966 |
1940年ごろのサイレンサーにはどんな種類があったのでしょうか? ちなみに私は拳銃に関してはド素人なので、質問が散らかっているかも しれません。特に気になるのはドイツとソ連のものです。 ジャック・ヒギンズが小説の中で「タマネギ型をしたモーゼルの消音機」と 書いていたのがアタマ離れないんです。ついでに、フィンランドのラチ拳銃に サイレンサー装着可能かどうかも、ご教授いただければ幸いです。 960でご紹介いただいたサイトは全て見ました。ナガンの消音機を見て ビックリした素人ですが、よろしくお願いいたします。 まるき |
ドイツの秘密警察ゲシュタポは、様々な種類のサイレンサー付き拳銃を使っていたそうです。
1939年にチェコスロバキアがドイツに併合された後、同国最大の兵器メーカーだったセスカ・ゾブロジョブカ・ブルーノの工場がドイツ軍の管理下に置かれ、ここで各種サイレンサーがテストされたとのことです(当時のドイツ国内の兵器工場は正規軍向けの兵器生産に忙殺されており、ゲシュタポ等が使う特殊兵器までは手が回らなかった)。
ゲシュタポが多く装備したとされるサイレンサー・ピストルとして、チェコ製のVz27という中型オートの銃身を伸ばして着脱式のサイレンサーを装着したものがあります。
第2次大戦に入ってからは、9mmX19弾を使うルガーP08やワルサーP38に装着するサイレンサーがいくつか開発・支給されました。P08のトグル・ロックはボルト開鎖までのタイム・ラグが長いため、サイレンサーを設計しやすかったそうです。
これらのサイレンサーは、単純に内部を隔壁で仕切ってガス拡散室としたもの、内部にメッシュ状の拡散材を入れたものなど、いくつか種類があるようです。一方、サイレンサーを装着するP08やP38は、銃口部分からフロント・サイトを廃して外周にネジを切ったり、銃身を短くしてネジを切るなどの改造が加えられています。
ただ、9mmX19は初速が高いため、通常弾では減音効果が低くなります。このため、弾頭を重くして初速を落としたサイレンサー専用弾(サブソニック弾)が作られました。この弾は、弾頭を緑色に塗って区別しています。
また、戦争末期には、サイレンサーを使わずに拳銃やサブマシンガンを減音して使えるよう、弾丸内部に推進薬を詰めたロケット弾薬が試作されました。この弾は、戦後アメリカで開発された珍銃ジャイロ・ジェットのヒントになったのではないかともされる代物です。
ラチ・ピストルですが、サイレンサーの装着が可能なモデルがあったという資料は自分の手元にはありません。なので、サイレンサーが付けられるモデルがあったかどうかは不明です(;^_^A
ブラック・タロン
ところで、サイレンサーとはどのくらい音が消えたんでしょうか?
本当に映画みたいに音が消えると、確かに恐ろしいですが、これも
よかったらお教えください。
まるき
ただ、指向性が大幅に減少されるので、どこから撃ったかわからないようにはなるそうです。
如水
まぁ、実際に聴いてどうかは、周囲の環境(開闢地か遮蔽地か)等によって変わってくると思いますが。
サイレンサーは、筒の中を隔壁で何重にも仕切ってガス拡散室とし、銃口から噴出した発射ガスを拡散させるマキシム構造が一般的です。が、これだけでは充分でないため、サブマシンガンやライフルでは、銃身全体をサイレンサーで覆った上、銃身にも多数のガス抜き穴を開けたものが一般化しています。発射ガスの拡散と初速低下の両方を狙ったものです。
あと、使用する弾もサイレンサーの効果を左右します。いくら発射音を削っても、弾が飛ぶ音がしては意味がありません。初速が音速を超える弾はこの点で不利です(だからサブソニック弾が作られる)。
元々発射音の小さい.22LR弾を使うサイレンサー銃器には成功作が多く(ハイスタンダードH-D、スターム・ルガー10/22等)、使用環境によってはボルトの作動音が聞こえるほどだそうです。
また、初速が約250m/秒と低い.45ACP弾も、サイレンサー銃器の弾としてよく使われています。
ただ、何にせよ、銃が火薬を燃焼させて発射する道具である以上、完全な『消音』は不可能です。
ブラック・タロン