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1017 南武14年式拳銃は、そのデザインなどは同時代の拳銃として最高(特にトリガーガードのふくらんでいない初期型)と個人的に思うのですが、あまり評価は高くないようです。一体銃本体に問題があったのでしょうか?それとも銃自体の機能でなく実包が問題だったのでしょうか?
ロボット3等兵

  1. 可もなく不可もなし、ってとこじゃないでしょうか。
    ごく末期の製品を除いて信頼性・安全性は必要十分ですし、装弾数も多くはありませんが少なすぎもしないでしょう。
    命中精度も悪くはないそうですし。
    8ミリ南部の威力が少々劣るのは事実ですが、それゆえに銃の重さに対して反動が小さく、命中精度がよいという点にもつながりますので、一概に悪いとも決めつけられません。
    初期モデルは弾倉が抜け落ちてしまうことがあるとか、用心鉄が小さくて防寒手套をしていると撃てないとか、セフティの位置が前過ぎ&180度旋回を要するため、とっさの場合であっても両手操作が必要だとかいう細かい欠点はありますが、セフティ位置以外は途中で改良が加えられていますし、一流とはいえないまでも水準には達した軍用拳銃だと思います。
    まなかじ

  2. いててっ!すみません。やってしまいました。まなかじさん「南部」でした。
    そうですか。確かにあのセーフティは、ちょっとですよね。でもそれほど悪くは
    なかったということでほっとしました。ありがとうございます。
    ロボット3等兵

  3.  南部式自動拳銃&14年式拳銃(『南部14年式』という呼び方は正式ではない)は、銃器後進国であった日本が初めて独自に開発したセミ・オートマチック・ピストルとして充分評価されるべき拳銃であることは間違いないでしょう。

     ただ、軍用拳銃として見た場合、問題がないわけではありません。南部式&14年式には、全弾撃ちきった後、ボルトを開放した状態で保持するボルト・ストップ機構がありません(射撃後ボルトはマガジンの口に当たって開放状態となるが、マガジンを抜くと閉じてしまう)。マガジンを交換するたびにいちいちボルトを引いて初弾を送り込むのは、実戦では状況によっては命取りとなる可能性があります。
     あと、工廠が違うと部品の互換性がない(摺り合わせをしないと部品の共用がきかない)という問題もあったようです(同じ不具合は38式歩兵銃にもあった)。

     14年式拳銃の後期モデルでは、グリップにマガジン脱落防止用のバネを入れましたが、このためにマガジンが少々抜きにくくなったという弊害もあるようです。

     8mm南部弾は.32ACP(余談:当時の日本軍将校の多くは口径.32ACPのオートを自費で購入・携帯しており、戦時中には東京造兵廠で.32ACP弾が作られ供給されていたほど)より多少威力が高い程度の弾で、当時の主要国の拳銃用弾薬に比べて低威力だったのは否めません。日本でサブマシンガンが大成しなかったのは8mm南部弾が低威力だったのが要因の一つとする研究家もいるようです。
    ブラック・タロン

  4. >質問者. そのデザインなどは同時代の拳銃として最高〜
      ”デザイン”とは、外観的な事を指すのでしょうか? 構造設計での意味でしょうか?
    以下、構造の方向で話します。

    1.良い点  
     ・撃発機構が、ストライカータイプなのでロックタイムが短く、且つ、トリガープルが軽い。
     ・銃のバランス(重心位置)が仲々良くできています。左右のシンメトリー(構造面で左右対称)もGOOD。
     ・昭和9年より、マガジンセフティが追加になり良い。 
     ・安全装置が側面に有り、必然的に両手操作になる。 よって不用意に”発火側”になり難い。
      現、次A隊もその思想を引きづっております。 この件、理解出来ない人がほとんどでしょう!!

