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1240 戦術核と戦略核との違いはわかるのですがでは戦域核兵器と戦術核兵器
との違いはなんなのでしょうか。
戦術核には60キロトン以上の破壊力を持つものもあるので戦域核との区別
というか違いがいまひとつわかりません。
幻雲

  1. 核兵器の「戦術」「戦域」「戦略」の区別はミサイル等の運搬手段に基づく分類であり、核弾頭の威力の程度によるものではありません。戦略兵器削減交渉(START)の対象となるような長距離運搬手段(ICBM、SLBM、戦略爆撃機)によるものが、一般的に戦略核と言われているわけであり、それ以外の核運搬手段は基本的に戦術核に区分されますが、そのうちロシアから西欧を狙える位の機能を持つ核運搬手段について戦域核というカテゴリーを設けたりするわけです。
    要するに、STARTや欧州戦域核削減交渉といったような、外交交渉ないし条約上、その対象となるものを定義して「戦略核」「戦域核」と便宜的に言っているわけです。だから核ミサイルの精度がより向上し、現在よりも小さな威力で敵の戦略目標に対し十分な効果を発揮できるようになれば、100KT程度の核弾頭搭載した戦略核ミサイルが登場するでしょう(アメリカの最新型ICBMのMaRV弾頭がこの程度だったような・・?)。
    「戦域核」という用語が使われるようになったのは、70年代後半〜80年代にかけて、ソ連が中距離ミサイルSS20を配備し、その対抗策として西側(NATO)がパーシングIIを配備しようとした頃、欧州における限定核戦争が議論された頃です。当時、ソ連のバックファイア(Tu‐22M)がソ連国内からアメリカ本土で爆撃を行いキューバに着陸するという方式で運用されれば、戦略核兵器に当たるのではないかという議論もありました。結局、航続距離がB52やB1ほど長くないから、戦略核の対象には入らない、しかしSS20等と同様、戦域核のジャンルとして扱おうということになったわけで。
    アリエフ


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