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いつもおせわになっております。 今回は、ショットガンについての質問をさせていただきます。 近接戦闘では有利といわれるショットガンですが、対峙距が 10m程度とおもわれる室内戦闘では散弾があまり広がらず、 SMGより有利とは言いきれないのでは?と思うのです。 以上、素人判断ですが、実際はどうなのか、よろしければ、 教えてください。 きめら |
- 室内突入戦に普通ショットガンは使わないと思います。人質はもちろん同時突入した味方に巻き添えを与える可能性が高いこと、全長が長く振り回しにくいこと、連射性に欠けることなど欠点が多いからです。皆殺し前提のテロリストならサブウェポンに使うかも知れませんが…。
あと、散弾の展開パターンは使う弾種とかチョークのセッティングでかなり調整できます。射程と精度を犠牲にして最大展開に設定すれば 4:1(4m 先で 1m)くらいには開くようです。
ささき
- すでにささきさんが書かれていますが、特殊部隊等のCQB(室内近接戦闘)ではサブマシンガンや拳銃がメインウェポンとして使用され、ショットガンは主に後方警戒等のバックアップ用として使われることが多いようです。
散弾による弾幕を張るという点では強力なショットガンですが、それを必要とするのはあくまで一般の警察官や兵隊の話で、人質と敵と見方が雑多に入り組む状況で敵だけを切り取るように排除するにはサブマシンガン(特にクローズド・ボルト形式)や拳銃の方が適しています。
ブラック・タロン
- ささきさん、ブラック・タロンさん、ありがとうございます。
なるほど確かに人質のいる状況でショットガンはありえませんよね。ともあれ、
4メートル先で1メートルまで開くとは、知りませんでした。これなら、「近接
戦闘で有利」だということになりますね。
散弾の散布範囲は、せいぜい数十メートルで数十センチ程度だと思っていたので
なぜ近くなら有利なのか疑問を持っていたのです。
おかげで、また一つ知識が増えました。今後ともよろしくお願いします。
きめら
- >4 私も実銃弄ってるわけじゃないですが 4:1 は極端すぎる設定だと思いますよ、10m 先で 2.5m に広がったら18粒のOOバック1発当たるかどうかです。ショットガンの利点は一発あたりの打撃力が大きいこと、照準精度を面でカバーできること(パターン数十センチでも過半数が入れば打撃になるわけです、逆に言えば想定戦闘距離で人体幅以上に広げてもあまり意味はありません)、発射音の大きさと破壊効果で相手に心理的圧迫を与えることにあると思います。相手が姿を見せた瞬間そっち向いてドカンとやれば効果を得られる(致命傷でなくとも反撃を止めさせる)公算が大きいのです。突発遭遇戦になりやすい塹壕突入やジャングル戦で米軍がショットガンを愛用したのもそういう理由でしょう。
ささき
- >4 4:1とか広範囲に散らすときに00バックなんて使わないでしょう。ゴムやプラスチック製の細かい非致死性弾なんかをばらまくときの話では?
銃口先端に付けるチョークでは、水平方向だけに広く散らすようなものもありますね。
石垣
- 上記の皆様方もご承知のこととは思いますが、念のため、補足説明を。
1、人質救出作戦において、建造物突入の際、ドアの蝶番(チョウツガイ)を破壊するためにショットガンを使用することは、一般的な方法です。(イラン大使館人質救出作戦=プリンセスゲート事件ではSASはドアを爆薬によって破壊しましたが、これも標準的な手段の一つではありますが、どちらかというと例外に属します。)ショットガンで蝶番の破壊を行うために専用のハットン弾という弾薬が使用されます。
また、屋上や高い階の窓から突入するために、ロープでよじ登る場合にはカギヅメのついたロープを飛ばすことが必要ですが、このためにショットガンをラインスローワーとして用いることも考えられます。人質救出作戦部隊でもショットガンを標準装備しているのは、皆さんがおっしゃるとおり、室内戦闘そのもののためというよりは、むしろその前段階で有効だから、と考えます。
2、室内戦闘=人質救出作戦とは必ずしも申せません。最近ではなぜかあまり目にしませんが、アメリカの銀行強盗事件の報道で「銃身を切り詰めた散弾銃を持った二人組が・・」というのを以前はよく見掛けました。これはカット・オフ・ショットガンのことで、狩猟に用いる(合法的な)ショットガンの銃身が50センチ以上あるのに対して、銃身を30センチかそれ以下にカットしたものです。もちろん、狩猟用としてはほとんど役に立たず、どこの国でも銃規制法違反で、所持しているだけで逮捕されますが、散弾が近接した射程でも急速にひろがるため、短くした分取りまわしやすいこともあって、狭い室内でも十分に強力・有効なのです。軍用ショットガンは、銃規制の対象外にできるので、アームゼル・ストライカーやモスバーグ500 ATP8など銃身長30センチくらいのものも珍しくありません。さらにピストルグリップにして銃床を折りたたみ式にしたり、省いたりしていますので、全長が短く、狭い室内でも操作性はそう悪くないです。
フィクションですが、O・H・ペリー級フリゲートに対する乗っ取りを描いた「ペルシャ湾の馬」という小説では、艦内の武器庫(ロッカー)にショットガンが装備されていて艦内戦闘に用いられます。味方に当たる場合を考えなければ、艦内で使うには、壁の貫通を心配しないでいいし、跳弾の威力が凄まじい(この小説にも半開きのハッチに当てて、跳弾で見えない敵を倒すシーンがあります。)ショットガンは有効と考えられているのだと思います。
りんちゅー
- みなさま多くの回答をありがとうございます。
ドアの蝶番をこわすという用途は知っていましたが、ラインスローワー
としての用途については始めて知りました。
スラッグ弾、OO弾など、様々な弾種のあるショットガンですが、用途
においてもいろいろあるものなのですね。
ショットガンは、他の銃に比べて一線を画している印象があります。チ
ョークや非殺傷弾についてなど、知らないことがまだまだ多いので、ま
たお世話になることもあると思いますが、よろしくお願いします。
きめら
- ちょっと割り込ませていただいてもよろしいでしょうか?
「小銃・拳銃・機関銃入門」によれば日本帝国海軍が南方戦線で猟友会から供出させた散弾銃をかなりの数使用したそうですが、もう少し詳しいことを御存じの方がいらっしゃれば教えて下さいませんでしょうか?
銃弾は海軍で作った鋼球入りのものを使ったそうです。
居眠り将軍