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どなたかAAM-4、XAAM-5の射程をご存知の方は居られませんか? こおり |
- 空対空ミサイルの射程を語るというのは難しくて、条件により大きく
異なります。
例えば、高高度を飛ぶ大型機を前から打つ場合と低高度を飛ぶ巡航ミサイルの
ような目標を後ろから打つ場合では、射程は全く異なります。
さらに目標が機動している場合と直進している場合等も考えると一概に語れない
と思います。
AAM-4に関して言えば、長射程化は大きな目標の一つで以下のような
特徴があります。
・高集積度半導体の採用による誘導制御装置の小型化に伴う推進薬の増量
・デュアル・スラスト・ロケットモーターの採用
特にAAM-4の場合、AIM-7のようなセミアクティブ・ホーミングのミサイル
と違って、FOG(リングレーザージャイロ)による慣性誘導+母機からの指令誘導
なので、イルミネーターの反射波に直線的向かっていく必用が無く、
運動エネルギーの損失が最も少ない飛翔をすることができます。
XAAM-5は赤外線フォーカルプレン・アレイを用いた赤外線画像誘導方式のため
AAM-3のような単一素子を用いたシーカーに比べると、ロックオンレンジが
大幅に伸びており、またリングレーザー・ジャイロを搭載して
LOAL(Lock On After Launch)が可能なことと相まって、AAM-3と比べて
大幅に射程が伸びています。
具体的な数字については豆腐扱いだと思われるので、差し控えておきますが
従来のものに比べると大幅に向上していることは確かです。
(特にXAAM-5の射程の向上は目覚しい。)
AP1
- 追加です。
>と違って、FOG(リングレーザージャイロ)による慣性誘導+母機からの指令誘導
この場合の誘導は、初期中期の誘導で終末誘導は勿論、アクティブ・レーダー
ホーミングです。
AAM-4は現在、AAM-4改の開発を来年度から予定してますが、将来的には
インテグラル・ロケットのようなエア・ブリーチングエンジンに換装して、
射程を延ばす構想もあるそうです。
AP1
- それと、AAM-4の射程はAMRAAMより確か長かったはずですが、新艦載短SAMの射程はESSMと比べてどうなのでしょうか。
ESSMはシースパロー+AMRAAMだとどこかで聞いたのですが…
こおり
- >新艦載短SAMの射程はESSMと比べてどうなのでしょうか。
技本GM5室とは付き合いが無かったので何とも言えませんが。。
こちらのページではESSMの射程は27NM(50KM)位としています。
RIM-7Mのほぼ倍としています。
http://www.designation-systems.net/dusrm/m-162.html
ESSMは初・中期は指令慣性、終末はセミアクティブ誘導なので、SM-2と
同じ方式ですね。かつて某基地でSM-2の射程を聞いた時は巷で言われている
数字よりずっと大きな値でした。
誘導(飛翔)方法が違うとこんなに射程が違うものかと、感心した覚えがあります。
私見ですが、新艦載短SAMの射程はESSMと同じ位か、やや上回る位では
ないでしょうか。ちなみに形はESSMそっくりでした。
AP1
- ということは、新艦載短SAM(XSAM-4?)の射程は在来型ミサイル護衛艦のスタンダードSM-1MRより長いのですか。では、SM-2系列のミサイルを発射できない限り在来型のミサイル護衛艦の存在意義が消滅すると思うのですが、Mk-13発射機でSM-2系列のミサイルは使えるのでしょうか?
こおり
- >新艦載短SAM(XSAM-4?)の射程は在来型ミサイル護衛艦のスタンダードSM-1MR
>より長いのですか。
RIM-4じゃないですか(笑)
SM-1より射程が長いという可能性は高いですね。さらにSM-1はイルミネーターを
占有してしまいますから、イルミネーターの数で同時対応できる数が決まって
しまいます。
ESSMは終末誘導のみイルミネーターで照射すれば良いですし、新艦載短SAMに
おいてはアクティブ誘導ですからイルミネーターが必用ありません。
多目標同時対処能力でも在来型DDGと差がついてしまいます。
(勿論、能力が高いFCSやCDSの搭載が前提です。)
浅学にして在来型DDGがSM-2を運用できるかどうかは存じませんが、できない
となると確かに在来型DDGのレーゾンデートルは無くなりますね。
たちかぜ型はご引退願って、はたかぜ型は大幅改修で対応ですかね。
AP1
- いえ、ちょうど今自衛隊の対空ミサイルの形式番号が93式地対空ミサイルのSAM-3まで進んでいるので、きっと次はSAM-4ではないかと…
元になるミサイルの型番もAAM-4ですし。
こおり
- >7
順番からいってホーク改後継の中距離地対空誘導弾がSAM-4になるのではないでしょうか?
