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再びすみません。 映画「人狼」で、主人公が、強化服を着て、機関銃を撃っていたんですが、 あの銃は、何ですか? M60ですかね。 冬季 |
epitaph
MG42は、1942年からドイツ軍が使用した汎用機関銃です(口径7.92mmX57)。汎用機関銃の成功作MG34の改良型で、プレス加工を大幅に取り入れて生産性を向上させています。MG34と共に、戦後の世界の汎用機関銃に大きな影響を与えた傑作機関銃です。ちなみに、『人狼』の原作マンガ(藤原カムイ著)ではMG34が使われていたと思います。
MG42の作動機構はショート・リコイルで、G3ライフルとよく似たローラー・ロッキング機構を備えていますが、ディレード・ブローバックではなくショート・リコイルでボルトを開鎖するフル・ロックです。1200発/分という高い発射速度が特徴で、米軍兵士からは『ヒトラーの電気ノコギリ』と呼ばれたそうです。射撃時には、銃口部のリコイル・ブースター(ショート・リコイルを高めるための機構)から花のような独特の発射炎が閃きます。
戦後、MG42はラインメタル社によってNATO規格の7.62mmX51口径に改造されてMG42/59となり、再建西ドイツ軍によってMG1のテスト名を与えられました。また、旧ドイツ軍が使用したMG42を7.62mmX51に改造したモデルはMG2と呼ばれました。MG1は数次の改良を経て、米軍規格のM13ベルト・リンクとドイツ軍のDM1ベルト・リンクを共用できるMG3となり、現在もドイツやスウェーデン、スペイン等で制式機関銃として使用されています。
ブラック・タロン
片
最終便の乗客
M60がMG42のコピーとも取られかねないけど、両者の作動機構など全く違うわけですし。
便利少尉
FG42は、ドイツ軍が1942年に空挺部隊向けに開発したオートマチック・ライフル(口径7.92mmX57)で、軽機関銃に近い性格を持つ銃です。一般軍用ライフル(Kar98k)並みのサイズと重量で7.92mmX57弾をセレクティブ・ファイアで撃つという当時としては無茶なコンセプトでしたが、ニッケル等の特殊金属等を使うことで耐久性と軽量化を確保しました。しかし、貴重な金属を使うため単価が高くなってしまい、1944年以降の後期量産型からは素材をスチールに変更し、若干大型化させています。FG42のボルト機構(ロータリー・ボルト)は、戦後のアメリカのM60の設計に大きな影響を与えています。
ちなみに、米軍は戦時中、捕獲したMG42を.30-06口径に改造する試験を行ったことがあります。
ブラック・タロン
それでは、冬季さんの質問の内容からはそれますが、こちらでわかる程度のことでおおまかなM60の説明をしてみます。
M60は、1957年に米陸軍と米海兵隊の制式機関銃となりました。
作動機構はガス圧作動式で、シリンダーは銃身の下についていて、銃身下面にあるガス導入孔から、シリンダーにガスを導き、その火薬ガス圧でピストンを後退させる。そして、遊底がピストンと連動する。このガス圧作動式機構は、 火薬ガスの圧力を直線的に利用する通常型とは異なり、ガス圧の緩衝効果を利用したものです。
だいたいこんな感じです。
あと、ブラック・タロンさんもおっしゃってましたが、 M60の給弾機構(リンクベルト方式)は、MG42のそれを改良したものを、また、回転閉鎖方式の遊底機構は、ドイツのFG42の遊底機構を、それぞれ使っています。最後に、M60の重量などを書き記しておきます。
M60マシンガン
口径 7・62mm(30口径)
全長 1105mm
銃身長 560mm
重量 19・35kg(三脚含む)
装弾数 100発(金属リンク給弾)
発射速度 550発/分
それでは失礼させていただきます。
最終便の乗客
現場の兵隊は給弾ベルトをああやって襷掛けするもんなんですか?
イー!
ささき