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ボーチャード(ボルクハルト)ピストルは世界初の実用自動拳銃だそうですが、その性能などをご教授願えないでしょうか? 当時の価格や生産数など、あればあるほどうれしいです。 WC-Co |
- ボルヒャルト(ボーチャード)・ピストールは、ドイツ人ヒューゴ・ボルヒャルトが1893年に設計した、世界最初の実用的自動拳銃です。
後の自動拳銃に通じるグリップ収納式のボックス・マガジンと、尺取り虫のように『へ』の字型に動くトグル・ロック機構を備えているのが特徴です。ボルヒャルトは米ウィンチェスター社に勤めていたことがあり、同社で製造されていたレバー・アクション・ライフルのトグル・リンク式ロッキング機構をヒントに、ボルヒャルト・ピストールの作動機構を設計しました。
しかし、ボルヒャルト・ピストールは全体的に大型で重く、また後部に偏った重心と垂直に近いグリップ角度のため、射撃すると銃口が大きく跳ね上がる欠点がありました。このため、ホルスターを兼用するストックを装着しないと命中精度を期待できませんでした。
*ボルヒャルト・ピストール基本諸元
・口径:7.65mmX22(7.65mmパラベラム)・全長:352mm(本体のみ)・銃身長:191mm
・重量:1310g ・装弾数:8発
ボルヒャルト・ピストールの生産は、1894〜1896年まで独ルドウィック・ローベ社、1897〜99年までDWM(ドイツ武器弾薬製造会社)で行われました。生産数は、ルドウィック・ローベ社が約800挺、DWMが約2,000挺とのことです。
なお、ボルヒャルト・ピストールの生産がDWMに移った頃、これの改良を手掛けたのが同社の技師ゲオルグ・ルガーでした。ルガーはボルヒャルト・ピストールを小型化しバランスを改善する改良を行い、M1899試作ピストルを開発しました。これが後にDWMパラベラム・ピストル各種(M1900、M1906、P08)に発展します。
ブラック・タロン
- >1 ・口径:7.65mmX22(7.65mmパラベラム)
これは、”ルガー1900(パラベラムピストル1900)”の弾です。
ボチャードの使用弾は、7.65mmX25 すなわち ”モーゼルミリタリー”や”トカレフ”の
.30モーゼル(7.63mmX25)弾とほぼ同じです。
これらは、ボチャードの弾が原型であり、後にモーゼルが10%位の増装弾にして採用しました。
外形寸法は、ほとんど同一です。 ちなみに、真の弾頭径は、8.0mmで、ボアダイアメーター(山径)の
基準寸法が7.63〜7.65mmなんです。
なお、当時(1900年頃)の販売価格は、木製ストック、チークピース、皮製ホルスター、マガジン3個、
手入れ工具セット が付属して、$30 だったそうです。
軌跡の発動機?誉
- ↑補足、 当時(1900年頃)の販売価格は、〜$30
その当時の、$30の価値は、どれくらいの物か、比較を考えてみました。
「従来の1/10の価格で、一般労働者でも購入出来る。」と言われた、有名な大衆自動車の
”T型フォード”が発売されたのが、1908年で、1台$850だったそうです。
十数年後の最終価格は、$290迄下がったそうです。 大衆自動車の10%+αくらいの価値だったんですね。
参考まで!!
〜?誉
- ありがとうございます。まさか本当に価格まで教えていただけるとは・・・。
ところで、ブラック・タロンさんのボルヒャルトはドイツ語読みなのでしょうか?
ボーチャードが英語読みだろうことは予想がつくのですが。
WC-Co
- スペルはBorchardtです。手元の資料で『ボルヒャルト(ボーチャード)』と表記されていたのでこれに従いました。外国語発音を無理矢理日本語で表記するのですから、資料によって違ってくるのはある意味しょうがないところがありますね。
ブラック・タロン
- 重ね重ね丁寧な回答ありがとうございます。
WC-Co