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1:映画「プライベート・ライアン」に登場したホーバス軍曹(実名知りません)が持っているのはカービン小銃でいいんでしょうか? 2:他のみんな(ミラー大尉以外)はM1ガーラント小銃ですが、二丁に違いはあるんでしょうか?(所有者の階級、運用法、性能) 3:トンプソンSMGの方も 長く多くなりましたが上3つについて教えて下さい。 少年兵 |
- 2、3について。
M1自動小銃とM1自動騎銃は符号が同じなので間違える方もいらっしゃいます(うちの演劇部の部長とか)。実際はまったくベツモノでして、M1自動小銃は30−06(7.7×63)というかなり強力な弾薬を使う歩兵銃です。兵に配付されますが、下士官でもどこからかもってきて使っている人もいました。8発クリップで装填し、全弾を撃ち終わるとクリップが自動的に飛び出します。
M1自動騎銃は同じ30口径でもより弱装の小型の弾丸を用います。基本的には下士官以上で、将校や車輌乗員の護身用として開発されました。大きさはかなり小型で、10発の弾倉を用います。発射方式はセミオートだけですが、後にフルオート機能を追加したM2も配備されています。
トンプソンSMGとは、M1928からM1A1に到る何種類かの機関短銃の総称で、ミラー大尉のものはたしかM1A1(簡易生産型)だったはずです。(「コンバット!」のサンダース軍曹の銃はM1928)
M1911自動拳銃とおなじ45口径弾を使うもので、機関短銃としてはかなり大きく重い部類に入ります。こちらもM1自動騎銃と同様、下士官や将校が主に使いました。20発、または30発の弾倉で給弾します。
以上はかなり大雑把なものですので、より細かい解説は他の方にお願いいたします……。
居眠り将軍
- M1カービンのマガジンは15発入りじゃなかったですか、なんたら法の影響で米国の市販品は10発になってるかもしれませんが。
SAW
- 1.ホーバス(小説ではホーバート)軍曹が所持しているのは仰るとおりM1カービンです。
2 私も以前全く同じ質問をしました。アドレスを載せますので参照してください。www.warbirds.nu/ansq/4/D2000615.html - 3k
質問、「カービン小銃」という言い方はアリなのでしょうか?「カービン銃」と「小銃」は別物なのではないのでしょうか。
紅葉饅頭
- >1: 映画「プライベート・ライアン」に登場したホーバス軍曹(実名知りません)が持っているのはカービン小銃でいいんでしょうか?
えーと、私は誰がホーバス軍曹なのか分からないのですよ(;
でも、持っている銃がM1ガーラント小銃よりあきらかに短いのであれば、M1カービン小銃だと思います。
>2:他のみんな(ミラー大尉以外)はM1ガーラント小銃ですが、二丁に違いはあるんでしょうか?(所有者の階級、運用法、性能)
確か、BAR自動小銃も出てきましたよ。あと、スナイパーライフルも。
M1ガーランド小銃とM1カービン小銃の違いについて。
この二丁の銃は、全くの別物です。M16A2とM4カービンの様に、ただ全長を短くしたというのではないのです。だから二丁は性能において全く異なる銃なのです。所有者の階級については、M1ガ−ラント小銃が一般兵士用、M1カービン小銃は(もともとM1カービン小銃は、後方部隊用もしくは、前線の将校の自衛用と考えられていた)下士官以上の人物が使用するということでよかったの思います。この二丁の銃のスペックについては、資料不足のため、他の方にお任せします。
>3:トンプソンSMGの方も
トンプソンについての所有者の階級、運用法は私には分かりません。これも他の方にお任せしようと思います。すみません。スペックだけですが書いておきます。
トンプソン モデルM1 SMG
口径 11.25mmX23(45ACP)
全長 813mm
銃身長 267mm
重量 4740g
装弾数 20発、30発
ライフリング 6条/右回り
発射速度 700発/分
BN-2
- トンプソンは主に歩兵の士官、下士官に支給されていました。連射のできるトンプソンは兵から好まれ、拾って使える場合は必ず拾ったといわれており、兵が持っていたこともあるようです。映画ではライベンはBAR, ジャクソンはスプリングフィールドM1903を持ってました。
