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下スレにもありますがWW2時、米以外のオートマチックライフルは大抵狙撃兵に配備される傾向がありましたがそれは何故でしょうか? 現在でも狙撃銃にはボルトアクションを当てる国があるのですから、いわんや当時の自動小銃の命中率なんてたかが知れたものでそれは試験をした軍当人があ一番良く理解していたはずです。 自動小銃の利点は高い制圧力にあるはずでありスペイン内乱でSMGによる戦闘域の制圧の有効性を学んだ独逸でさえG43を狙撃兵に渡しています。これは一体どういうことなのでしょうか? 紅葉饅頭 |
- 初弾を外した際、ボルトアクションでは装填動作のために照準を一旦途切れさせなければならず、装填後改めて照準動作を行わなければなりませんが(結果として次弾発射まで時間がかかる)、セミオートなら初弾の照準を修正して迅速に次弾を放つことが出来ます。というか、WW2時はそのような判断が大勢だったようです(種本失念)
通りすがり
- ちょっとだけ追加です。
当時の技術で作られたボルトアクション小銃とセミオート小銃の精度に有為の差があったかどうか、私にはわかりませんが(現在の精密狙撃に特化して開発されたボルトアクション狙撃銃ならそのとおりだと思いますけど)、M1ガーランドにも狙撃型が存在することから考えて、少なくとも当時の米陸軍は実用上問題があるほどの差は存在しない思っていたのではないでしょうか。
通りすがり
- 1.狙撃は、今も昔も、一発必中主義です。自動小銃だからと言って、スコープを付けて(スコープを覗きながら)、
次弾以降を急射するのは、盲撃ちと同じです。
(3〜4倍率のスコープ内で、目標は動揺しまくり、弾着は拡がります。
その程度の狙撃で良いのなら身も蓋も無いですが!)
一部の”軍用自動小銃から転用した、お手軽狙撃銃” を除いて本格的な狙撃銃は、手動銃です。
お手軽狙撃銃を使用している者は、真の狙撃兵ではないでしょう。
2.一般に、自動銃は発射時の遊底・機関部の動揺や、非シンメトリック構造になりやすい、 等による「銃振れ」、
ガスチュブ・シリンダーや諸部品による、「発射時理想銃身振動への悪影響」により、命中精度が低下します。
これらの事は、すでに自動銃の出現時点で理解されています。
逆に、自動銃は遊底後退の自動機構にエネルギーの一部を消費されるので、発射反動がやや軽減される→撃ちやすい。
という利点は有ります。
さて、独軍 ”Gew43 ヒットラーガーランド”のほとんどが、スコープマウントを標準としており、
狙撃銃として使用されている事の件ですが、実は上記1.と 2.と矛盾した理由があります。
”Gew43”の試作時の物 ”Gew41(W)”の時点では、スコープマウントは考慮されておりません。
又、10発弾倉は固定式=機関部上部よりクリップ装填という物です。
その後 ”Gew43”になり機関部側面形状はスコープ装着を前提とし、弾倉は下部よりの10発着脱弾倉となりました。
(スコープが邪魔してし機関部上部より装填しずらいから、こうなった事は至極当然)
要は、”Gew43”は、ZF41型1.5倍率スコープ装着専用狙撃銃となりました。
これは、ロシア赤軍のPUスコープ付きM1940自動小銃を大量配備された狙撃部隊に対抗する為でした。
目には目を! と言うわけです。 但しこれらの狙撃の意味合いは、真に要人狙撃という意味ではなく、
敵火点に集中射撃する程度(上記1.項みたいな物です。)です。又、その射距離は、400yd(360m)程度で
充分と考え、ほどほどの狙撃銃でよいから、速射性・火力集中性を要求した様です。
英文ですが、ここのHPをどうぞ。 その辺の簡単な経緯が説明されています。
http://snipercountry.com/Gw_ZF4fach.html
ですから、”Gew43”は真の意味(要人狙撃や、遠距離狙撃)での狙撃銃では無いのです。
「速射性重視の簡易狙撃銃です。」 真の狙撃銃なら、4倍〜8倍のスコープを装着する必要が有りますから!!
