1264 |
またしても質問です。 第二次大戦中、武器製造の間易化のためプレス加工が多用されましたが、日本の歩兵小火器には、プレス加工があまり見られないのですが。どうしてですか? Vinegar-Joe |
- 見られないというか、わしの知る限りではほとんどないはずです>旧日本軍の小火器におけるプレス加工
同盟国であるドイツ等からプレス加工に関する技術情報は入っていたでしょうが、それを欧米並みに導入できるだけの工業基盤もなければ、導入しようという意欲も低かったと思えるのです。
戦前日本の小火器生産は、精密工業の基盤がない上、工作機械への投資もままならず、鉄砲鍛冶の生き残り的な熟練工を集めて目視・手作業で最終調整を行うような手工業的公差水準で始まったと聞きます。99式小銃や99式軽機関銃になると、ドイツ軍のものに準じた精密公差規格を導入して改善が図られたそうですが・・・
ブラック・タロン
- 日本の小火器は精密機械工作が必要(旋盤で切った)な部品が多い気(と言うかほとんど)がするんですよね。総工業力の低い日本こそプレス加工に力を入れるべきだったのでは。
Vinegar-Joe
- >1&2に補足−−−
プレス加工に拘っていますが、工業品として精密プレス品を量産する為には、その材料技術、
すなわち薄肉均一 且つ平滑な素材(板材)の量産製造技術を持っている事が、大前提です。
(金型用材料及び熱処理技術も!)
当時の日本の工業力はその点でも、力不足でした。その辺の事が、こちらのHPにも、ちらっと述べられています。
http://www.kiyohara-eng.co.jp/rekisi/rekisi03.html
今も昔も、削り出し加工のみ得意な国、溶接のみ得意な国、鋳造のみ得意な国、プレスのみ得意な国、
材料製造のみ得意な国 等々の国は存在しません。プレスの様な軽工業でも、その国家に総合的工業技術力が必要であり、
残念ながら日本は、欧米から見たら小学生程度だったのでしょう。
WWII以前より、一部の特権階級だけでなく、一般大衆を対象に自動車を大量生産していた欧米(特に米国)には、敵いません。
軌跡の発動機?誉
- このあたりもっと詳しい方がおられると思いますが、
プレス機械の初期投資が、貧乏国では苦しかったり、
広い裾野のない技術では国産が困難だったりしたの
では。
そう言えば、ノギスなしで正確に旋盤を使って銃身を
削れる鉄砲の修理屋さんがいたな。
海自ではアスロックを撃つときにガスケットよりも
安いとかいって汚れた甲板を隊員にペンキ塗り
させていたとか。(つまりペンキや隊員の人件費
の方が機器よりやすい)
「職人の方が安い」という発想はなかったのかな。
SAW
- 話がズレますが、AR-18は簡単な旋盤とプレス機械さえあれば生産できるよう設計されているとか。工業化が遅れている第三世界向けの援助兵器としての性格も持っていたので・・・
ブラック・タロン
- 毎度御無沙汰です。有難うございます。
Vinegar-Joe