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パンツァー・ファーストについては 1424番に詳細な説明が寄せられているようですが、 そこにこたえられていない疑問をひとつ。 そもそもどうして「使い捨て」となっているのでしょうか? RPG-7のように飛んでいった弾頭部分を再装填すれば いくらでも使えるような気がするんですが。 新平 |
- 1・発射筒がむちゃくちゃに簡単にできていて原価が安いからです
パンツァーファーストは「対戦車擲弾発射器」ではなくて「発射筒込みで一発の弾薬」であるという思想で作られているものだと思います
2・工場出荷時には砲弾(あれはロケットじゃなくて無反動砲です)の後半部が既に装填済みの状態になっており、前半部だけをはめ込んで準備完了
この後半部を誤って抜き出してしまうと、前線での再装填はほとんど不可能だったとされます
3・また、発射筒をいちいち回収して後送する手間ヒマを考えれば、ガンガン作ってガンガン送ったほうがよい、ということも大いにあります
まなかじ
- 余談っぽいですが・・・
現代の各国の肩撃ち式対戦車兵器は『一発使い捨て』または『半使い捨て』が主流です。前者はM72、AT-4、LAW80、18以降のRPG等、後者はSMAWやパンツァーファースト3等が代表格です。
旧ドイツ軍のパンツァーファーストはまさに使い捨て式対戦車兵器の元祖というわけです。
パンツァーファーストの流れを汲むといえる現在のパンツァーファースト3は、発射筒のみ使い捨てで撃発装置(グリップ、肩当て含む)と照準器は再使用します。なお、自衛隊では『110mm携帯対戦車弾』と呼んでおり、弾薬扱いとなっています。
ブラック・タロン
- 当時の携帯対戦車兵器の射程距離は短く、歩兵による対戦車戦闘など
という危険率の高い行為では、発射機を持ち帰れる可能性が著しく低い
からではないでしょうか。特にドイツ軍は負けがこんでますので、持ち
帰れる可能性は、連合軍よりずっと低いはずです。
また、短い射程距離では、1回の対戦車戦闘で戦車に携帯対戦車兵器を
撃ちこめるチャンスは、1回だけでしょう。それで撃破できなかったら、
逃げるか、殺られるか。逃げるときには、弾のついてない発射機なんて
ものは、捨ててしまうのが人間の心理ではないでしょうか。
そういうことを勘案した結果(していないかもしれないけど)、当時の
ドイツ軍は、使い捨てにしたほうが、費用対効果が最も高いと考え、
それを採用したということではないでしょうか。
予断ですが、私が当時の携帯対戦車兵器で、戦車を迎え撃てと言われたら
たぶん、撃つ前に降伏します(笑)。
ただし、相手が米軍の場合ですけど(笑)。
ある
- >あるさん
揚げ足を取るようですがそれではファウストの後かほぼ同時期に(もっと負け込んだ後に)配備されたより重く体に負担がかかり逃走時の生存性が下がるパンツァーシュレックについてはどう説明されます?
それに最初の30,30kは除くとして60の射程60メートルって言ったら
それなりの距離がありますし(ここら辺はその場その場の状況で変わってきますが)兵隊だって馬鹿じゃありませんからそれなりの備えをして敵を待ち受けるでしょう、最初は0距離で対戦車地雷投擲だった訳ですし。私としては持ち帰るどうこう以前にまなかじさんの単に生産性優先てきな考えの方が重視されたと思いますが如何でしょうか?
紅葉饅頭
- >4
パンツァーファウストって、誰でも(民間人でも)一人で使えることが優先されていたから使い捨てになったんじゃないのかな?
安いのも当然だけど、じゃんじゃん作ってバンバン撒き散らす用ではなかったでしょうか?
