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NATO用の5.56mm弾、SS109や米軍用M855と 自衛隊の89式小銃用実包(パンツアー記事ではM89と呼称)の間では スペックに違いがあるのでしょうか。 パンツアー今月号の記事では、M89はライトロード仕様では ないかと疑っているようですが、5・56mm弾でライトロード とはいかに命中精度重視のJ隊でも考えにくいと思い質問 いたしました。 (223の反動がきついようだったら22ロングライフル使用の小銃でも つくるしかないような。) よろしくお願いします。 SAW |
- 自衛隊の5.56mm×45弾薬(89式実包)は旭精機による国産品ですが、具体的なスペックは情報不足で不明です。床井雅美氏等はSS109に相当するものと見ているようですが・・・
なお、89式小銃のライフリング・ツイストは175mm1回転だそうです。5.56mmのアサルト・ライフルにおいては、使用弾によって最適とされるライフリング・ツイストが異なり、M193用は1-12インチ(約305mm1回転)、SS109用は1−7インチ(約178mm1回転)、M193/SS109両用は1-9〜10インチ(約228mm1回転)が主流のようです。89式小銃は、ライフリング・ツイストで見ればSS109およびM855に相当する弾薬の使用を前提としているようですね。
*ライフリング・ツイスト:ライフリングの転度(1回転する長さ)。ライフリング・ピッチとも。
いくら何でも5.56mmで減装では何のための小口径高速弾なのかわからなくなりますね(苦笑)
ブラック・タロン
- その雑誌は、何年も見たことがないんですが−−−久し振りに読んでみようかな!
さて、「スペックに違いがあるのでしょうか」−−>当然ながら 実際に各々の国(軍)の規格や仕様て゛製作されます。
1.米軍 5.56mmボール M855A1 (もう A1に改良されています) の規格値は 下記の通りです。
初速: 3020+−40ft/s −−>906+−12m/s
弾頭重量: 62gr−−>4.0g
平均腔圧(標準偏差無視):max 52000psi−−>3660kg/cm2 以下
最大腔圧(標準偏差の3倍加算):max 58000psi−−>4081kg/cm2以下
ポート圧: max 15000psi−−>1056kg/cm2以下
命中精度: 半径2”以内 at 200yd
2.ちなみに 従来のM193ボールのデーター抜粋。
初速: 3250+−40ft/s −−>975+−12m/s
弾頭重量: 56gr−−>3.6g
腔圧関係&命中精度はM855A1に同規格値。
3.NATO 5.56mm SS109のデーター抜粋。
初速: 3100 ft/s−−>930m/s
弾頭重量: 62gr−−>4.0g
(M855A1とあまり変わらないですね)
4.極東某国次A隊の 5.56mm弾の仕様は、下記のところが参考に!!
http://jda-clearing.jda.go.jp/kunrei/i_fd/iz1989c1102.html
http://jda-clearing.jda.go.jp/kunrei/i_fd/iz1993c1102b.html
http://jda-clearing.jda.go.jp/kunrei/i_fd/iz1993c1103b.html
初速は922m/s、 弾頭重量が不明ですが、米軍やNATOの物とそんなに差異があるはず有りません。
腔圧(標準偏差無視)は3900kg/cm2以下
最大腔圧(標準偏差の3倍加算)なら422MPA−−>4303kg/cm2以下
ポート圧950kg/cm2以下
となっています。
ところで、2番目の物を良く見ると、質量、発射薬量の単位がまちがっていますね。 {kg}
これ、公式文書でしょ! 実際には、これを基に購入仕様書が起こされて、メーカーへ提示されるんでしょうけれど!
*結論、”規格値”においては、極東某国の5.56mm弾は決して弱装弾ではないですね。
むしろ、この通りに製作されていれば、初速、特に腔圧関係は M855A1&NATO SS109
の値より数%の強装弾と言えます。
但し、各腔圧値は、”以下”の但し書きが付きますから、要注意!!
実際の量産製造弾の検圧−精度銃身に於ける測定値を知りたいところですが、旭○機の弾は、
めったやたら性能がばらつくんで、 どれくらいを狙って作った弾だか??じゃなかろうか!
余談1.
お気づきの様に、SS109関係の弾は、従来のM193より重弾頭になつた分、数%の初速は低下していますが、
運動エネルギー値自体は、それほどの差異が出ません。しかしながら、重弾頭及びライフリングツイストの改良により、
遠射時命中精度&貫通力UPに繋がっている事は、周知でしょう。
余談2.
