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1295 過去ログを見ていると、捕獲されたM1カービンが日本兵に大人気であったというレスをよく見かけますが、よほど切迫した状況でなければ「鉄砲は天皇陛下からの預かり物」の精神で捨てることは出来なかったはずです。人気だったと言うことは止むに止まれず使ったと言うわけではないので武器のない新兵等にあげたと言うことはなさそうですが。M1カービンをせしめた兵士の38式、99式小銃はどこに行ったのでしょうか? 
また、ガーランドやトンプソン等の日本兵から見た評価が有りましたらを教えてください。
紅葉饅頭

  1.  回答になるかどうかわかりませんが、日本軍とはいえ、鹵獲した他国の小火器が自国のものより優秀なら、状況によっては現地部隊の判断で使用することはあったようです。

     フィリピンに逆上陸した米軍の報告によれば、現地の日本兵の多くが、緒戦で鹵獲したスプリングフィールド・ライフルで武装していたそうです。戦争末期&海上封鎖等で弾や新規の銃の補給が間に合わなくなったからでしょうか。いくら国産品があっても弾がなければ使い物にはなりません(笑)。

     あと、中国戦線では、中国軍が使用していた旧チェコスロバキアのVz26系軽機関銃が日本軍に大人気だったと聞きます。当時の日本軍の11年式軽機関銃は複雑怪奇な構造のため信頼性が低く、また弱装6.5mm弾のため威力も低かったので、7.92mm弾を使用し無故障とまで言われるほど信頼性の高いVz26系は最高の鹵獲兵器だったようです。事実、後に開発される96式&99式軽機関銃はVz26系を参考にしています。

     なお、M1ライフル(ガーランド)の日本軍内での評価はわかりませんが、海軍は戦争末期にM1ライフルのコピー銃(4式or5式小銃)を作らせています。
    ブラック・タロン

  2. 1.御質問の様な状況は、例えば、フイリピン戦で鹵獲した米軍自動小火器を使用した話や記述を、
      運良く生き残った方達から、たまに見聞きしますね。
     「こんな凄い物が、一兵卒に迄行き渡っている技術開発力と生産力の国に、戦争仕掛けて敵うはずない」と思ったとか!
      しかしながら、この場合の使用は自軍の武器弾薬補給が滞ったり、敗走中の止むに止まれずの感が有るでしょう。
      戦勝、士気旺盛、且つ、統制された部隊(軍隊)なら、表立って敵軍の武器など使用しません。

     「操作、分解調整も解らず、弾薬補給の当ても無い銃を使用するより、慣れ親しんだ我が銃で我が身を守るに決まっとる。」
      これは、十数年前に亡くなりましたが、徴兵経験の有る私の祖父の言葉です。
      されど、中国戦線で鹵獲チェコ機銃を感心しつつ使用したのも、事実ですね!

    2.さて、当時(日米戦前)の帝国陸軍造兵関係者(銃の大家、銅金少将 他)は、歩兵用自動小火器 或いは、
      米軍自動小火器を 下記の様に考えていた様です。

     ・本来、小銃射撃は、1発必中主義にて、即、次弾射撃が可能なる考えは、射撃集中力に弊害なり。
      又、自動化するにあたって重量大となり携帯兵器の実用性を落とす。(軽量化が中々難しかったのです)
     ・自動機構は、射撃時の銃身震動に悪影響を与え、或いは 作動衝撃による銃ぶれを生じ、命中精度の低下を来たす。
     ・部隊(軍)全体で、弾薬の消費量が膨大な量になる。

    しかしながら、長所として、
     ・手動式小銃に較べて、速射性に於いて、おおよそ2.5倍の火力となり得る。 急射や援護射において効果絶大。
     ・手動式小銃は、いちいち装填・排莢動作をするので、その際、射手は目標との照準を離してしまう。
      その点、自動式小銃は、ほぼそのまま照準したままなので、好機を逃さず即座に射撃が可能。
     ・自動機構によるエネルギー消費により、手動式小銃より射撃反動の低減が期待出来、射撃し易い物となる。

     以上の評価から、「その利便性より、軽量化努力の上、遠からず各国の小銃は、自動式に移行するのは間違いない物。」
     と結論図けています。
     
     具体的に、米軍自動小火器の評価は−−−
     1.トンプソン・サブマシンガン−−−
       大口径拳銃弾使用なるも、有効射程短し。
       (45ACP弾による対人殺傷力は有るも、この弾の低初速による弾道性が悪く近距離専用 の意)

     2.M1カーランド小銃−−−
       自動式なるも、かなりの命中精度を達成せり。(ボルトアクションライフル並の命中精度の意)
       操作が容易 且つ、射撃反動小の為婦女子でも射撃可能(それは大げさと思いますが!)
       装弾匡(そうだんきょう)(英語ではEnBlocClip)による8発一動作による装填方法のおかげで、
       同じく米国 M1903小銃の2.5倍の速射性。
       上級射手なら80発/分、一般射手でも40発/分の射撃を可能としている。
       しかしながら、途中補弾が困難、全弾射撃後この装弾匡が自動排出するのは、長・短所 両方なり。

