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1301 H&KG36(HK50)について教えてください。
この銃は「ジャムが全く起きない」とまで言われているそうですが
これは本当なのでしょうか。メーカーの宣伝文句のように聞こえたもので
・・・。
青唐辛子

  1.  機構的に見ると、『G36の方が作動・排莢関係のトラブルが起きにくい』とはいえるでしょうね。

     H&K社の主力製品であるG3ライフルおよびその各種派生型(HK33、PSG-1、MP5、HK21等)は、すべてローラー・ロッキングによるディレード・ブローバックを作動機構としています。この機構は、撃発時にボルトが完全にロックされているわけではないため、薬室の腔圧が下がる前にボルトの開鎖が始まってしまいます。この時、薬室内の薬莢は高圧の燃焼ガスによって薬室内に貼り付いており、その状態でボルトが薬莢のリム(起縁)をくわえたまま後退することになります。すると、薬室内に貼り付いたまま後方に引っ張られた薬莢がリムの部分から千切れる可能性が生じるのです(G3系の薬室に発射ガスを導く溝=フルートが刻まれているのはこれの対策。フルートにガスを導いて薬莢の貼り付きを緩和する)。また、G3系は構造上ガス圧調整による作動コントロールができないので、銃の作動が弾の品質に左右され、場合によっては作動不良を起こす可能性があります。

     一方、G36はG3系とはまったく異なり、ロータリー・ボルト・ロッキングによるガス・オペレーションを作動機構としています。これの場合、薬室とボルトは6個のマイクロ・ロッキング・ラグによってロックされ、弾頭が発射されて腔圧が下がった段階で開鎖されるため、G3系のローラー・ロッキングに比べれば薬莢破断等のトラブルは少ないといえるでしょう。また、ガス・オペレーションはガス圧調整によって弾の品質に合わせた作動コントロールができる利点もあります・・・って、G36にガス圧調整機能付いてたっけ?(をい)

     G36がローラー・ロッキングをやめてガス・オペレーション&ロータリー・ボルト・ロッキングを採用したのは、上記等の理由が大きいのです。ローラー・ロッキングは小型弾薬向きと言われますが、5.56mmX45のような高腔圧の小口径高速弾にはかえって不向きなのです。
    ブラック・タロン

  2. 便乗質問ごめんなさい。
    はじめまして、皆様よろしくおねがいします。

    このHK36って、どんな格好の銃でしたっけ?
    また、その配備状況はどうなっておりますでしょうか。

    ユーゴに展開したドイツ軍がもってた新型銃、、、かな?
    馬骨

  3. はい、本家HK−USAのサイトです。
    http://www.hecklerkoch-usa.com/pages/military/wsysframeset.html
    配備状況は他の方にお願いします。m(_ _)m
    epitaph

  4. 凄っ!判り易過ぎ!ありがとうございます。興味深いHPですね。epitaph様感謝。
    馬骨

  5. 青唐辛子 さんが、本件を雑誌記事かH&Kの広告宣伝か、何により得たことばなのか解りませんが、
    人間が創造した物 或いはメカニズムで、故障や破損が「全く起きない」物は存在しないでしょう。
    結局は、どの銃と較べて? の比較論なんでしょうが!! 
    一部のマニアや、銃器評論家が、100〜200発撃ったくらいで、正確な評価は出来ないでしょう。
    少なくとも、2丁以上の同一銃で5000〜10000発の耐久、機能試験(マルファンクション)を経たうえで、
    評価が下せる物です。

    似た様な話として、M3グリースガンの米軍の教範には、「故障を起こさせる事が難しい」と書かれているそうです。
     メーカーや、組織は、長所を誇張しがちなんでしょうね!

    さて、堅い事を言うのはやめて−−−
    >1.G36にガス圧調整機能付いてたっけ?
    epitaphさん御紹介のHPや 下記のところを見ると、self-regulating gas systemと言う物が付いているみたいです。
    具体的ギミックや効能は??

    又、”発射燃焼ガスの内部進入が心配不用で、クリーニング無しで15OOO発以上の作動。”と宣伝してますね。
    (M16のリュングマンシステムへの当て付けでしょうか!!)

     http://www.heckler-koch.de/html/english/behoerden/03_rifles/03_01_index.html

    ちょっと脱線。
    >1.ブラック・タロンさんの解説。   私のちょっと前の何かのコメントに似てますね。
    現実、.223弾に対しては、ピストン付ガス・オペ&ロータリー・ボルトが一番確実な方法と考えられいる様です。
    日々、紛争や戦争(戦闘)という事に常に緊迫した状況におかれている国々(或いは当時国)の
    .223弾使用主力小銃を見れば明らかです。 米軍M16シリーズやH&K33を避けて、
    わざわざ自国開発した主力小銃は、イスラエル→ガリル、韓国→K2、台湾→68式、南アフリカ→ガリルライセンス 等
    全て戦後スタンダードなこの作動方式です。
    米軍がM16を使用し続けているのは、US.ARMY 最大の意地なんでしょうか!?

    軌跡の発動機?誉

  6. ↑はい、多分ここのどこかのスレッドで誉さんが書かれたコメントにインスパイアされてます(申し訳ございません(;^_^A)>1のわしの文章
     誉さんのコメントを見るまで、ガスオペとローラー・ロッキングについてそれなりに知ってはいても、弾の品質による作動コントロール云々についてまでは考えが及んでいなかったのです(苦笑)。まだまだ勉強が足りないようです・・・(精進)

    >2
     ドイツ軍におけるG36の詳細な配備状況は不明ですが、まず国連派遣部隊やヨーロッパ緊急展開軍参加部隊から配備されているようです。最終的にはドイツ軍全軍で使用されることになるでしょう。また、連邦国境警備隊の対テロ特殊部隊GSG9が短縮型のG36Kを採用しています。
     なお、ドイツ軍以外では、スペイン軍がG36の採用を決定したと聞きます。スペインはG3系と同じローラー・ロッキング&ディレード・ブローバックのセトメ・モデロL(口径5.56mm)を有していますが(つーか元々G3系はセトメを原型としている)、にも関わらず後からガスオペ&ロータリー・ボルトのG36を採用した(らしい)点が興味深いところです。
    ブラック・タロン

  7. 成程ッ!成長株の次世代ライフルなわけですね、皆様ありがとうございます。
    というか、便乗失礼しました。
    馬骨


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