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第1次大戦〜第2次大戦時の一般的な歩兵は何種類くらいの兵器を扱える事になっていたんでしょうか? 例えば、小銃を持った歩兵は歩兵砲や対戦車砲(速射砲)を扱えたのでしょうか? 涼月 |
- 本人が個人的に持っている知識ならともかく、訓練は受けていないと思いますよ。ライフルマンはライフルを撃つこと(または手榴弾を投げること)が仕事ですし、歩兵砲などの操砲要員は護身目的程度の銃取り扱い訓練をうけていないと思います(たいてい騎兵銃や拳銃程度しかもっていませんしね)。
一般的な歩兵(ライフルマン)の扱える兵器は・小銃・銃剣です。それと、これをいれていいかどうか・・・・・・・スコップ?
機銃兵は小銃取り扱いの訓練を受けていたんでしょうか?
居眠り将軍
- 書いておきながら忘れてました。
・手榴弾 です。
居眠将軍
- 第二次大戦時のドイツ陸軍では全員にkar98kの使用訓練を施したと聞いたことがあります。
Vinegar-Joe
- 日本海軍の予科練でも小銃射撃の訓練とかあったらしい
ですよ。
ましてや歩兵では。
SAW
- ドイツ軍の場合、歩兵も砲兵もまず小銃の手入れと射撃から訓練しました。「運転手もコックも」戦闘に駆り出す緊急事態に備えて、というのもあったでしょうが、どうも主眼は武器を扱う心構えにあったのではなかったかと思います。個人個人の手入れの良し悪しがはっきり出るので、手を抜いてひどく怒られた兵士がいたと回想で読んだことがあります。
その後中習課程ということになりますが、対戦車砲や歩兵砲の要員のための学校があって、ここで専門的な訓練を受けたようです。ですから基本的には、歩兵砲や対戦車砲の操作には歩兵科の中でそれぞれプロが当たりました。
対戦車砲のクルーには軽機関銃手がひとりいて、敵歩兵の近接を防ぎます。これは対戦車砲の訓練だけを受けたクルーの中から、ひとりが言いつけられて担当したようです。
マイソフ
- 本題からはややずれますが、航空自衛隊では新入隊員全員に小銃の扱いを教えるそうです。陸自と海自はどうしているか知りませんが恐らく同様だと思います。
T216
- 米海兵隊ではEvery Marine a Riflemanの方針のもと、
士官、下士官兵を問わずパイロットや戦車兵などの技能職でもまず一流の小銃射手として教育されます。
ブーツキャンプでは今でもone shot,one killと教育されています。
ベローの森やガダルカナルでもこの方針があったから勝つことができたと信じられているようです。
つまり海兵隊では小銃射手がパイロットや戦車兵をかねているという考え方らしいです。
・・・野蛮ですね(w
Jabo
- >6 ちなみにここで言う「隊員」は、整備員や基地の設備維持に携わる隊員も含むそうです。
正確には、入隊直後に行軍訓練や小銃の扱い(実弾訓練あり)などを教えた後に専門分野を振り分け、専門教育に移るそうです。
ということは、自衛隊隊員は全員(一応)小銃を扱えることになります。
T216
- どうやら無理みたいですね・・・。
では、軽機関銃はどうだったんでしょうか?
あれなら各分隊に1丁ずつ配備していた所もあるので正規の射手以外でも扱えそうですが・・・。
涼月
- 防衛医大を出て自衛隊のお医者さんをやってた従兄弟の話では、医師も一応射撃の訓練を受けているそうです。
ノースバーグ
- ドイツの場合、分隊で一番(小銃)射撃のうまい兵士を軽機関銃の
銃手にしたと聞いたことがあります。
マイソフ
- >主旨がちょっと逸れますが
米海兵隊員の場合、一流の小銃射手たれって事は、色々な兵科の兵士である前に、一人前の兵士であれという事なんだとか、どっかで聞いた覚えがあります。
だから、パイロットである前に一人前の小銃射手でなくてはいけないというのは、別に野蛮な事では無いのだそうです。
ooi
- 戦前の日本の中学校や高等学校の場合、配属将校がいたり青年学校でも教練があり、
それなりに軍事教練が普及していたそうなので、
徴兵検査合格前に小銃を触る経験がまったく無かった人はそれほど多くないのでは?