    3.M1カーランド小銃の国産化の件。 四式−−−
      7.7mm 10連発として国産化するも、作動安定せず1発毎の槓桿操作で、
     「これでは手動式小銃と同じと」言われる様な結果になったのは、ガーランドのガス作動機構フルコピーのままでは、
      弱装の99式小銃弾ではエネルギー不足だったからからです。
      M1カーランド小銃は構造設計に奥深いところが有り、その当時の日本の銃技術では、実現出来なかったのです。

    又も、長文失礼しました。

    軌跡の発動機?誉

  3. ご返答ありがとうございます。
    >「こんな凄い物が、一兵卒に迄行き渡っている技術開発力と生産力の国に、 >戦争仕掛けて敵うはずない」
    >おおよそ2.5倍の火力となり得る。
    当時の日本兵の方々はさぞかし恐ろしかったでしょうね。SMGにBAR、それだけでも痛いのに、残り全員半自動火器。全体的に見たら分隊火力は(擲
    弾筒を持っていたとしても)2.5で割ってもお釣りが来そうそうですね(泣)

    >小銃射撃は、1発必中主義にて、即、次弾射撃が可能なる考えは、射撃集中力 >に弊害なり。
    ハンターの教訓でこんなの聞いたこと有りますが、狙撃兵ならまだしも一般兵士にそれやらせるなっての!!(笑)WW1で塹壕突入時の瞬間制圧力の力を学ばなかった日本陸軍が逆に歩兵用法が退化したような・・・日本も西南の役やらで消耗戦の力を知っていたでしょうに(出来ないのが実状でもあったわけですが(汗))

    >急射や援護射において効果絶大。
    >部隊(軍)全体で、弾薬の消費量が膨大な量になる。 
    二つの特徴の模索の中で方や弾を惜しまず威力(面制圧力)を取った米軍。片や弾薬切れの恐怖に泣き(それ以外のファクターも多分に有りますし世界的にはまだまだボルトアクション主流ではありますが)狙撃を強いた(ちょっと語弊がありますね)日本軍。銃に対する用兵思想の違いがこの戦争を物語っている、と思うのは短絡的でしょうか?

    >「その利便性より、軽量化努力の上、遠からず各国の小銃は、自動式に移行 >するのは間違いない物。」
    最近実は日本軍という組織はそれなりに兵器に対して冷静な目を持ってるんじゃないかと思えるようになってきたんですが、正味〜出来なかった〜のと審査かかった時点でおかしな方へコースを変えちゃってるんじゃないかって思います。

    >M1ガーランド小銃−−−の項
    重い、でかい、駄目!!
    で、終わるかと思っていましたが(笑)意外や意外、評価が抜群に良いですね。
    一応上野の中田商店で無可動実銃らしき物を振り回したりしたことがあるのですが、台太くて持ちにくいわ(ちなみに私178センチで手も相応にでかいです)、重いわで(しかも機関部から相当部品を抜いたであろう事を考えると絶対当時の日本兵(もしくは日本の兵器研究機関)からは好まれなかっただろうと思っていました。これはかなり意外でした。

    最後ゴミ:>戦勝、士気旺盛、且つ、統制された部隊(軍隊)なら、表立って敵軍の武器など使用しません。
    捕獲兵器をうまく活用した独逸、敵の銃の弾を自国で生産、、、意地張るなよ・・・。武器無いんですって正直に言いなさい。どうせならフィンランドみたいに恥とか外聞とか捨てなきゃ。SMGなんかも実はMP38系持ってる下士官ってものすごく少なかったんでは?5割台とかっって言っても信じられそうだし、後EMPとPPSh残り雑多でがんばりましたって言われてもしんじれます。

    長くなりました、失礼しました。

    紅葉饅頭

  4. 私は三八式とM1カービン(の発展型のM2カービン)を撃ち比べたことがあります。
    自動小銃であることによる速射性もさることながら、照準器の違いもかなり大きいですね。三八式は照星もVノッチの照門も小さく、精密な代わりにすばやくねらいを付けるのには向きません。M1カービンは穴の大きなピープサイトに太いポスト型の照星で、とっさに構えておおざっぱにねらいを付けるのに適しています。
    これは銃の性格に見合った照準器が付いている、と言えばそれまでですけど、素人の私が補給や分解整備やさらに速射性さえも考えずにどっちがいいかと言われたら、やはりM1カービンを選びます。
    第二次大戦のような国家総力戦では、緒戦はともかく次第に動員兵が増えてきて兵士の(あるいは訓練の)質は徐々に落ちてくるわけで、そうなると下手な鉄砲を数撃って当てる銃の方が好ましいんじゃないでしょうか。
    精密射撃にはそれなりの訓練が必要ですし、市街戦やジャングル戦などでは長距離の狙撃を行う機会よりも不意の遭遇戦の方が多そうですから、おおざっぱな照準器でも充分なはずですし。
    石垣

  5. >4.にレス。
    WWII時代の米軍小銃が好んだ、マイクロアジャスト・リアサイトは、精密コスト高であり、スクリュウ機構ですので、
    砂塵等に弱いのです。
    その点タンジェントサイトは、単純低コスト、砂塵等にも強い物です。(手で払えばOK)
    且つ、谷照門(Vノッチ)は視界が広く照準が容易です。
    たまに、タンジェント式ででピープ照門の物も在るからややっこしいぞ!!

    小銃のリアサイトに関しては、過去のAnsQ.1031も参考に。

    〜?誉


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