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913 第二時大戦ぐらいのとき米軍が物陰から撃ちやすいようにL字型のサブマシンガンを開発したと聞いたことがあるのですが、コレってどうやって狙いをつけていたのですか?
ken

  1. たしか、ドイツが開発し一部で実用したクルムラーフ曲射銃に影響され、M3グリース・ガンの銃身を曲げたタイプを戦後に試作していたように覚えています。
    クルムラーフは StG44 突撃銃の銃身を45度ないし90度に曲げたもので、45度のタイプは歩兵が持ち市街戦用に、90度のタイプは戦車にボールマウント装備し対歩兵防御兵器として使う予定でした。
    45度のタイプは銃身先端にプリズム式の照準器が付いており、物陰に隠れたまま照準発射できます。ただ銃口初速は相当落ちますし、妙な方向に反動がかかるので有効射程はせいぜい数十メートルでしょう。
    90度の戦車搭載タイプは銃に外部監視兼用のペリスコープで照準するものでした。こちらは更に射程が短いですが、爆薬を持ち戦車に寄ってくる歩兵を追い払うのが目的ですから「デタラメでもタマをばら撒いていればそれなりに効果がある」と判断されたようです。
    曲射銃は気休め程度の威力、悪い命中精度、短い銃身寿命など問題が多くアイデア倒れに終わったようです。
    ささき

  2. ↑「90度のタイプは銃に(連動した)外部監視用のペリスコープ…」です。
    ささき

  3.  わしの手元の資料から補足。
     ドイツが研究した曲射銃身『ボーザッツ・ラウフ』は、最初Kar98kライフルとMG34マシンガンで研究されましたが、弾頭が変形して命中精度が悪くなる(対策としてスチール弾頭を使用した)、マシンガンでは作動不良が続出する等の理由により一度行き詰まりました。
     その後、短小弾薬を使用するMP43/44が登場すると、これを使って再びボーザッツ・ラウフの研究が行われ、角度30°のボーザッツJが歩兵用に、角度90°のボーザッツPが戦車・突撃砲用に、また少数だが角度40°のボーザッツVが開発されました(上でささきさんが書いた『クルムラーフ』はボーザッツJの別名の一つのようです)。装着部分はライフル・グレネードのアタッチメントを流用しました。
     照準方法はすでにレスがある通り、銃身前方のアタッチメント部分に装着したプリズム照準器を用いますが、トップヘビーになる欠点があります。
     1944年秋に月産20,000セットが発注されたものの、実際に軍に納品されたのは500セット程度で、実戦投入されたかは怪しいところです。

     なお、ドイツから曲射銃身の資料を入手した米軍は、戦後、M3A1サブマシンガンを使って曲射銃身の試作テストを行いました。また、米軍の曲射銃身研究の情報を得た自衛隊も、1954年に日立工機に曲射銃身を試作させ、M3A1を使ってテストしています。
    ブラック・タロン


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