    2.良くない点(短所とまでは言いません)
     ・やや弱装弾。
     ・そのくせ、ショートストローク・ディレードブローバック構造のせいか、日本人の体型には、大型で重い。 
     ・ストライカータイプなので不発時、 再打撃できない。
     ・マガジン脱落などは、詰めの甘さですね。
     ・ボルトストップが無いのは、−−あえて付けなかった感じがします。(推測)

    まとめ。
    >質問者. あまり評価は高くないようです。
     そんな悪い評価も聞きませんが!!  まなかじ氏の述べている通り、可もなく不可もなしでしょう。
    大正14年(1925年)採用ですので、後のワルサーP−38や、ブローニングHPと比較するのが、
    ちょっと酷ですが−−− 1.2.両特徴のおかげで、命中精度が良いというか、撃ちやすい拳銃と言えるでしょう。

    軌跡の発動機?誉

  5.  南部式&14年式拳銃ってディレード・ブローバックじゃなかったと思うんですが・・・(;^_^A
     系統的にはモーゼル・ミリタリー(C96)や後のワルサーP38系と同じプロップ・アップ(ロッキング・ブロック)によるショート・リコイルですね。

     南部式自動拳銃の小型版である南部式小型自動拳銃は、南部式のメカニズムをそっくりそのまま踏襲し小型化した代物で、弾も独自の7mm南部弾だったため、民間用としてはあまり売れなかったとか・・・恩賜拳銃としてお馴染みなのは今更言うまでもないですな。

    > ・安全装置が側面に有り、必然的に両手操作になる。 よって不用意に”発火側”になり難い。
    > 現、次A隊もその思想を引きづっております。 この件、理解出来ない人がほとんどでしょう!!

     栄えある自衛隊の国産ライフルのことでしょうか?(笑)
     まぁ制式拳銃(P220)にも似たようなことが言えるかもしれない・・・

    >14年式拳銃の評価
     まぁ軍用拳銃としては多少いただけない部分もありますが、自殺用と揶揄される後の94式拳銃よりは遙かにマシな評価をもらってると思います(;^_^A(苦笑)
     思えば、14年式と94式は、同じ南部麒次郎設計でありながらまったく対照的な銃だ・・・(想定用途が違うんだから当たり前か)

     さて、デザインを『外観』として捉えた場合、14年式拳銃はイケてると言えるかどうか? スタイル的に似ているルガーP08やVKT L35(ラチ)と比較してどれがいいか? こりゃ個人の好みの問題だな・・・(爆)
    ブラック・タロン

  6. 素人の質問に丁寧に答えていただき有り難うございます。
    機構的な部分をよく調べずに、外見的なところでみなさんが
    どう思っておられるか気になって質問してしまいましたが
    機構的な部分で非常に勉強になりました。こちらのサイトの
    レヴェルの高さを改めて実感しました。
    ロボット3等兵

  7. アメリカのガンショウで実物を触ったことがありますが、14年式は写真で見る印象より大きな拳銃です。独特のグリップは握った掌から下に2センチ程突き出すくらいに長く、戦車兵・航空兵が携帯するには不便な点も多かったのではないかと思います。
    ささき

  8. >5.プロップ・アップ(ロッキング・ブロック)によるショート・リコイル。

    細別に記せば、その通りです。私は、大別として、ストレートブローバックの対義語、ディレート゛ブローバックとしました。
    Delayed+Blowback 遅らせる,延期させる+吹き戻し=遅動吹き戻式 と言いますが、
    ローラーロッキングの様な銃身固定方式だけに定義したことばではなく、何らかのギミックで、
    開放を遅らせる方式全般を言います。 プロップ・アップ(ロッキング・ブロック)による
    ショート・リコイルブローバックもその内の1つのタイプ(細別)です。
    私、ショートストロークという言葉を付けといたでしょ!! 

    >.安全装置が側面〜現、次A隊もその思想を引きづっております。

    ぶっちゃけた話、
     1.普段使用しずらくても 暴発して、けが、死亡事故が出るより、まだそっちの方が良いんです。
     2.名句「機械だからどうしても故障するなら、暴発する方向でなく、弾が出ない方向の故障にしろ!絶対、弾出すな!」
     とある 装備局長。

    〜?誉


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