向け中型リボルバー。
*コルト・コマンド(.38Sp.)
第2次大戦中の1942年頃に米軍が補助用軍用ピストルとして採用した中型リボルバー。オフィシャル・ポリスの簡略型モデル。
>余談2:ドラマ等における日本警察のプロップ拳銃たち
日本のドラマや映画で使用される警官や刑事のリボルバーのプロップとして、コルト・ローマンの他にS&W M10(ミリタリー&ポリス)やM36(チーフズ・スペシャル)等がよく見られます。MGCや国際産業のモデルガンをベースとしたプロップです。1で書かれている通り、どれもとりあえず『日本警察のリボルバー』として使うのに手頃なスタイルを持ったプロップといえます(『あぶない刑事』のコルト・パイソンやキングコブラはドラマ自体の性格からして論外としましょう←笑)。
ちなみに、現在の日本警察の主力リボルバーであるニューナンブM60のモデルガン・ガスガンおよびプロップは旭工房(http://plaza19.mbn.or.jp/~asahikoubou/)で製作されています。国際産業、ハートフォード、マルシン、タナカ等から市販されているS&W M36のトイガンをベースとするカスタム品で、可能な限り本物に近いディテールを再現するよう努力しているようです。
ブラック・タロン