>AP1様
新艦載短SAMもESSM同様にAAM-4のシーカー、弾頭部プラスAAM-4より一回り直径の大きいロケットモーターの組み合わせなんですね。(新中SAMより射程大きいのだろうか・・・)
それでなんですが、搭載方法もESSM同様にMk41VLSにMk25キャニスターを組み合わせて、VLS一つに付き4発収納するとか検討されているんでしょうか?(まだそんな段階じゃないのかな)
現在、改むらさめ型である「たかなみ型」DDはMk41VLSにMk22キャニスターを組み合わせて、VLS一セルに付き一発ずつ(計16セルに)シースパローを収納してますが、ESSM同様一セルに4発搭載できれば12セルが余ってしまいます。
一般的に、たかなみ型のVLSをMk41に統一したのもBMD構想を見込んで将来的に弾道弾対応型SM-2(SM-3)搭載を考えての事だと言われてるのですが、政治的にも微妙なんで実戦配備された新艦載短SAMがMk25キャニスターに収納出来るとしても、暫くはMk41VLSに一セル一発ずつ搭載されることになりそうなのかな?
ガンヘッド507
- >ガンヘッド507様
新艦載短SAMがクォード・パックできるかは残念ながら聞き及んでおりません。
私見ですが、SSM-1BとRGM-84と同じような互換性があるのではないかと
思ってますが。
MK41VLSはロッキードからMHIへライセンス供与されて国産されるとのことなので、
インテグレーションしやすいかもしれません。
(でも新艦載短SAMのプライムはMELCOで、MHIとMELCOのGM関連は仲悪いしな(^^;)
改むらさめ型にSM-2(SM-3)を積むのはCECが普及すれば有り得る話です。
AP1
- 単純に射程だけでスタンダート系(SM−1)と新艦載短SAMを比較するのも不適当な気がします、炸薬量やらサイズやら違うんだし。
かなりの部分カバー出来るのは確かでしょうけど、完全に代替できるかっつーたら難しいのでは無いでしょうか。
ちなみに、オーストラリア海軍の方でMK−13搭載艦にSM−2を組み込むと言う改修が検討されだしてるとの事ですから、素直にSM−2をたちかぜ型に搭載するのは無理の様です。
無論既にそう言う改修が施されているのなら別ですけど。
http://www.kojii.net/jdw/jdw020213.html>ソース
ooi
- >ooi様
仰るとおりSM-1は広域エリア防空用で艦隊全体に防空の傘を広げる
ものであり、ESSMはあくまでも個艦防空用で自分の船を守るものです。
その大前提を考慮せずにお話してしまったのは飛躍のし過ぎでした。
ただ技術の進歩により、その辺の区分がシームレスになりつつあるのかな
という個人的な印象はあります。SM-2とESSMを比べれば違いは際立ちますけどね。
AP1
- 個人的には、在来型防空護衛艦(に限りませんが護衛艦一般)のレゾンテートルは装備だけで判断してはいけないと考えています、そもそも何の為に建造されたか、今の装備体系にどう位置付けられているのかが結構複雑に絡み合っているんでないかなあと>私見ですが。
無論装備の陳腐化によって、価値が薄れていくと言う事はありうる事なんですが。
>11
確かに個艦防空SAMの能力向上による旧世代のエリア防空SAMとの差がかなり縮まっている印象は受けますね。
比較する対象を同世代のものにすると装備の性格がよくわかるもんですけど、そう言う錯覚を受けるのも仕方の無い事かもしれません、私も人の事は言えませんし。
ooi