*自動小銃を、真の意味で狙撃銃的運用方法の為とするならば、1.2.の件をクリアしなければなりません。
軌跡の発動機?誉
- >3さま
訂正ありがとうございます。
便乗質問で申し訳ないのですが、米軍のM1C/Dも、やはり同様の理由による簡易型と捉えてもよろしいのでしょうか。
通りすがり
- >Gew43
以前床井雅美氏にお会いしたときにGew43の話が少し出て、「Gew43は元々カービンとして作られたものだった」と聞きました(思いっきり記憶が曖昧なので解釈間違ってるかも)。実際、Gew43にはKar43というカービンとしての別名があるほか、後部のスリング取付金具が銃床右側面に備えられています(ドイツでは伝統的にスリングを側面に備えた銃をカラビナー=カービンと呼ぶ傾向があったそうな。旧東ドイツ製SKSもスリングを銃床右側面に移してカラビナーSの名称を与えられている)。
ただ、元々カービンとして作られたらしいKar43がなぜ狙撃用スコープを備えたGew43となったのかについては、詳細な解説を訊くのを忘れました(;^_^A(苦笑)今後会う機会があったらまた質問してみるのも一興かも・・・
ブラック・タロン
- >3
>敵火点に集中射撃する程度(上記1.項みたいな物です。)です。
下のスレでBUN氏が触れられている日本陸軍の「自動式狙撃銃構想?」と似た発想で興味深いお話です。
>要は、”Gew43”は、ZF41型1.5倍率スコープ装着専用狙撃銃となりまし
た。
>ですから、”Gew43”は真の意味(要人狙撃や、遠距離狙撃)での狙撃銃では無い>のです。
>「速射性重視の簡易狙撃銃です。」 真の狙撃銃なら、4倍〜8倍のスコープを>装着する必要が有りますから!!
というお話ですが
http://www.top-education.com/WarWeapons/pistol.htm
というサイトではGew43はzf4とかいう4倍スコープを使用していたようにも読み取れます。
また、文中に触れておられるURLの文章も、zf4という4倍率スコープの解説に大部が当てられているようにも読み取れます。
当方、英語も碌に読めぬ田舎物故、もうすこし詳細に解説くだされれば幸いです。
また、ボルトアクション狙撃銃の優位性に関して述べておられるのですが、Kar98kにもZF41のような「簡易狙撃銃用スコープ」を装着したバージョンがある理由及び、フリーフローティング銃身を使用していない軍用ボルトアクション小銃から発達した狙撃銃がどの程度自動式狙撃銃に対して優位だったか(たとえばM1903A4対M1C >4の方の質問とも重複しますが。) ご教授下されれば幸いです。
SAW
- >4.通りすがり さん
いえいえ、訂正というより、補足程度に考えて下さい。 米軍のM1C/Dも、同様に簡易狙撃銃です。
それ以前のM1903A4ボルトアクション狙撃銃には、命中精度においてどうしても敵わないでしょうね。
但し、某帝国陸軍の97式狙撃銃ほど、せこくはありません。
しっかりしたスコープマウントとチークピース(頬付け)が備わっています。
元々M1ガーランドは、自動銃の中では、もっとも命中精度が良いライフルです。
その秘密は、銃口近くに付けられたガスポート位置が決め手でした。
>5.Gew43とKar43の相異。
ちょっと自身が無いのですが、私としては以下の相異が有ると考えています。
・Gew43は、機関部ボルト右側(ちょうど、コッキングレバーの反対側面)に、ボルトストップが備わっており、
Kar43は、その部品が省略されている。ボルトストップ無し。そしてその理由は、下記に続く。
・Gew43は、スコープ標準装備。Kar43は、スコープを省略していたのではないかと、思っています。
独陸軍の伝統=カービンタイプ(騎兵銃)は、銃床側面よりスリングを引き出す件。
確かにその様ですが、WWII主力の”Kar98k”は、騎兵のみならず、全歩兵部隊に装備されていますから、
カービンの名称は、単に、長銃に対する短小型を示す程度と、考えてはどうでしようか。
>6.ZF4スコープの件
そうですね。 紹介したHP他、Gew43のスコープ付き写真を色々見るかぎり、ZF4・4倍率スコープが
標準であると考えられますね。 開発初期には、既存のZF41をそのまま流用と考えていたはずですが、