Navy
- 旧軍の歩兵部隊では、軍隊教育順次令というのがあって、まず入營後は、どの兵種でも敬禮の仕方、行進の仕方から始って、その徒手教練が終ると、次に執銃教練に移り、歩兵銃(騎兵・輜重兵など乗馬兵種は騎兵銃)の担い方、それを使った禮式と行進、手入れ、分解組立て、彈薬の扱い、なとど進んでいって、狭窄射撃(遮蔽された場所で、模擬彈を使って近距離の射撃を練習)、実弾射撃と移っていき、同時に銃劍術も型の反復練習から防具をつけての木銃での競技、本物の銃劍を装着しての取りまわし方などにいきます。
これで第一期の基本戦技が終り、全員がいちおうの歩兵銃の(射撃術・銃劍術)の使い手になっているわけです。旧軍の銃に対するフェチシスムは極端で、たぶん他の軍隊も新兵教育にあたっては同じかと思いますが、見えないくらいの泥や曇りがあるだけで、その銃を預っている初年兵は古兵のリンチにあって、ギウの音も出ないほどの目にあわされます。そのため銃の手入れ・扱いに念を入れる事では、超一級のプロになるわけです。内務班の銃架は、必ず銃工兵やら古兵やら五月蝿いのが、日夕點呼終了後、全部の銃の引鉄を引いて周り、カチンと音がしたらニッコリ笑って「これは誰の銃だああ、877364番は誰のかっ、ここへ出てこいー」となって、こてんぱんにのされて、「三八式歩兵銃殿、自分が悪くありました」とお百度を踏むことになるわけですね。従って、兵科兵種を問わず(特務兵は除き)小銃の扱いはまさに米軍「海兵隊」なみか、それ以上です。
そこで、一期の檢閲の前になると,中隊の人事掛の特務曹長は、初年兵を観察していて、内務班長(教練の助教を兼ねる)の助言を参考に、こいつはボサーとしてるけれど射撃の成績が中隊いちだから狙撃手、こいつは射撃は下手糞だが銃劍術が巧くて気合が入っているので上等兵候補者、こいつは力が強いから機関銃手(軽)、こいつは頭が良いから衛生兵、こいつは計算が速いから擲弾筒手、こいつは戦技の役に立たないから万年炊事當番、などと決めてしまい、特業(専門)が決ってしまいます。
歩兵分隊は、軽機分隊と擲弾筒分隊があって、それぞれ射手と彈薬手がいるのですが、射手がやられると小銃手兼彈薬手が代りを勤めるので、彈薬手も軽機を撃てるし、擲弾筒の操作もできるように訓練します。第二期以降は、そういう訓練と、手榴弾の投げ方や、銃劍だけで格闘する短劍術やら、コマゴマトした戦技を教わり、一年経つと一丁前の歩兵ができあがるのですが、重機関銃や歩兵砲、速射砲になると、平時からそれ専門の中隊があって、そっちに入ってしまった初年兵は、第二期以降に歩兵としての基本戦技プラス重機関銃やら歩兵砲の砲手としての訓練を受けていくことになり、他の一般小銃中隊の兵隊の真似ができない特技を身に付けることになります。
砲手は、射手・觀測手・彈薬手など一通りの役目は他が倒れた場合に備えて誰もができるように訓練されますが、日本の歩兵砲・重機関銃の場合はこれに人一倍世話のかかる馬の扱いが加わり、兵隊さんの苦労は並大抵では無かったようです。聯隊砲になると山砲そっくりの動作で、山嶽地での分解臂力搬送などやるので、歩兵というよりも野砲兵そのものです。けれど、歩兵砲中隊や機関銃隊の内務班には、ちゃんと人数分の歩兵銃が並んでいましたから、本領は歩兵であったわけで、部隊の特性に応じて、戦況に応じて、歩兵部隊支給の兵器が加わっていき、それを特定の兵隊が扱うように訓練されていたというだけで、扱える兵器の種類数は、限界が決ってはいなかったと考えられます。
必要に応じて現地では鹵獲兵器も扱ったのではないでしょうか。
