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大戦中作り独ソ両将兵(どちらかというと独逸兵?)に好まれたPPSh41ですが、ドラムマガジンが装備されたのは何故でしょうか?この銃の第一義は生産性と思われ作りが粗く、かころぐ334に示されるようにドラムマガジンの複雑な構造、高い単価、それに東部戦線の泥雪とすべてがこの銃の仇となりかねない物です。単純な棒状マガジンにしなかったのは何故でしょうか。 紅葉饅頭 |
ドラム・マガジンが採用された理由は、やはり装弾数の多さ(71発)が大きいのではないでしょうか。
すでにご存じかと思いますが、PPSh41本体は、ストレート・ブローバック作動とプレス加工による単純明快で生産性の高い設計(口径7.62mmなので、モシン・ナガン小銃の銃身を二つに切って流用できる利点もあった)を持ち、寒冷地や泥地でも問題なく作動する信頼性と頑丈さを持っていました。下に突き出したドラム・マガジンの操作性の悪さが欠点とされますが、後期には35発バナナ・マガジンも使用されました。
侵攻してきたドイツ軍を迎え撃つ旧ソ連軍にとって、楽に作れて使いやすいPPSh41は、即席兵士を大量動員するのに好都合な火器でした。
ちなみに、東部戦線でPPSh41を鹵獲したドイツ軍は、MP717(r)の名称でそのまま使用しました。30発装填のMP38/40が主力のドイツ軍兵士にとって、71発というPPSh71の装弾数は大きな魅力があったようです。ただし、口径9mmに改造されてMP38/40のマガジンを使えるようにしたものもありました。
ブラック・タロン
ブラック・タロンさん、多弾倉の理由は?
さて、PPSシリーズと他の同時代サブマシンガンとの大きな相違は何なのか考えて見ましたか?
発射速度が異常に大きいんです。
PPSh34/38,41−−900rpm
THOMPSON−−−600〜700rpm
MP−40,STEN−−−500〜600rpm
M3−−−450rpm
PPShは、毎秒15発も消費するんだから、30発入りぐらいのBOXマガジンじゃ、持たないよ!
どうして、そんなに発射レートが早いのか? PPShが大きく影響を受けたサブマシンガンは何だったでしょう?
フィンランドのスオミ1931 です。 そしてこちらも、発射レート900rpmで、ドラムマガジンも
BOXタイプと併用しています。 高発射レートの理由は、運用思想の差としか考えられませんが、
PPSh,スオミ、比較的高レートのTHOMPSONも、銃重量が5〜6kgとサブマシンガンとしてはやや重く
且つ、衝撃バッファを内蔵しているので手持ちでも、高レート射撃が可能となっています。
その他PPSh41の特徴
・御存知の様に、比較的単純構造&プレス加工を多用し、低コスト量産向け。
・レシーバー後部のキャッチボタンで簡単にテイクダウン分解(銃前半が下に折れる)が出来る。
・元々の高速弾(トカレフ7.62mmX25 Type P)とやや長めの銃身長(約270mm)のおかげで、
初速490m/sも出ています。 (Type P弾−−恐らく増装弾です。)
世間一般では、WWII時代の傑作サブマシンガンと言えば、まず独軍MP−38/40を上げますが、
PPShシリーズも相当に考えられている物(秀逸)なのです。
軌跡の発動機?誉
>1.ブラック・タロンさん−−−−後期には35発バナナ・マガジンも使用されました。
それは、PPS43の事でしょうか? PPS43は、発射レート650rpmに落としています。
*高レート射撃が可能の理由に、マズルブレーキが付属されている事も追加します。
〜?誉
3.>PPSh41用の35連バナナマガジン、ありますよ。確かに大戦後期の記録写真に比較的多く写っているのですが、実際の採用が41年以降だったのかどうかは未確認です。大戦後、共産圏の衛星諸国でコピー生産されたPPShの中には、バナナマガジンのみ用意された製品(ハンガリー?失念)もあった筈... 尚、PPSh41用バナナマガジンは、マガジンキャッチ用のノッチの位置から見て恐らくPPS43(含PPS42)との互換性はありません。
みなと
自国でコピーしたPPSh41に35発バナナ・マガジンのみ支給した国として中国があります。中国はPPSh41を50式の名称でライセンス生産しましたが、生産性を優先してか35発バナナ・マガジンのみを供給しました。この中国製バナナ・マガジンは、旧ソ連のPPSh41用バナナ・マガジンより簡略化された作りになっています(互換性の有無は不明)。
ブラック・タロン
・PPSh34/38−−>PPDの件。 はい、単純に省略したんです。 両方書いたら長くなっちゃうんで!
・PPSh41用 35rdバナナも ちゃんと存在してますね。
・ハンガリーのやつは、Model 48と言うやつ(完全コピー品)。
これはちゃんと71rdドラムマガジン存在してます。
・中共は、確かに35rdBOXが主流だった様です。
連発より、その高初速を利用したセミオート・カービン的な使い方だったんだろうか?
・ドラムマガジンの細部写真(内部構造バッチリ)
http://www.a-human-right.com/ppsh.html
・7.62mmX25 Type−P 弾のヒント。 増装弾というより、軽量化増速弾って言う感じ!!
http://www.rt66.com/~korteng/SmallArms/ppsh41.html
〜?誉
紅葉饅頭
トンプソン・サブマシンガンがドラム・マガジンを廃したのはM1からですが、これは生産性の向上が大きな理由と思われます(M1は旧M1928系を徹底的に簡略化して生産性の向上を図ったモデル)。
ちなみに、トンプソンの各モデルの発射速度は、試作型M1919が1,000発/分でしたが、最初の量産型であるM1921では800発/分に落とされ、近代化型のM1928(M1928A1)ではさらに約600〜700発/分に落とされました。簡略型のM1およびM1A1は約700発/分で、M1928とほとんど変わりません。後のM3/M3A1(グリースガン)の350〜450発/分に比べると高い発射速度ですが、銃本体が5kg近い重さなので射撃コントロールは容易だったと思われます。
ブラック・タロン