後に簡易構造のZF4が開発、標準となったのでしょう。
http://www.vvm.com/~histpart/zf4.jpg
http://www.vvm.com/~histpart/huddle.jpg
口径7〜8mmクラスのボルトアクションライフルとセミオートの射距離2〜300mに於ける、精度差(グルーピング差)。
両者4倍程度のスコープ付きと仮定します。
・ボルトアクションなら、ターゲットの顔面中央や心臓よりやや大きい範囲を狙い撃ちに出来ます。
・セミオートだと、ターゲットの頭部全体や胸部左半身を狙い撃つぐらいの物。←軍用ならこれで充分と言えましょう。
日本で、大口径フリーをお持ちの方の御意見を聞きたいものです。
最後に、Gew43専門のHPを紹介します。 分解図、クローズアップ写真あり。
http://www.espeholt.subnet.dk/
〜?誉
- 軍用銃に求められている狙撃銃としての機能と、警察用の狙撃銃のそれとは全然別の話ではないでしょうか。
BUN
- ご回答ありがとうございます。
自分でも調べてみたのですが、
M1903の狙撃銃タイプはUSMCでのテストでマッチ弾使用で0.58MOA、ミリタリーボール使用で1.25MOAを600ヤードの距離で達成したそうですのでなかなかの精度ですね。
ただM1903A4は2.5倍スコープだった(M1Cもそうだったとか)ので極端な遠射は構想していなかったのかも知れません。
あるいはUSMCがユナーテル8倍スコープを使用したのもこのあたりに関連しているのかも。
現用のM24では4分の3MOAが要求スペックだったらしいので最低でもその程度の精度は達成してるのでしょう。(多くのSWAT狙撃銃は0.5MOAを達成とか)
M1Cにつては解りませんが、最近のガンスミスにはM1ガーランドは1MOA程度まではチューンできるという意見もあるようです。
実際同じ自動式でも米陸軍射撃班が使用するチューンされたM−16は1MOAの精度(マッチ弾使用)をもつようですし、その他にもチューンされたAR−15で600ヤード12インチのブルズアイにアイアンサイト使用でそこそこの命中率を記録する射手がいるようです。
また、PSG−1で18秒間で10発連射し100ヤード1MOAを達成された射手もおられるようです。
>日本で、大口径フリーをお持ちの方の御意見を聞きたいものです。
自衛隊で、射撃のオリンピック選手(空挺レインジャーでもあった)だったかたのお話をお聞きしたことがありますが、
銃身精度、フリーフローティング(以上は競技銃だとある程度クリアーされてますが)、ベディング調整、トルクレンチによるベディングスクリューの調整、弾薬の選択および調整、サイトの選択(競技ではアイアンサイトを使用します。)および調整等々、考慮すべき要素は多く、ボルト式だから精度が高いというほど単純ではないという意見のようでした。
実際その選手はJ隊の射撃場でKの狙撃班が訓練してるところを見たことがあるというお話でしたが、200mで精々15cm〜20cmくらいにしか集弾しなかったそうです。
時期的に考えるとKが使用してたのは、ホーワゴールデンベア(豊和工業製ボルトアクションハンティングライフル。バレルはヘビーバレルでもなければ、フリーフローティングでもない、恐らくベディング調整もしてない)に4倍スコープを装着したものである可能性が高いと思われます。一方、話をしてくれた選手はそれを尻目に競技用ボルトアクションフリーライフルを300m先の標的に撃ち始めたそうですが、Kとは比べ物にならないグルーピングを出したためにKの狙撃手は「ほんとに300mでこれだけあたるのですか。」とビックリしてたそうです。
彼はプローンの選手でしたので、恐らく競技用コートおよびスリングを使用してアイアンサイト使用でプローン射撃を行ったと思いますが、恐らく「同じボルトアクションと言っても狩猟用ライフルにスコープを載せただけの簡易狙撃銃と私の愛銃を一緒にせんといて。弾もちゃんとマッチ弾使ってるの」とでも思われたことでしょう。(笑)
現在は、SATもSSTもそれなりの狙撃銃を使用してるということなので、こんなことはないと思いますけどね。
SAW
- まったくBUN氏のおっしゃる通りですね。
人質などが絡むために、一般的に警察狙撃手の方が軍隊狙撃手よりもずっと近距離に布陣する傾向があるようです。