火炎瓶に始る對戰車訓練の特殊兵器などは将校が歩兵學校にいって集合教育で習ってきたものを、自隊の兵隊に教えました。
歩兵砲中隊や機関銃隊の兵隊には銃劍術も射撃術も他の小銃中隊にひけをとらない猛者がいたようで、いざとなれば中隊長は隊員をホンちゃんの歩兵として使うことも当然できたわけです。
あるめ
- 皆さんありがとうございます。
歩兵の基本的な武器は小銃でそこから色々と枝分かれして行くと言うわけですか。
そして、部隊単位で見ると歩兵は大抵の兵器を扱う事が出来るんですね。
涼月
- 本題より脱線しますが、ちょっと補足。
>14.狭窄射撃(遮蔽された場所で、模擬彈を使って〜
模擬彈使用ではなく、狭窄弾による至近距離実包射撃です。
狭窄弾とは: 至近距離訓練用弱装実包。危険性を少なくした弾で、通常弾に較べて下記の相違があります。
英語では、Subcaliber Bullet(Ammo)
・発射薬量がおおよそ1/10以下で 黒色火薬使用。
・弾頭直径は、ほぼ同じ径なるも、弾頭長&重量は共に数分の一で鉛又は、アルミ製。
・射距離は、数十m以内の使用。
参考HP、ここの中ほど。
http://www.japaneseweapons.com/gunyojyu/kyoren/
画像掲示板2に、狭窄弾の断面図をUPしました。
軌跡の発動機?誉
- ↑subcaliber ammunition といったら弾心のある徹甲弾(APFSDSとか)のことを差すのだと思っていたんですが間違いでしょうか?
Vinegar-Joe
- 16> あ、そうです。模擬彈ではなくて、練習用の実包というかんじです。
あるめ
- >17.Vinegar-Joeさんへ レス。
米空軍士官養成団少年部(AFJROTC)の少佐殿よりご指摘を受け恐縮です。
私の筆が滑りました(説明不足)。 ご指摘の通りで、subcaliberは、基の口径より、小型化の口径を表しますね。
米英では初期訓練用として、M16小銃他、軍用小銃に.22LRのコンバージョンキットを組み込んで使用する事が、
まま有るそうです。 基の銃の口径に対してsubcaliberの意味となり、訓練射撃(訓練弾)の事を
比喩的に言う場合が有る様なんですが、いかがでしょうか!!
>16.で紹介したHPのところの解説や、米国内民間では、室内訓練射撃用としとて、
ギャラリー・プラクティス(GalleryPractice)、ギャラリー・ブリット、フランジブル・ブリット(Frangible)、
BBキャップ、ワックス・ブリット(Wax)等の、言い方や弾種も有りますね。
又、訓練用の制式弾としては、下記のところが参考になります。
SRTA(Short Range Training Ammunition) や図中の frangible弾 あたりが該当します。
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/762.htm
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/m862.htm
参考として、7.62mmNATO M160 FrangibleBallの 規格値を記述します。
・Velocity : 1320+−50fps (約400m/s)
・Buiiet :190gr (約12g)
・命中精度 :半径4in以内at 100yd
・性能 : 25ydの距離で射撃しても、厚さ3/162in(約0.5mm)のA2024アルミ板を貫通しない事。
通常弾とは、かけ離れた性能(特徴と言える)ですね。
〜?誉