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すみません、どうしても思い出せないのです。 銃床に適するのは栗の木でしたっけ? よろしくお願いします。 山形 |
- クルミ材またはカエデ材が適するのではなかったでしょうか?
ただ、実際には価格やら供給能力やらの違いによって別の材料を使用する場合も多々有るようです。
確か帝国陸軍はサクラ材だった様な覚えが有りますが・・・この辺は詳しい方、宜しくお願いいたします。
ほほうてい
- まあ、民間用の銃床木材は普通はクルミが適してるということになってる
みたいですけどね。
あとブナ使ってるのもあったかな。
軍用銃だと資源が枯渇した場合なんか、いろいろ使った例があるんでしょうな。
SAW
- Ans.Q−4番の過去ログ669にわしが付けたレスが多少参考になるでしょうか。
丸々引き写し&一部手直しして書き直すと・・・
実銃の木製ストックにもっとも適しているとされるのはウォールナット(クルミ)です。世界には100種類以上のクルミがあるそうですが、銃用ストックに適しているのは3種ほどだそうです。
クルミは軽さの割に適度な堅さと粘りがあるため衝撃に強く、銃を撃ったときの反動を吸収してくれます。また、経年や気温等の変化による歪み等の変形が少なく(ストックの変形は銃身に影響する=命中精度を左右する)、さらに、育った環境によって異なってくる木目の美しさもポイントの一つです。
しかし、クルミは成長が遅い(高さ20〜25mに成長するのに50〜100年以上かかる)ため高価です。また、近年宅地造成等による伐採が進み、ストックに適した良質な木は減りつつあります。日本でも、高度経済成長期の森林開発でクルミは激減し、ストック用のウォールナットはほとんど輸入に頼っています。
ウォールナット以外のストック用木材としては、ブナ、カバ、メープル(サトウカエデ)、マホガニー等があります。合板のストックもありますが、接着剤の性能や接着状態によって変形特性等が変わってくるため少数派です。これらの素材が使われるのは、上でも触れましたが良質なクルミが少なくなっていることとコスト的な問題(特に軍用銃)によります。AK系辺りはストックやハンドガードに合板を使っていたはずです。旧陸軍では歩兵銃のストックにウォールナットを使用しましたが、欠乏に伴ってブナで代用したそうです。
余談ですが、日本のモデルガンの場合、カバ、ローズウッド(シタン)、エボニー(コクタン)等を使うことが多いようです。シタンやコクタンは堅く耐久性があり、色目等が美しいのが特徴ですが、堅いが故に加工しにくい欠点があります。
近年、特に軍用銃のストックは木材からプラスチック(コンポジット・マテリアル)に急速に移行しつつあります。手入れが欠かせず、ものによっては高価で、また歪みが命中精度に影響する木製ストックと違い、プラスチック材はほぼメンテナンスフリーで歪みもなく、コスト的にも安く量産に向く等の利点を持っています。欠点である衝撃吸収性の悪さも、グラスファイバーやカーボンファイバーの登場により、徐々に木製に近付きつつあるようです。
ブラック・タロン
- 早速ありがとうございました。
お手数をお掛けして申し訳有りませんでした。
山形
- ブラック・タロン さんの見事な解説に補足。
1.価格、手間を度外視した場合、最高の銃床材は、フランス・クルミです。木の根元部 且つ、
数年に渡って枯らし(自然乾燥−先に狂いを出させる)をした素材を使用し、銃床加工後、
アマニ油で仕上げた物が最高の銃床となります。 一部には、アメリカン・ウォールナット(米国クルミ)を
最高の物としている様ですが(現在の銃器界は米国中心ですからね!)、米国クルミは重く、木質も結構もろく、
フランス・クルミには敵いません。
その逆に、モミジ、カエデ、クワは、素材が高価で、木目が美しく、一見高級銃床材に考えますが、
加工後&使用中の狂いが大きく生じる為、不適切な物です。
2.極東某国次A隊の現用銃に使用されている銃床材質は、カバ、ブナ、サクラ、等が主体で、
ラッカー仕上げをした程度の安物であります。 そんな物でも、実上は問題無しという事なのでしょう。
3.プラスチック(コンポジット・マテリアル)(センサティック・マテリアル、色々な呼称が有りますね)の銃床材は
近年急速に技術進歩していますが、未だ木製に敵わない一つのポイントとして、油の吸収性です。
木製銃床は、機関部・銃身に付着している余分な油分を適度に吸収してくれますが、プラスチック銃床はいつまでも、
油分がビチャビチャしており、人手にて拭き取らなければなりません。
以上 蛇足まで。
軌跡の発動機?誉
- 重ね重ね、申し訳ありません。
山形