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こんにちは、 欧州戦線でダックハンターの迷彩服が導入されたのはいつからでしょうか? AK |
ブラック・タロン
並木書房の【第2次世界大戦 米軍軍装ガイド】の中で北フランス戦線で短い期間使用されたような記述がありました。
(説明文書には、見た目が武装親衛隊の迷彩服と区別が付きにくい為、味方からの誤射を恐れて、使用を中止したと書いてあったような・・・。)
上記の記述から考えますと欧州戦線では1944年頃に導入されたのではないか思われますが、確認後に再度書き込みます。
パープルハート
まず、ご質問のダックハンター迷彩の披服ですが、第2次大戦中に4種類程が開発・採用されています。(正確には、その内1種類は大戦に間に合わず)
そして、ご質問が欧州戦線にて、となっておりますので、海兵隊が採用した2種を
省きます。
陸軍 M42 HBT ワンピース・ジャングル・スーツ(つなぎの様な形状)
1942年6月に正式採用・同8月より支給開始
陸軍採用のワンピース型は一旦装備を着用すると、脱ぎにくく、用をたすのにも1度装備を外さなくてはならない為、兵士たちには不評で、生産も1942年の6月に生産した分のみで中止となりました。
又初回支給分は太平洋戦域に振り向けられた為、欧州戦線には導入されていないことになります。(開発の動機が日本軍とのジャングル線を経験した将兵の要望による為、支給が再優先された。)
陸軍では上記のクレームに対し、再度、迷彩被服の開発を行います。
陸軍 M43 HBT ツーピース・ジャングル・スーツ(上着)
同 トラウザース(ズボン)
1943年6月に正式採用・ただし、支給開始は44年1月頃より
(ノルマンディ作戦の前に、他の被服の生産を優先したことによるものかと。)
又、1944年3月に狙撃兵等への限定支給に変更されます。
欧州戦線にて使用されたのは、この陸軍のM43(資料によってはM42)ツーピース・ジャングル・スーツ&トラウザースということになります。
並木書房の【第2次世界大戦 米軍軍装ガイド】のなかの1文に、第30歩兵師団と第2機甲師団所属第17工兵大隊にて使用されたとの記述があります。
しかし、味方からの誤射等の不幸な事故が相次いだ為、欧州での使用中止及び、生産中止が決定され、事実上、陸軍からM43、しいては迷彩被服は無くなります。
以上のように、M43 ツーピース・ジャングル・スーツは、1944年1月より使用禁止されるまでの短期間しか支給されていない為、欧州でのアメリカ陸軍の行動と照らし合わせますと、1944年の6月6日以降の北フランスからということ
になります。(私が参照した資料にはイタリア戦線については記述されていませんでした。もし、導入されていたとしても、1944年1月以降ということにはなりますが・・)
パープルハート