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1800年代にウィンチェスター等が販売していたレバーアクションライフルですが、比較的優秀な連発機構を備えていたと思います。ところがその後の戦争では主にボルトアクションライフルが使われたようです。これは一体何故なのでしょうか? 発射速度はレバーの方が早いと思います。欠点は構造がやや貧弱と聞いたように思いますが、これがだけが原因なのでしょうか?どうぞ宜しくお願いします。 kabukou |
日本の村田連発銃(ボルトアクションですが)から三十年式銃に切り替わった理由もこれです。
中央弾倉式に最も適した形式がボルトアクションだったため他の形式が駆逐されたのではないでしょうか。
Jabo
チューブマガジンは現代でもポンプアクションのショットガンに生きているので、決定的ではないかもしれません。ライフル実包だとリムファイアしか使えない欠点もありますが。
石垣一期
・中央弾倉式なら、クリップ利用で1チャージ5発以上装填可能という事です。
射撃戦闘中、この給弾効率のUPは大きいですね。
・前床内弾倉式は、”撃ち尽くすと単発式”と、ある本にも書かれていましたが、
ちょっと大げさですね。 弾倉内に残弾が有る時点で、補弾するには、結構便利な物です。
その他重要点
・火薬や銃の発達と共に、弾の威力が大きくなりましたが、このレバーアクション式の
閉鎖機構(ブリーチのロック)の強度は、ライフルに使用する様な強装弾には向いていません。
元々、拳銃弾レベル迄 或いは黒色火薬時代の威力程度迄と言えるでしょう。
・火薬や〜〜共に、弾(薬莢)のサイズも長くなりました。レバーアクションでは構造的に、
長い弾薬を装填、排莢する閉鎖機構(ブリーチボルト)のストロークを取りにくいのです。
・同じく、弾頭の形状も変化して来ました。WWI以前の弾頭形状は円頭弾(ラウンドノーズ形)
でありましたが、次第に尖鋭弾(スピア形)に発達しました。 この尖鋭弾が前床内弾倉式に
直列装填されている状況を考えて下さい。手前の弾薬のセンターファイヤーの雷管に、
後ろの次弾先端が接触=押しています。おっかないですね。
射撃反動(弾倉内弾薬の慣性)で 強く打ってしまいかねません。
ちなみに、最後の軍用レバーアクションライフルは、主にロシア軍用に製造された、
ウインチェスターM1895です。 なんと 7.62mmX54R 弾です。
{但し、中央弾倉式かつ、この当時のは、円頭弾(ラウンドノーズ形)又、他の口径も存在します。}
http://www.motiondigital.com/pccs/Win1895.htm 解説のみ。写真無し。
http://www.mtart.com/win95.htm 中央弾倉のUP
http://www.gunxpert.de/lang.htm 真中あたりの写真。
http://www.flipsideauction.com/item1.htm これは口径.303
軌跡の発動機?誉
ちなみに、米軍が最初に制式化した連発式ボルト・アクション・ライフルは、デンマークで開発されたM1892/M1896(口径.30-40クラグ)、通称クラグ・ヨルゲンセン・ライフルです。余談ですが、この時米軍が国内外から集めた53種のライフル候補の中には、日本の村田銃も入っていたそうです。
クラグ・ヨルゲンセン・ライフルは、弾薬5発を機関部右側面の弾倉扉から一発ずつ装填する形式でしたが、その後の米西戦争(1898年)で、クリップ装弾&高初速の7mmX57弾を使用するスペイン軍のモーゼル・ライフル(M1898? 通称スパニッシュ・モーゼル)に苦汁を舐めさせられました。戦後米軍は再び制式ライフルを再検討し、結果採用されたのは、モーゼル・ライフルの亜流スプリングフィールドM1903でした(これの開発のため、米軍はモーゼル社にパテント料20万ドルを払っている)。
ちょっと脱線しますが、チューブ・マガジンの欠点について。
上で書かれた『ライフル実包だとリムファイアしか使えない欠点』とは、尖頭弾を使ったセンターファイアのライフル弾薬だと、衝撃(発射反動等)で弾頭先端が前の弾の雷管を突いてしまう危険があるからです。
旧日本軍の22年式村田連発銃の弾薬(8mm)は、これの対策として、平頭の弾頭を備えていました。
あと、これも余談ですが、ボルト・アクション&チューブ・マガジンを採用した22年式村田連発銃は、銃自体の工作精度が低いため、ボルト・ハンドルを乱暴に操作するとマガジン内の次弾が引っかかって作動不良を起こすことがありました。このため配備は遅れ、日清戦争では一部師団を除いて旧式の18年式村田歩兵銃を装備して戦うことになりました。
ブラック・タロン
ブラック・タロン
私はレバーアクションの構造面より考察し、ブラック・タロン氏はボルトアクション&チューブマガジン
との関係から考察しています。
いろいろな発想が出て、楽しいですね。!!