>3 英語で「カービン小銃」にしたら ”Carbine rifle” になってしまうので、意味が通じないと思います。実際どっちかわからなくなりそうだし。
Vinegar-Joe
- こんなとこどうぞ。
http://www.gunsworld.com/m1m14/m1c_us.html
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/m1-car.htm
オリジナルマガジンは15発または30発ですね。
epitaph
- >トンプソンについて
トンプソン・サブマシンガンは1921年に最初のモデルが登場しましたが、軍用としては注目されず、禁酒法時代のギャングやそれを取り締まるFBIが使って悪名を轟かせた方がよく知られていました。
その後、1928年にようやく米海軍および海兵隊がM1928を採用し、陸軍も改良型のM1928A1を採用しました。しかし、当時のトンプソンは重量と生産性および製造コストに難があったため、大幅な設計変更による簡略化が行われ、M1およびその改良型M1A1が完成しました。故に、同じトンプソンでも、M1921〜M1928までのモデルとM1&M1A1は、基本スタイル以外は全くの別物と言っても差し支えない銃になっています。
ただ、生産性やコストは多少改善したものの、それでも英軍のステン辺りと比べると製造に手間の掛かる銃であることは変わらず、また重量に関してはあまり削減できませんでした。このため、1942年からはトンプソンの後継としてM3サブマシンガン(グリースガン)が採用されることになります。
ブラック・タロン
- >3.「カービン銃」と「小銃」は別物なのではないのでしょうか。
過去のAnsQで解説した事が有りますが、小銃とは、軍用で使用する鉄砲全般の事を言い、
一般に銃剣を着剣可能とした、個人近接火器と定義されています。
細分すると歩兵銃と騎兵銃、狙撃銃に分かれます。 「カービン小銃」という言い方はおかしいです。
*M1小銃(ガーランド)は、ちゃんと騎銃タイプが存在しています。 M1タンカーだっけ!!
>4.二丁は性能において全く異なる銃なのです。〜この二丁の銃のスペックについて
文献によって、僅かな差異がありますが、大体下記の通りです。
銃重量 弾威力(マズル・エネルギー) 実用有効射程
・M1小銃(ガーランド) 約4.4kg 2500J 500〜600m
{.30−06 M2普通弾}
・M1騎銃(カービン) 約2.5kg 955J 200〜300m
{.30 M1騎銃普通弾}
M1騎銃は、M1小銃に較べて、重量で1/2、弾威力で1/3、有効射程で1/2 なんです。
使用(配備)用途に関しては、皆さんの解説の通りです。
以下、超ガンフリークのみ理解下さい。
・通常、ライフルと拳銃の中間運用の軽ライフルを開発検討する場合、現使用小銃の銃身短小型=騎銃
を考えますが、この時の米軍は、まず低威力の短小弾を開発し、それに合った新小銃を民間に開発させた事が、
米軍用兵思想の凄いところです。 では何故か? 以下続く。
・二丁において全くの相異点は、両者ともガス圧利用方式なるも、ガスポートの位置が全く両極端な事です。
M1小銃のガスポートは、銃口直前約1in位置にあります。 対するM1騎銃のガスポート位置は、
薬室前方約2in位置にあります。 現代のライフルでは、どちらにしてもこんな極端な銃は見かけません。
各々のポート位置におけるガス圧状態は、M1小銃=銃口直前の場合、最大腔圧の1/7 〜1/10しか有りません、
対してM1騎銃=薬室前方位置腔圧は、最大腔圧の70〜80%もの高圧となります。(但し、極短時間)
こうなると、当然両弾薬の燃焼特性は調整され、全く相異しています。
この意味は、米軍は世界に先んじて自動小銃を大量制式配備するも、似て非なる2種類の自動機構を同時期に運用し、
小銃用ガス利用式機構の優劣試行をしていたわけです。
この両銃の集大成がM14なんですが、失敗作となったのは衆知です。
しいて言えば、M1騎銃の方が、ガスポート位置に関係して、ショートストロークピストン(タペット式とも言う)を
考案・採用して、エポックメーキング な銃と言えましょう。
軌跡の発動機?誉