ただ、同じ警察狙撃手でも米国の方が欧州よりも高倍率(10倍以上とか)のスコープを好むらしいとか、同じ軍用でも狙撃手のみで行動することがあるUSMCに対して基本的に歩兵小隊内に狙撃兵が含まれている旧ソ連とか、同国軍なのに陸軍よりも狙撃を重視してるように見えるUSMCとか、最近までほとんど狙撃に関心がなかった(ように見える)某J国とかこの世界もそれぞれの国で運用思想が違い一筋縄でいかんみたいなところがあるようですね。
SAW
- そういえば80年代のGUNに西ドイツ軍の狙撃手が出たことがありますが、G3にスコープをつけただけという装備でした。
記事では市街戦で突撃する小銃手やSMG手を機関銃手などともに支援してる写真が出てました。
「火点狙撃制圧用」として使用法ならこの程度で充分ということだったのでしょう。(ますますBUN氏のお話は興味深いですね。)
一方USMCは、スナイパーのみで敵地後方に侵入して敵兵を狙撃してかく乱するという戦術を朝鮮戦争のころから行っていたようです。
こちらには高精度で遠射可能な装備が必要ですので陸軍よりも先にM40A1のようなカスタム品とも言える狙撃銃を導入したのでしょう。
このような高精度狙撃銃であればわずかな改修で警察用や対テロ用にも使用できそうな気もします。
SAW
- 遅くなりましたが、御教授ありがとうございました。
通りすがり
- 回答ありがとうございます。
少し難しいので話を自分なりに要約させていただくと、当時の自動小銃でも300m以内なら“敵に当てる”ことは種類にもよるが十分に可能な結構高い命中率がある。で、当時の突撃銃開発の原因にもなった大概の戦闘は400メートル以内で起こる、という説もありますし、上記の命中率があればよい。そして軍用狙撃銃にはこめかみを狙ってそれを打ち抜く程の命中精度は不要、とまでは言わなくても必要ではない。 だから誉さんのいう“お手軽狙撃銃”でも十分に狙撃銃としての用を足したので、連射が効くorはずしても照準したまま次弾が撃てる等の理由が多少ボルトアクションに分がある命中率の利点を凌駕したため、お手軽狙撃銃として、どこの国も自動小銃を狙撃兵に支給しようとした。
そして、G43もその理由に即したものだった。自動狙撃銃も一種の制圧兵器であった。と言うことでよろしいでしょうか?
紅葉饅頭
- >14.紅葉饅頭さんへ
よくまとめました。 「自動狙撃銃も一種の制圧兵器」 それらの事を、二流工業国家扱いしていたロシアに、
先鞭をつけられた、独軍は真っ青になったわけです。(T34と言い−−−)
1部の人達は、今も昔もロシアの兵器や戦術は二流の様なイメージが有るかも知れませんが、陸軍大国ロシアを、
バ○にしてはいけません。
但し、一般兵科全員にスコープを支給して、全員が狙撃手に成り得るかどうかは、別物でしょう。
やはり、狙撃は、経験とセンスが必要です。 練習時と違い、ゼロインや、ならし撃ち(暖射)なんかしていられません。
風を読む事も重要です。 又、スコープは、精密機器であり、その取り扱いは慎重でなければなりません。
60年たった現在でも、一般兵科の装備・ライフルを見れば、それが不可能な結果は出ています。
(近年、ブルパップ小銃の短い照準線長対策としてスコープが標準装備となった事は本件とは、別物ですが、
その取り扱いや、耐久性には??)
現実は、BUNさんのおおせの通り、制圧兵器の主体は、機銃以上の重火器でしょう。
〜?誉
- 再度の回答ありがとうございます。
と言うことは、スペイン内乱の教訓から大戦で「戦闘域の有効な射撃による制圧」の思想に基づきSMGと自動狙撃銃がお互い長所短所を背負いながらその役割を果たし、それが戦争末期独逸に於いて集約され発展し現在も発展する突撃銃になった。その突撃銃はSMGに欠けた100m以上の有効射程を補完し、自動狙撃銃に欠けた多少の命中率をその小口径弾による低反動と弾幕でカバーした(こっちはちょっと違うか?)。現在の軍隊の狙撃銃のマイノリティがボルトアクションなのは、ある意味全ての兵士がWW2時のお手軽狙撃兵の役割を兼ね、速射性は分隊の他隊員に依存し、速射性の利点が今度は命中率の利点に負けたからである。
少し飛躍し過ぎな感もありますが、こうとらえてもよろしいでしょうか?
紅葉饅頭