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今日電車に乗っていて、ふと思った事があるんです。沖縄戦において、高射砲で敵のシャーマン戦車を射撃したら、砲が一発でぶっ壊れてしまい、それ以後射撃不能になって泣く泣く砲を爆破して撤退?したという話があったんですが、高射砲っていう兵器は平射で打つとなぜすぐに壊れてしまうんですか?それとドイツ軍の、かの有名な88ミリ高射砲は平射でどんどん敵戦車を撃ってますがなぜ壊れないんですか??まだ分からないだらけの17歳の疑問にお答えをお願いします。。 河内っこ |
- すいません。調子に乗って、いらないことまで書いてしまいました。
心からお詫びします。すいませんでした。
河内っこ
- 土俵際で残っていました。
http://249.teacup.com/qzb04600/bbs
の100件目に急いでどうぞ。他にも『大砲入門』によると、野戦砲床での射撃は爆風除けの防循とマズルブレーキ付けないと危険なので禁止、だったそうです。
バツ
- バツさんありがとうございます。
と、言う事はドイツの88ミリ高射砲は最初から平射できるように開発されたと考えていいんですね?
河内っこ
- 徹甲弾が部隊交付されてましたから、可能性程度には考えていたんではないでしょうか?
居眠り将軍
- 陸軍の主力高射砲である八八式七糎半野戦高射は、おそらく運行重量を減らすために大幅に軽量化されています。
1928年制式ですから大戦中の75ミリ級第一線高射砲としてはやや古い部類に入りますが、諸外国の75ミリ級に比べて放列重量でだいたい500kgほども軽いです。
だからこそ大幅な改造もなしにキ109に搭載できちゃったりもするのでしょうけれど。
靖国神社の実物を見ても、駐退機のちゃちなこと、隣に置いてある海軍の三年式八高が砲身上に大きい液気圧シリンダを置いてあるのとは対照的です。
水平射撃に限らず、高角射撃でも連続射撃には耐えられないらしいですね。
つまり、八八式は特にひ弱な高射砲だったというわけで、これがふつうというわけではないようです。
通常の対空戦闘では1門あたり5〜7発程度しか撃たないので普段は問題にならないようですが、ここ一番というところではちょっとやばいっぽい砲なのです。
また、ドイツ軍の88ミリは徹甲榴弾の他にも弾頭信管の通常榴弾や照明弾など野戦加農とほぼ同等の砲弾が準備されており、高射砲としてだけ使うつもりは初めからなかったように思われます。
重量もソ連軍の85ミリに比べて1トン近くも重く、耐久性は十分だったと思われます。
まなかじ
- 居眠り将軍さん、まなかじさん、ご回答ありがとうございます。
僕はずっと、八十八式七糎高射砲はどうしようもない砲だと思っていました。
日本軍はそのひ弱な高射砲を更新した物は、九十九式八糎高射砲になるんですか?それとも四式七糎高射砲ですか??
河内っこ
- 八八式はそんなにどうしようもないというほどの砲でもないですよ。
野戦防空という本来の目的に対しては必要十分な性能があり、日本軍が戦場で動き回らせることができる重量にまとめてあるわけですから。
日本がドイツの88ミリFLAK18/36/37をそのままコピーしたとしても、戦場機動させる手段が乏しく、却って野戦防空の能力は低下したでしょう。
さて、九九式八高は元ネタが海軍用の艦載高角砲ということもあり、陣地高射砲です。一応は野戦砲床という装備もありますが、急速な放列布置・陣地変換には対応できません。重量的にも重過ぎます。要地防空にあたる高射砲部隊への配備は昭和十九年頃までにかなり進んでいたようではありますが。
よって、八八式を本来の意味で更新するべきはボ式新七高こと四式だったはずですが、生産数はお話にならないほど少なく、陸軍の野戦高射は最後まで主力は八八式だったと言ってよいのではないでしょうか。
まなかじ
- では、何でボフォース社のをコピーしてまで急いで更新しようとしたんですか?
陸軍は八十八式の性能で満足してたんですか??
河内っこ
- ボフォースM29をコピーしようというのは、他に三式十二高とか仮称五式十五高とかに開発重点があったのと、急速に戦力化する必要性があったことからです。
八八式の後継砲の開発は昭和10年あたりからとりかかってはいたのですが、なかなか良好な砲ができませんでした。
八八式は耐久力と有効射高に欠点はありましたが、多用される3000m近辺、またはそれ以下の高度で来襲する中型爆撃機に対しては実用上さほど問題はなく、他の点でも概ね満足できるものでしたし、とくに重量面だけをとればなかなかの傑作砲と言えるかもしれません。
結果としてはあれこれやっているうちに時間切れになり、中国から鹵獲したM29をそのまんまコピーということになります。
M29の原設計はドイツのクルップ社で、ベルサイユ条約逃れのためにボフォースに設計図を売り、製作を委託したものです。いわば88ミリFlak18の原型ともいえる砲です。
ドイツでは試作砲扱いで、1934年頃にクルップ本社でも少量製作してますが国防軍では三軍ともに採用せず、全て輸出に回されてます。中国軍が持っていたものの一部にはこのドイツ製のものもあったそうです(スウェーデン製は57口径だが、ドイツ製は60口径)
重量面では3.4トンと八八式より1トン弱重くなっています。
88ミリも重い砲でしたが、同じクルップ設計のせいかM29もソ連やイタリアの同級高射砲よりもやや重く、陸軍としてもほんとうはできればもう少し軽くしたかったのでしょう。
まなかじ
- へー!!裏にはそんな話があったんですか。四式の原型がドイツの88ミリだったとは!そんな話は僕が読んだどの本にも書いてなっかたです。
これで僕が心に秘めていたもうひとつの疑問も解決しました。「高射砲牽引用の98式ハーフトラック(正式名称が分からないので)が開発されたのは、四式高射砲を牽引するため」と書かれていたんですが、98式と4式ではあきらかに6年の隙間があるので、おかしいと思っていたんです。けど、まなかじさんのおかげで解決しました。
まなかじさんほんとうにありがとうございます。。
河内っこ