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1510 初めて質問します。拳銃なんかの弾で爆発銃弾というのが70年代頃市販されたらしいのですが、効果の程がハローポイントと大差が無く必要性が疑問視されているらしいです。必要性はともかく何故そんなに威力が低いのでしょうか?      目標の表面で爆発しているからではないようです.
かみはら

  1. 護身用として開発されたグロッサー・セイフティ・スラッグの事でしょうか?火薬を込めた炸裂弾ではなく、鉛弾と樹脂を使った「壊れやすい」弾頭で柔目標(=人体)内部で弾頭を崩しエネルギーを消費させることで大ストッピング・パワーを狙ったものです。跳弾や流れ弾になりにくいため、町中で撃って目標を外しても周辺に被害を及ぼしにくいとも言われています。
    ささき

  2.  アメリカで公用向けに拳銃用エキスプロッシブ弾(炸裂弾)が作られたのは1970年代です。考え方はいわばホローポイントのパワーアップ版で、ホローポイントの先端の窪みに少量の爆薬を入れて起爆用の拳銃用プライマー(雷管)を被せたシンプルな構造でした。
     この手の弾は爆発による目標破壊と言うより、爆薬の発火によって弾頭がより大きく広がることを狙ったものであり、弾頭命中時の破壊力アップと貫通力の低下(周辺への二次被害の防止)が主な意図でした。が、強力そうな商品名ほどの効果はなく、また販売禁止等もあって姿を消しました。
     正確な性能データは手元にないんですが、ホローポイントそのままの弾頭に鼻ク○ほどの爆薬を詰めても、当たったときに弾頭の変形が多少大きくなるだけだったということでしょうか。

     ちなみに、機関銃(砲)用としてのエキスプロッシブ弾は第1次大戦頃から登場し、第2次大戦頃まで各国で各種のものが開発されました。主に対空または空中戦闘用を意図して作られたもので、口径数十mm級の弾だと独立した信管を備えていますが、7mm級では簡単な慣性式の起爆装置を入れたものがほとんどでした。
     ただ、この種の弾頭は通常弾と重量が異なるため、機関銃(砲)で他の弾種と混用すると弾頭に差が出てしまい有効射程等に影響が出ることになります。
     航空機の性能が大幅に向上した現在では、7mm級のエキスプロッシブ弾は旧式化して事実上姿を消しており、12.7mm以上の大口径弾頭で生き残っているくらいです。

     余談。旧日本陸軍の92式重機関銃用に開発された7.7mm炸裂弾は、起爆装置を持たず弾頭内に爆薬と起爆剤を充填したもので、命中と同時に弾頭が潰れて爆発するというある意味危なっかしい構造でした。弾頭は紫に着色され識別可能となっていましたが、米軍では鹵獲したこの弾に対して取扱注意の指示を出していたそうです。
    ブラック・タロン

  3. 余談
    たしかレーガン大統領が口径22の炸裂弾で狙撃
    されたことがあったはずです。(犯人はリボルバー
    使用)
    その他にも3人が撃たれていますが死者は0人
    でした。
    レーガン大統領には跳弾が当たったと記憶して
    ますが他の3人は直撃でした。
    これは口径22とは言え、拳銃用炸裂弾がそれほど
    パワーアップしないことを表しているように
    思います。
    SAW

  4. 小火器用炸薬弾(炸裂弾)が、主流にならない理由。
    各氏の解説にちょっと付け加えます。 (重複しますが!!)

    デメリット
    ・充填炸薬の少量による、破壊効果の限度。
    ・まともな信管を持たない為による、不発火性、取り扱い危険性、と筒内爆発。
    ・ちゃんとした物(それなりの発火性、安全性を持つ物)を製作するとなると、精密工作技術力が必要。
    ・製造コスト高。
    ・結果的に軽量化になる事による、弾道性、遠射性、の低下。
    ・  同     上      反動利用方式の銃に於いて、作動不安定性を招く。

    メリット
    ・威力が初速に頼らない。影響を受けない。 −−−低初速の銃・弾丸でも、ある程度の威力を出せる。


    という事です。

    軌跡の発動機?誉

  5. 丁寧な解説どうもありがとうございました。
    かみはら

  6. その昔、それこそ二十数年前のGun誌上で、Jack氏(だったと思う)が.38ぐらいの拳銃弾頭に
    .22リムショットのリム部分をくっ付けた、いわゆる「ダムダム弾」を手製し試射してました。
    ブロックなども簡単に破壊してそれなりの「効果がある」というような記事だったと記憶してます。
    それとも、あの記事自体が「作り物」だったのかナ(苦笑)。
    TDM850


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