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833 日本海軍が南部十四年式拳銃を採用したらしいですが、
陸軍と全く同じ物なのでしょうか?
また海軍が何の為に装備したのでしょうか?
閑人

  1. 目的も銃本体も陸軍の拳銃と変わりません。一四式拳銃は潜水艦内から航空基地まで広く使われています。逆に私は一四式拳銃の他に「陸式拳銃」(一四式に非ず)と呼ばれていた銃が何を指すのかちょっと知りたい所なんです。ご存知ありませんか?
    BUN

  2. 目的が陸軍と同じということは陸戦隊のみに支給されたのですか。
    閑人

  3. 戦闘機パイロットも持っていたようです。
    (坂井中尉も持っていたかどうかは知りませんが)
    benben

  4.  海軍における拳銃は、何と言っても陸戦隊(艦船部隊などで臨時に編成した陸戦隊も)の准士官以上や一部下士官兵が武装するためですが、飛行機の乗員や特殊潜航艇の乗員なども携帯しています。
     装備の目的は、陸戦隊においては当然陸上戦闘の為ですし、艦船などにおいてはまれな使われ方ではありますが艦内に収容した捕虜の監視に使用された例があります。航空機や特殊潜航艇などの乗員の場合はもちろん地上(陸上)での自衛戦闘に用いるために携帯していますが、自決用という色合いがかなり濃かったようです。変わったところで、乗機の不時着により海上を漂流していた搭乗員がサメに襲われそうになってサメを拳銃で撃った例もあります。
     なお陸式拳銃とは、海軍で採用され「陸式」という刻印が打たれていた南部式大型拳銃の海軍部内における呼称ですが、海軍で使用された拳銃の中では14年式に比べれば数は少なかったはずです。14年式や南部式、また94年式以外にも、官品の拳銃としてはブローニングM1910をはじめかなりの種類が海軍では使用されていました。
    陸戦屋

  5. 乗員個人の携帯兵器としてだけではなく、軍艦の正規の搭載兵器として「一四式拳銃」の名前が見られますので、そのような用途にも使われたのでしょう。陸式の刻印が全ての銃にあったとはちょっと思えないのですが「陸式拳銃」「一四式拳銃」が項目を分けて記載されている文書があるので、そこでの「陸式拳銃」とは何を指すのだろう、と疑問に思っていたのです。やはり九四式なのでしょうか。
    BUN

  6. >3
    坂井三郎氏の自伝内に(どの本かは忘れた)、主計へ銀蝿しに行った列機の本田飛曹が逆に殴られた事に腹を立て、冷蔵庫めがけて拳銃を発砲したとの記述はあります。
    ただし、この拳銃が坂井氏個人向けの装備品であったか、(装備点検等で)たまたま手元にあったものを撃ったのか、そのあたりは定かでありません。

    # 坂井氏の戦場談話は臨場感にあふれてはいますが、必ずしも正確とは言えない側面があるのは事実です。
    冷泉の秘芸

  7. ずいぶん前に古本屋で見つけた文庫版の「拳銃入門」とかいう古い本に載っていた話です。南部麒次郎が開発した自動拳銃は当初コスト高を理由に陸軍への採用が見送られ、先に海軍に少数採用され「陸式拳銃」と呼ばれたとのことです。載っていた写真によればルガー P08 のようなフルチェッカリングのグリップとモーゼルミリタリーのようなタンジェントサイトを備えており、コッキングピースの形状ものちの十四年式とは異なりむしろ南部式小型に似た形状でした(半ばうろ覚えですが)。この海軍仕様の南部拳銃を陸軍は「海軍拳銃」と呼んだ、とその本にはありました。
    ささき

  8.  「陸式拳銃」とは「南部式大型拳銃」(14年式や94年式とは別物!!)のうち、海軍に採用され「陸式」と刻印された拳銃です。14年式などに比べれば少数派ですが、3校や各術科学校への導入は多かったようで、「陸式拳銃」で訓練を受けた記憶のある海軍出身者は以外に多いです。
    陸戦屋

  9.  南部式〜14年式拳銃についてまとめるとこうなるでしょうか。
    (なお、94式拳銃は南部式や14年式とはまったく異なる代物なので省きます)

    ・南部式自動拳銃(大型)
     明治38年頃に完成。口径8mm南部。後の14年式拳銃の原型。リア・サイトはタンジェント型。グリップ・セフティを備える。甲型と乙型があり、乙型はグリップ後部にストックを装着できた。グリップ・パネルはフルチェッカリング。
     単価が高いため陸軍制式とはならず、将校が自弁で購入する分と海軍向けの製造が続けられた。
     日本海軍に納入されたのは甲型をベースに改良したもので(詳細な改良点は資料不足(;^_^A)、『陸式拳銃』と呼ばれた。

    ・南部式小型自動拳銃
     南部式をほぼそっくりそのまま小型化した将校用拳銃。口径7mm南部。リア・サイトは台形の固定式になっている。恩賜拳銃として知られ、『ベビーナンブ』の愛称がある。

    ・14年式拳銃
     大正14年に制式採用。口径8mm南部。南部式自動拳銃を原型に簡略化したもので、南部式ではフレーム左側に出っ張っていたリコイル・スプリングを、左右2本に分けてフレームに内蔵した。グリップ・セフティを廃してフレーム左側にセフティ・レバーを装備、リア・サイトも固定式となり、フロント・サイトは鮫の歯型となった。グリップ・パネルは単純な水平筋彫りとなっている。
     採用後、トリガー・ガードの大型化やマガジン・セフティの追加等のマイナーチェンジが行われている。

     なお、南部式および14年式拳銃の共通欠点として、ボルト・ストップ(弾を撃ち尽くしたときにボルトを開放状態で保持する部品)がない点が挙げられます。
    ブラック・タロン


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