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初めて投稿します。 太平洋戦争時にアメリカ海軍が開発した新兵器VT真管は、対空砲や40o機銃にまで装備されたそうですが、戦艦の主砲弾には活用されなかったのでしょうか? 西村泰久 |
- VT信管はもともと対空射撃用の信管です。
それまでの時限信管による一定高度一定距離の空間への弾幕投射に比べ、砲弾が飛行機のそばを通ったら炸裂するというVT信管による対空弾幕は桁違いの威力を発揮します。
さて、戦艦主砲ですが、極端に言えば「命中しなかったら炸裂しなくてもいい」種類の砲撃しかしませんね。
対艦砲撃では先ず目標を「貫徹」してから爆発させたいのですからVT信管を使ってはいけません(笑
対地砲撃でも戦艦主砲を持ち出すのは相手水際陣地を吹っ飛ばすためで、これも地面に着いてから炸裂させたい。
軟弱目標に対して榴散弾的な用法で使いたいという状況でも、相手は動かないので時限信管でもできます。
まなかじ
- 御回答有難うございました。
疑問なのですが、米戦艦は日本の三式弾の様に、主砲で対空射撃するということは無かったんでしょうか?対空攻撃用の主砲弾にVT真管を組み込んだら、威力絶大ではないかと思っていたのですが…
西村泰久
- >2
戦艦ではVT撃ちはやっていないようです。
戦艦主砲の爆風は凄まじく、対空戦闘用の機材に悪影響が懸念されますし。戦艦主砲の目標追随能力は高いものとはいえません。
アウータディフェンスとして遠距離でとりあえず敵編隊に打ち込み
あとは主砲は沈黙して他火器にゆだねるというのは一つの手段と思いますが、おそらく対処時間や効力の面で有効性が問題になるのではないかと想像します。
もっとも重巡洋艦なんかでは対空用射撃し競う力のデータを受け取る能力もあったそうですからやれない事はないでしょう。
VTは敵機の近くに砲弾が到達したら爆発するという代物で、前提条件として、敵機の近くに砲弾が行かないといけません。
勿論、戦艦主砲の被害直径は相当な物でしょうからVTの有効範囲等も拡大して設定できますが。現実問題として狙える代物なのかという問題があるでしょう。
一般の対空火器は多数を放つことで、弾丸が敵機の近くに行く可能性を増大させていますが、おそらく二度目の射撃が様々な要因から否定される戦艦主砲の対空射撃ではVTである必要性は殆ど無いでしょう。
精緻な電探観測が可能ならタイマー信管で敵編隊の未来位置に斉射を送り込むことでも事実上問題は無いのですから。
SUDO
- >戦艦ではVT撃ちはやっていないようです。
そもそも、戦艦の主砲で対空射撃などやったのは日本海軍だけなのでは?
(N)
- 冥聞で申し訳ありませんが
>対空砲や40mm機銃にまで装備 とありますが
40mm機銃弾へのVT信管の運用は戦後からじゃなかったでしょうか?
戦中にVT信管をつけれたのは75mm級とまでと思っておりましたが…
近所の人
- >4
いえ、ティルピッツが主砲で対空射撃をやっています。ただしノルウェーで在泊したままの状態でですが(参考文献「戦艦ティルピッツを撃沈せよ!」ハヤカワ文庫)
井中かえる
- >6
戦艦武蔵もやったはずです。
「戦艦武蔵」のなかに書いてありました。
こおり
- >5.
そうですね。戦中のボフォース40ミリはVTなしです。
あれは大威力と高発射速度、そして良好な弾道性能で
「最も多くの敵機を撃墜した」んです。
で、カミカゼ相手には威力不足ってことで
戦後VT付き3インチ両用砲に置き換わっていきます。
勝井
- >8 ボフォースについては銃本体の性能もさることながら、動目標への追従容易な動力銃架・高精度の見越し算定器つき照準器・弾幕射撃の連射に耐える水冷銃身・射撃中の再装填を許す給弾機構など補機類の充実が見逃せません。ただしその為に銃架は重くかさばるもので、特に駆逐艦クラスには重荷だったようです。
ささき
- 確か主砲をわざと海面に撃って、その水柱で海面を這う雷撃機を撃墜しようとしたとの回想を読んだ記憶があります。
san