たとえば、弾を二発持っていて装填が必要なものと、二本もっていれば2回撃てるもの、どちらも2回の射撃ができますが、素人が一人で行うこと考えると前者は一発も撃てない可能性が高いです。
パンツァーシュレックは2人で運用するのが基本ですから、やはり兵士用かと。
ちゃんとした対戦車兵器ということで。
はいどーも
- >パンツァーファーストはなぜ使い捨てで単純な構造なのか
パンツァーファーストはドイツ軍一般兵士だけでなく本国内の国民防衛組織にも配備される兵器でした。その単純な構造や照準&使用方法から見て、武器の扱いに慣れない民間人兵士でも訓練に時間を割かずすぐに使えるようにという考慮もあったものと推測されます。
まぁ、一番大きいのは生産性(戦争末期で空襲等により低下した工業力&資源量でも容易に量産可能)と思われますが。
パンツァーファーストが登場した1943〜44年頃のドイツ軍は、国民防衛組織向けに生産性を最優先した省力型小火器を多数考案しており、その外観たるや戦争初期の優秀な小火器群とは比べものにならず(構造的にはユニークなアイデアのものもあった)、追い詰められた同国がいかになりふり構わずだったかを伺い知る資料の一つと言えるかもしれません。
ついでに余談ながらパンツァーファーストの開発事情みたいなもの。
上で紅葉饅頭さんが書かれていますが、ドイツ軍は1943年から口径88mmの対戦車ロケットランチャー『ラケーテン・パンツァーブクセ』(通称パンツァーシュレック)を東部戦線に投入しました。この兵器は米軍の2.36インチ・ロケットランチャーM1(バズーカ)を増口径したコピーで、射手と弾薬手の2名1チームで運用するものでした。
しかし、パンツァーシュレックのように弾頭が発射筒内を通過して発射される兵器の場合、弾頭径が発射筒の直径に制約されてしまい、大口径化に限界があります(成型炸薬弾は弾頭径が大きいほど有利)。
そこで、弾頭を発射筒の先端に外装するアイデアが考案され、同じ1943年にパンツァーファーストが開発されることになります。
ブラック・タロン
- あ、5と一部被っちゃった(苦笑)
ブラック・タロン
- 4>
あらかた答えは出てると思いますが・・・。
私も生産性が最重要ってことに全く異存はありません。ただ、当時の歩兵の対戦車戦闘って
のは、兵器や兵士すらも使い捨ての意味合いが強いことを言いたかったのです。
あと、60mなんて距離は、本当に目と鼻の先ですよ。連合軍側だってバカじゃないわけで、
随伴歩兵なんていた日には、Panzerfaust撃つ前に小銃で蜂の巣にされてしまうでしょう。
#だから、私だったら降伏しちゃうってことです(笑)。
ある
- あと、パンツァーシュレックは、パンツァーファーストより開発開始は、やや遅いようですが、当時はまだそれほど末期的な状態ではなかったため、ドイツは並行して開発・実戦試験が進められていました。その後、両者とも量産に移されるのですが、パンツァーファーストが10万発生産されたのに対して、パンツァーシュレックは、その1桁以上は低い数しか生産されていないはずです(詳細な数字が判る資料を持ってませんが)。このことからも、パンツァーシュレックが必ずしも、私の意見の反証にはならないと考えますが、いかがでしょうか?
ある
- パンツァーシュレックは再利用可能と言っても、各部が熱でやられるので信頼性に問題があった、という兵士の回想をどこかで聞いた覚えがありますが、記憶が定かでありません。
再装填可能な(本体とランチャーが別な)ホローチャージ弾は、パンツァーシュレックのほかにもいろいろありますが、すでに回答がついているように総じて弾頭が小さく、はずせば後がない短射程兵器としては問題がありました。
マイソフ
- >私も生産性が最重要ってことに全く異存はありません。ただ、当時の歩兵の対戦>車戦闘ってのは、兵器や兵士すらも使い捨ての意味合いが強いことを言いたかっ>たのです。
確かにそうかもしれませんね。自分の言った0距離対戦車地雷投擲もよくよく考えれば特攻と大差ないわけで。それにシュレックとファウストの生産比率については知りませんでした。私が早合点してました、すいません。
>あと、60mなんて距離は、本当に目と鼻の先ですよ。連合軍側だってバカじゃない>わけで、随伴歩兵なんていた日には、Panzerfaust撃つ前に小銃で蜂の巣にされ>てしまうでしょう。
失礼ついでに最後の質問です、当時の兵士間では米独どちらを問わず対戦車兵器は真っ先につぶすべし! みたいな風潮があったと言うことでしょうか? 捕まるとリンチにかけられた火炎放射器兵や狙撃兵のように。それともただ距離が近いから撃たれると言うことでしょうか?
紅葉饅頭
- 西部戦線での米軍の場合、対戦車兵器に対する能動的な防御として、敵の対戦車兵器
やPanzerfaustチームが隠されていそうな場所には、片っ端から銃砲弾を打ち込んで
から進むようにしていたようです。一見、効率の悪そうな方法ですが、戦車や人員の
損害を考えると、結局は安上がりだと考えていたようです。
この戦術は「深射砲撃による偵察」とか訳されています。
要するに、戦車部隊にとって、対戦車兵器は脅威であるから、最優先で排除される
べき敵だったということになるでしょうか。
#総括すると、Panzerfaustによる奇襲が成功する可能性は、それほどは高くなく、仮に、
奇襲が成功しても、その後、生きて帰れる可能性は、高くないってことです。
なお、東部戦線では、兵士の損害はあまり省みられず、戦車には、随伴歩兵が、張り付いてい
たようです。
ある
- 直接本題から離れるかもしれませんが・・・。
マイソフさんの投稿から思い当たったのですが、近年の携帯対戦車の
使い捨て部分は、軽量化のためでもあるのではないでしょうか。
Panzerfaust3やM72LAW、ドラゴン対戦車ミサイルやTOWの発射筒などは、
軽量化を目的として、1回の発射薬燃焼の圧力や熱に耐えられる、材質と
厚さで造られていると思われます。
これが、何発でも発射可能な筒にすると、より厚く、耐熱性の高い材質
を使わなければならず、結果として重くなりますので。
ある