旧軍時代から常とする小銃用の減装弾(弱装弾)の理由は、「欧米人より体格の劣る日本人にとって撃ちやすく
且つ、命中精度を上げる為」 と一般には言われています。
が!! 私的には、この理由も存在するでしょうが、実は「銃に優しくする為」
(早い話、日本人体格に合わせた銃の軽量化による各部品強度低下の為、銃強度が常装弾に耐えられない)
が主な理由と思っています。
長文、失礼しました。
軌跡の発動機?誉
- 追伸
極東某国次A隊の5.56mm弾薬は、普通弾−弾頭の構造図から、明らかにSS109仕様のつもり。
と言えますね。
(まねっこ! FNよりのライセンスは絶対に有りえない)
〜?誉
- ご教示ありがとうございます。
ライフリングのピッチにほとんど差がなく、初速にも大差がないとしたらライトロード仕様の可能性は少ないですね。
パンツアーの記事は、「M89」やSS109(やM855)の違いにより規制子を調整する必要があるとなっていることをライトロード弾存在推測の根拠にしてます。
確かに、数年前のGUNでも「規制子を調整することでSS109、M855、89式実包および空包を使用することができる。」と記述されていました。
あるいはこの記事がパンツアーの元ネタかも知れませんが、GUN記事でも89式の初速は920m毎秒となっていました。
GUN記事のデータは筆者の独自データも含むとなっていましたが、この程度の初速を発揮しているのであれば、規制子の調整が必要であっても「微調整」程度でありライトロード弾存在の根拠にはなりがたいように思われます。
SAW
- 89式小銃のライフリングピッチ
178mm/1回転です。
弾丸重量は4g
このことから、国産5.56mm普通弾はSS109(M855)に準拠してるといえるでしょう。MINIMIにも使用しなければならないし、米軍とのインターオペラビリティーを考えるとほぼ同一仕様にならざるを得ないと思います。
89式小銃の規正子
あれは、環境等の条件によりそれぞれ選ぶだけです。
64式小銃は確かに弱装弾と常装弾と使い分けるようになっていたんですけども。
はいどーも
- PANZER誌の89式小銃に関する件の記事、最初見たときから「何トチったこと書いてんだこの記事は」と思っていたクチです(笑)
89式小銃は、弾も含めて一通り欧米の水準に並んだ銃であることがとりあえずよくわかりました(笑)。
ミニミも含めて実物を触る機会に恵まれないのが悲しい・・・
そういえば、ライフル射撃やってるわしの知り合いが言ってたんですが、SS109に1−7インチのライフリング・ツイストは本当はキツすぎなんだそうです。この分野はわしも不得手なので理由はまだ理解しきれてないんですが・・・(苦笑)
ブラック・タロン
- >6.他 ライフリングツイストの話に関して。
津野瀬光男著 ”幻の自動小銃”の巻末におもしろいデーターが載っていますよ。
SS109弾同士で、ライフリングツイスト相違による貫通力の値。(貫通可能距離)
M193 SS109 SS109
R・ツイスト 1−12in 1−7in 1−12in
・NATO板(板圧?) 400m >640m 416m
・西独ヘルメット 485m 1150m −−−−
・米ヘルメット 515m >1300m 825m
SS109弾でも、従来のM193用ツイスト1−12in(305mm)で撃ったのでは、
その威力は消化不良みたいですね。
〜?誉
- くだんの記事は私も「ズレ」を感じていたんですが、弾と規制子の調整に関しては、GUNの方にも記事が出ていたんで、お聞きしたしだいです。(笑)
ピッチに関しては、69グレインとか70グレインなんていう重223用弾頭なんかがあるんで、将来の発展性を考慮してそこまでカバーしようときつめのピッチになってるんでしょうか。
そういえば、このライフルは同じ308でも150グレインあたりを使うとライフリングが早く痛むんで168以上を使ってくれとか言われた話を聞いたことがあるなー。
SAW
- >5
4グラムだったらほぼずばりですね。
MINIMIにも規制子があるんで、これも某氏が見たらライトロード弾の「証拠」になったりして。(笑)
>NATO板
昔のGUNかなんかに規格が出ていたんですが資料がどこかに行ってしまいました。
SAW