〜?誉
「西部を征服した銃」ウィンチェスター M1866 cal.45 は「尺取虫」型のヒンジが遊底を閉鎖する「トグルロック」を使っていました。一般にトグルロックは強度が低く、高圧のライフル弾には向きません(マキシム系重機はトグルロックで 7.7mm 弾を連射していますが、そのメカニズムはゴツくて重いものです)。
レバーアクションの操作性を残したまま強度を向上させるメカニズムは天才ジョン・ブラウニングによって開発され、30-30 弾を使う M1894 として発売されました。これはレバー操作に合わせ二本のスライド・ロックがせりあがりボルトとレシーバーに刻まれた溝の間に入り込む機構です。誉氏の紹介された M1895 もこの系列のメカニズムだと思います。
レバーアクションが廃れた原因は、ボルトアクション式にくらべ部品が多く複雑で故障しやすく価格が高いこと、自動火器(機関銃および自動拳銃)の実用化によって歩兵ライフルの発射速度がそれほど重視されなくなった事などではないでしょうか。
ささき
ボルトアクションでも訓練しだいではかなり速射ができるようなので、7・62mm化×54Rのような大き目の実包なんか、ベテラン兵のボルトアクションの速射が効いたりなんて現象もありかも。
(30−06を6秒〜7秒、少なくても10秒以内に、それも移動標的にボルトアクションで3発発射したハンターを目撃したことあり。)
それから、チューブマガジンに関しては、装弾子を使用できずに実包を一発ずつしか装填できないというのは、軍用としてはやはりハンデでしょうね。
スピードローダーなしのリボルバーで長時間に渡って銃撃戦をおこなうみたいなものでしょう。
SAW
うーん、すると実はリー・ハーベイ・オズワルドこそ真犯人という線もあるわけか…(ゴミです)
http://attila.stevens-tech.edu/~glibera1/carcano/c2766.html ←ゴミついでに紹介
ささき
オズワルドの状況よりは、射手有利でしょうか。
あと、まず銃の反動に慣れることがボルト(レバー)操作以前に大切ですね。
SAW
ライフルマンの撮影用の銃はレバー付け根のトリガー・ガード部にネジかなにかを取りつけてあって、レバーを戻したときにトリガーを押すようになっていたそうです。それでレバー操作だけで連発できたとか。何年か前のGUN誌に図解がありました。
それにしても左手で銃を保持するのが大変でしょうね。
石垣一期
ライフルをいじっていて暴発させる人物が登場
します。
動くのがレバーだけでなく、機関部下端が大きく
開くのが砂を噛みそうでいやだし、思ったほど
スムースに動かないですね。
まあ、慣れもあるんでしょうが。
撃鉄を使っているのも、振動が大きそうで......
SAW
それからモデルガンですがランダルカスタム(確かMGC)も持っていました。レバーが大きく膨らんでいて銃自体を回転させて装てんできるはずでしたが、自分も含めてうまくできたところを見たことありません。(拳銃無宿なんてもう誰も知らないだろうなぁ)
Jabo
ボルト・アクションの難点は速射性に難がある点ですね。
速射に対応できるようボルト・アクションを変化させた機構として、ハンドルを前後させるだけでボルトを開閉鎖できる『ストレート・プル・アクション』があります。米海軍が昔採用したM1895(リー・ストレート・プル・ライフル)やスイスのシュミット・ルビンM1899が代表格ですが、それほど操作速度に変わりがない、構造が複雑になる等の問題があり、あまり普及していないようです。最近はブレーザーR96辺りがストレート・プル・アクションを採用していると思います。
ブラック・タロン
>3.で私が紹介した ウインチェスターM1895 のもっと解り易い写真が有りました。
http://www.winchester-guns.com/prodinfo/catalog/historicrifles/1895.htm
何と、ウインチェスター社の現在のカタログに載っているではないですか!
口径の相異はあるも、100年間以上作り続けているんですね?!!
〜?誉
しかし連続質問で申し訳ないのですが、ウィンチェスターのHPを見ると、チューブマガジンと思われるライフルを紹介しているようです。弾頭の先が、前にある弾の雷管を突いてしまう問題は解決したのでしょうか?
kabukou
http://web4.integraonline.com/~bbroadside/2F_English_Ballist.html
30-30 って結構強力なんですね….30 カービンに対し弾頭重量で約 1.5 倍、銃口エネルギーで約 2.5 倍ものパワーを持っています。そういや GUN 誌に連載されてた「Woodstock Gun 物語」で西部劇の M66 に憧れた主人公が M94 を購入(銃砲規制が緩い何十年も昔の話)し嬉々として射撃場に行ったが、「座撃ちで連射すると身体が半回転するほどの反動があり、家に帰って服を脱ぐとバットプレートの形に青痣ができていた」という話が載ってたなぁ。
ささき
kabukou
紅葉饅頭
epitaph
どっかの西部劇に出てきた切り詰め型なら?なんて思ったりもしますが、それだとルガー・ピストルやモーゼル・ミリタリーとどこが違うの?だし・・・(しかも自動式という点でルガーやモーゼルに分がある。どっちも構造複雑だけどね)
ブラック・タロン
紅葉饅頭
伏せた状態でレバーを操作するには、敵にある程度姿をさらすのを覚悟で体をひねるか、少なくとも銃を横に倒さねばなりません。ハンティングのように立って操作するなどもってのほかですし、そうなるとレバーアクションの売りであるはずの速射性がボルトアクションより劣ってしまうのです。
ついでに第一次大戦の塹壕戦ですが、それ以前の小銃(ライフル)の機能は「狙撃」「白兵突撃」「多数の斉射による制圧」でした。それが機関銃の実用化によって制圧の機能を持っていかれ、白兵突撃どころか匍匐前進ですら敵陣に迫るのは危険となります。小銃の機能は狙撃だけになってしまったわけです。
この状況を打開したのが動く盾としての戦車の出現で、その陰に隠れた歩兵の突撃が可能になったわけです。しかし戦車の後ろに隠れられる人数はたかが知れています。いきおい少数で敵陣に飛び込むことになるので、散弾銃や短機関銃のように大量の弾をばらまける火器が重用されるようになります。
その後は戦線の流動化に伴って、一般の歩兵の小銃に関しても狙撃より突撃時の火力が重視されるようになり、自動小銃、突撃銃と機関銃化が進んで現在に至ります。機関銃の出現は間接的に小銃の発射速度を上げたとも言えます。
石垣一期